肉食ライターが厳選 コスパ&こだわり◎の京都・焼肉店グランプリ
どうも、自称・肉食ライターの櫻井千佳です。突然ですが、京都グルメといえば何を想像しますか? おばんざい、京野菜、和スイーツ、湯葉、お茶漬け……と、あっさり上品な食文化に目が行きがちかもしれません。しかしそれだけじゃない!
実は、北区・左京区は大阪人&神戸人もびっくりの焼肉激戦区で、近年はカルチャーゾーンの四条・三条界隈にも続々新店がオープンしているんです! 舌の肥えた京都人を満足させる焼肉って、どれだけレベルが高いんや!? ということで、今回は京都に“本当においしい焼肉”を探しに行き、気になる5店をピックアップしました。
肉が愛しくて仕方なくなる。京都の老舗焼肉店『はつだ』
まずは、JR京都伊勢丹で販売されているウスギリバラ弁当に「同じ肉なのにこんなに違うものなのか!?」とビビビッと電流が走った『はつだ』の本店から。
本店はカルチャーゾーンから少し離れた、叡山電鉄の修学院駅にあります。
「どや!」と言わんばかりに見せていただいたのが、肉屋から仕入れたばかりのミスジ、イチボ、マルシンの塊肉。見れば分かります。同じ牛とは思えないほど、部位によって脂の細かさ、入り方、赤身の色が違うことを。
「それは姉ちゃんが、肉が好きやからやわ(笑)」
お恥ずかしながら、褒めていただきました。
「同じ牛とは思えないほど脂の甘み、赤身の風味、食感もみんなそれぞれに個性があっていいねん。ぜんぶ違う動き方をしてきた筋肉やから」
なるほど、勉強になります!
そんな豆知識を聞いたら、気になって仕方ないのが“肉の質”。
「自分の目で確かめたものしか仕入れません」と、提供されるのは黒毛和牛の雌牛(処女牛)のみ。この道29年の肉匠の目利きが冴えわたる肉を、塩もしくはタレでいただくのがここのスタイルです。
なんでも、同じ部位でもその日によって肉の状態が異なるから、産地・銘柄ではなく質・コスパを優先しているとか。さらに、肉匠自身が肉屋に出向いて下処理の指示を出すため、余分なスジや脂身などはなく、終始あっさり食べられるのも魅力です。
あっさりしたものから足していく、それが“はつだ流計算式”
こだわりがビシバシ伝わってくる同店ですが、そんなこだわりをお客も十二分に理解しているからか、オーダーの8割が “おまかせ”。お品書きに目を通さない方がほとんどだと言います。
「刺身、塩焼、ステーキ、タレ焼、ご飯の順で提供するのが、はつだのセオリー。あっさりしたものから順に召し上がっていただくことで、味わいに奥行きが生まれ、より肉のおいしさを堪能していただくことができます」と肉職人の武一誠二さん。
今回焼いていただいた薄切りバラ焼1512円は、〆にあたるタレ焼のメニュー。成形の段階で余分な脂、スジを取りのぞき、食べやすいサイズにカットされて提供されます。
同メニューは、客は手出し無用! 尋常じゃないほどいい匂いをかぎながら待ちましょう。
「焼き加減が難しいから、バラはスタッフが焼くんです。ほら、色が変わってきたでしょう? 少し赤身が残っている状態で火を止め、余熱で焼き上げるのがおいしい」と、スタッフが直々、絶妙な焼き加減に仕上げてくれます。
まずは、そのままいただきました。炭火焼きの香ばしい香りはもちろん、このしっとりした脂が舌に押し寄せる感じ、上品でたまらない〜!
続いてネギ、ニンニクを加えた醤油ダレにつけて、肉の旨みをアシスト。さらに大根おろしをのせてさっぱりと味わうアレンジも。脂のキレがいいからでしょうか、あっさりと味わえるのが“うれしゅうおす”!
弁当の正体が明らかに!
でもなぜでしょう? この薄切りバラ焼、どこかで食べたことがある気がするのは……。
それもそのはず。私がいつも購入しているウスギリバラ弁当の肉こそ、この肉だったんです!
謎はすべて解けた! ウスギリバラ弁当1944円は「薄切りのバラ肉をおいしく堪能してほしい」という思いでスタート。冷めてもやわらかいのは、先ほどのお話にもあったように余分な脂、スジを取りのぞかれているからだそう。
ご飯、キャベツ、肉の順に盛りつけた後、最後にタレをかけてくれるからご飯、キャベツにもタレの味が移って満足度は、桁違いです!(力説)
取材を終えて帰ろうとしたら、手土産に弁当もいただいてホクホク。今、自身が肉天国にいることを存分に嚙みしめたのでした。
はつだ
住所:京都市左京区山端柳ヶ坪町17-3 電話:075-722-8179 営業時間:17:00~22:00(L.O.21:30) 定休日:月曜(祝日の場合は火曜休)ほか、「JR京都伊勢丹 地下2F 老舗弁当コーナー」あり
ひとり客専用店のパイオニア『ひとり焼肉やる気 四条河原町店』
今、巷で噂になっているのは、ネクタイ族からおしゃれ女子まで、幅広い年代層からラブコールを集める“おひとりさまスタイル”の焼肉店。
そのパイオニアともいえるのが、京都を中心に展開する『ひとり焼肉やる気』の四条河原町店です。
京都人なら「おっ」となる人も多いのでは?
