もう彼氏が強い必要はない?“イケメン彼女”がもてはやされる理由

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「草食系男子」という言葉が登場して、早10数年。多様な生き方や価値観を持つ女性にとって、優しくて女性の意見を尊重してくれる草食系男子は、“理想の彼氏”として人気があり、すっかり市民権を得ている。

かつての「守ってほしい」女に「俺についてこい」男という構図が崩壊し、そんな空気の変化に気づかず、昔の価値観のまま生きている男性には「モラハラ」というレッテルが貼られることも。

恋愛漫画の世界も例外ではなく、「優しい男子」と「強い女子」という男女逆転モノが今、流行っているという。その傾向は、男性向け、女性向け漫画共通の流れだというから驚きだ。

そんな中、男性を上回る強さとカッコよさ、そして文句なしの可愛さを兼ね備えた「イケメン彼女」としてツイッターでバズっているのが、マガジン発のアプリ「マガポケ」で連載中の漫画『可愛いだけじゃない式守さん』だ。

『可愛いだけじゃない式守さん』1~8話の試し読みはコチラ

『可愛いだけじゃない式守さん』第1巻 著者・真木蛍五

式守さんは、普段はとっても可愛いけれど、不幸体質の彼氏・和泉くんにピンチが訪れるとカッコいい守護神に変身する。その“カッコ可愛い”ギャップ萌えに一目惚れするファンが続出し、ツイッターで累計200万超の「いいね」を獲得しているラブコメ漫画のニュー・ヒロインだ。

6月に単行本第1巻発売されると即重版が決定し、ツイッターでは、「神漫画」「尊すぎる」「イケメンすぎて惚れた」「式守さんと付き合いたい」という声が続出するなど、ファン総“彼女化”現象が広まり続けている。

そんな“最強彼女”式守さんを世に送り出した著者・真木蛍五氏に話を聞いた。

——『可愛いだけじゃない式守さん』が生まれた経緯を教えてください。

ツイッターから人気が出る漫画が多かったので、とりあえずその方向で描いてみたのが始まりです。そうなると、1話4Pと短い中でストーリーを完結させなければならず、「可愛いとカッコいいのギャップ」を描くのがシンプルでいいかなと、式守さんが生まれました。

一方、彼氏の和泉くんは無個性でプレーンなタイプがいいと思っていたのですが、それだけでは読者が魅力を感じないだろうと、見た目をキレイ系にして、“不幸体質”という特徴を付けました。

——前作『木星少女流星群』も女の子が戦う話でしたが、もともとカッコいい女の子がお好きだったんですか?

大好きなんです。ツイッターでは、以前から可愛くてカッコいいというギャップ萌えのイラストばかり描いていました。それがちょいちょいバズっていたので、それを活かして漫画を描いてみようと思っていて。でも、しょっぱなから反応が大きかったので、ビックリしました。

——キャラクターづくりでこだわったのは、どんなところですか?

式守さんの普段の可愛さが「ぶりっ子」に受け取られないように気をつけました。特に女性目線で見ると、「可愛い」シーンの式守さんが男性の前で猫を被っているように映ってしまう場合もあるんです。だから、内面は基本男らしくてカッコいいけど、彼氏には素直に「可愛い」と思われたい、普通の女の子だということをわかりやすく描くように気をつけました。

——カッコいい式守さんに対して、話が進むごとに和泉くんのキャラクターの魅力も増してきましたね。

この漫画のコンセプトは、男女逆転ラブコメディです。そうなると、和泉くんもがんばって式守さんをリードしようとしている姿が欲しくて。和泉くんは、できないけれど、すごくがんばっている。すると式守さんが、和泉くんのがんばりを上回るカッコよさを発揮する。だからこそ、普段の可愛さがより際立つ、というように描いています。

ツイッターでも「和泉くんも可愛いです」という反応をもらっているので、うれしいですね。遊園地デートでカッコいい服を着てきてくれた式守さんを、褒め忘れたことに気づいて、ちゃんと後で褒めたり、豆まきで転びそうになった式守さんを助けたりと、式守さんがすごく好きだということを、和泉くん側も行動できちんと示すように、心がけています。

——1話1シチュエーションで、短く手軽に読めるのも本作の魅力ですが、絵を描くときに気をつけているポイントはありますか?

連載当初は「顔を楽しむ“顔漫画”」という心持ちで描いていたので、式守さんのキメカットに丸一日かけたこともありました。絵としてのインパクトを出すために、ちょっと怖いくらいの表情をつけて、猟奇的な印象を持たせたかったんですね。

でも「ちょっと怖いかも」という意見もあり、キツイ表情を柔らかめにして、目にハイライトを入れるなど、だんだんマイルドになってきました。今では、1話あたりのページ数も増えているので、全体的に絵がマイルドになっているかもしれません。

——作品には、いろいろな萌えシチュエーションが描かれていますが、ネタはどうやって考えていますか?

ネタ元は、女の子が彼氏にトキメく行動です。学生時代の友だちが当時付き合っていた彼氏にキュンキュンした話なんかを参考にしています。第5話で、「持ってて」と式守さんが和泉くんにジャージを渡すシーンは、高校で目撃したシーンを思い出して描きました。ネタとして身近で、エモいシチュエーションだったので、反応が大きかったです。

ちなみに私が一番好きなのは、第10話です。この回は、私も描いていてめちゃくちゃ絵の調子もよくて。読者の人にもそれが伝わったみたいで、この話はすごく人気があるんですよ。

(第10話ストーリー)「カッコいい女の子って憧れちゃうよね」という発言を受けて、デートにカッコいい服を着てきた式守さん。しかし、いつもと違う格好を見た和泉くんは緊張しすぎて、デートは大失敗してしまう。心配した式守さんは、次の日におかしなことに……!?

——第10話では、せっかく自分のためにイメチェンしてくれた式守さんを褒めていないことに気付いた和泉くんが、次の日にちゃんと褒めるという、彼氏の鏡みたいな行動をしていて、好感度が上がります!

式守さんがイケメンな分、和泉くんは女性的というか、女の子への理解度が高い優しさを持っているんです。女の子のありのままの姿を「好きだ」と受け入れてくれるタイプですね。それが、読者の皆さんにも好意的に受けとっていただいているみたいなので、もしかしたら最近の女性はそんな彼氏を求めているのかもしれないなと感じています。

——単行本では、描き下ろしのエピソードやイラストが掲載されています。特に、エピソードの合間に入っているイラストで、話が補完される情報が入っていて、より楽しめますね。

そうなんです。第8話では、和泉くんを守ってボロボロになった和泉SPのみんなに、和泉くんがちゃんとお礼をするカットを描きました。和泉くんも、自分でなんとかなることはなんとかしたいと思っているし、友だちもできる範囲で和泉くんの力になっている。そんな優しい世界なんだよということが伝わるといいなと思って。今後は、和泉くんと式守さんを中心にしつつ、友だちも交えた話を描こうかなと考えています。

——第1巻の終盤、第16話に登場する和泉くんのお母さんも、イマドキのカッコいい女性なので、再登場するのか気になります。

最初頭の中では、ふくよかなイメージの、典型的な“お母さん”を描こうかなと思っていたんですが、ちょうどその時、カッコいい女性アーティストのPVを見ていて、まんまと影響されてしまいました(笑)。やっぱり私は、カッコいい女の人が好きなんです!

 

可愛くてもカッコよくても式守さんが大好きな和泉くん、そんな和泉くんをさまざまな不幸から守る式守さん。多彩なシチュエーションで垣間見える2人の「大好き」な気持ちと相手を守ろうとする行動に、「基本、善意しか描かない」という著者&担当編集者の想いが込められており、そこに多くの読者が魅了され、癒されているのかもしれない。

 

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『可愛いだけじゃない式守さん』1~8話

  • 取材・文中村美奈子

    ライター。静岡県出身。ゲーム雑誌&書籍の編集ライターを経て、アニメ・漫画・映画ライターに。声優、アニメ監督、漫画家へのインタビュー記事をメインに執筆活動。

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