それもそのはず、『焼肉やる気』といえば“質のいい肉をたくさん食べられる”食べ放題でおなじみのお店。かくいう私も、京都で過ごした学生時代に、何度お世話になったことか……(しみじみ)。
「『今日はいいことがあったから。いつもよりほんの少し贅沢して』というように、その日の気分で気軽に立ち寄ってほしい」
そんな代表の柔軟な発想から、ひとり焼肉特化型の店舗をスタートさせたのは2015年のこと。
ひとりでもアレコレ楽しんでほしいから肉のポーションは半分に。もみダレはやる気だれ、みそだれ、うま辛など5種類から選べて、さらに3種類のつけダレで味のアレンジができるなど、ひとりであれこれ楽しめる工夫が随所に。
なるほど。ネクタイ族からおしゃれ女子まで、幅広い年代層から愛されるのも頷けますね!
この分厚さ、まさに昇天級!
「肉には自信があります。目利き、カット技術、各種タレの味付けなど、すべてにおいて創業30年のノウハウが生きていますから」と語るのは店長の高山正勝さん。そんな店長におすすめしてもらったのが、食べ&噛み応え抜群な厚切りの牛タンとハラミ。厚切りゆえの濃厚な旨みとたっぷりの肉汁に、ノックアウトされる客が続出中だそう。
私もノックアウトされたいです! ということで、まずは厚切り牛タン(ネギ塩付き)1026円をオーダー。
格子状の切れ込みが入っているから、歯応えは抜群なのにやわらかく、旨みがジュワ~ッと広がります。肉汁モンスターか! と強めに突っ込みたくなるほど。
もちろん、熟成厚切りハラミ うま辛810円もいただきます。
おおっと、厚切りなのにやわらかくて、あふれんばかりの肉汁が口いっぱいに広がるのはなぜ?
「ハラミの中でもスジが少なく、サシが細かい部位のみを使用しているからです」と店長。さすがのクオリティ!
はじけるカルビ、ホルモンも必食!
まだまだ腹五分目。そろそろ脂身が食べたい! ということで、カルビやる気ダレ(醤油)648円を焼いてもらいました。
そのままではもちろん、“醤油つながり”ということで、やる気つけダレをつけていただきます。
甘みと酸味、コクと香りの見事なハーモニーは、長年寄り添うおしどり夫婦のよう♡ しかも脂の甘み、肉の旨みもしっかり引き立ててくれるなんて!
締めくくりには、とろテッチャン みそだれ626円を。「最後にホルモンって重たいわ」なんて心配事がどうでもよくなるほど、このホルモンは中毒性あり! 口に入れた途端、超絶・旨みが爆発! 濃厚なみそだれも相まって、ビールのおかわりも進む、進む……。
と中毒症状を起こしていたら、「これをどうぞ」と店長に麦ごはんを手渡されました。テッチャンをワンバウンドさせて、肉汁+タレでご飯をかけこむのがおすすめの味わい方とか。おいしくないわけがない!
たらふく食べて、味のバリエーションも楽しめて、お会計は3000円ちょっと超えというありがたさ。ひとり焼き肉サイコー! と近々のひとり訪問を決意する私でした。
ひとり焼肉やる気 四条河原町店
住所:京都市下京区四条通小橋東入ル橋本町111 四条アイプリ屋ビル1F 電話:075-211-2981 営業時間:11:30~23:40(L.O. 23:00) 無休 ほか、「新堀川店」「山科店」「宇治大久保店」「西大路五条店」「洛西店」「高野店」「河原町店」「寝屋川店」「京都駅八条口店」あり
http://www.yaruki.co.jp/
オーナー自ら生産者を厳選『京都焼肉処きはら』
(私のような?)洗練された大人が通える焼肉店が知りたい! ということで訪れたのは、オフィス街の丸太町にありながら隠れ家的なロケーション。
ニュートラルなカラーを基調としたしっとりムードの店内には、プライベート感のある座敷席も完備……と、目利きのできる大人をうっとりさせます。
時代は“産地”より“生産者”!
名店に行き尽くした焼肉ラバーが最後に通う……といっても過言ではない品揃えは、店主自らが吟味した出自の分かる和牛たち。肉というと産地名で選びがち(お恥ずかしながら、私もブランド牛に目がない肉食女子)ですが、大事なのはいかに大切に飼育されているかだそう。
「同じ産地でも環境が異なると、味も180度異なってくる」 という理由で牧場を識別し、職人気質&品質志向の生産者から仕入れを行っているそうです。なるほど、迎えてくれる肉もこだわりまくりの“大人仕様”なのですね。
そうはいってもブランド牛に目のない私。「どこの産地・銘柄のものを扱っているのですか?」と切り出します。
気になる答えは、近江牛、飛騨牛、丹波牛、佐賀牛と、紅白歌合戦のような豪華布陣。
でもそれだけじゃない。そこから「この道20年の“肉匠”が、赤身の色やサシの入り方など、肉の質を見極めていきます。仕入れの基準に満たない場合は、仕入れをお断りすることもあるんです」と、厳しすぎる(!?)目利きを行います。生産者選び、職人の目利き……何重ものチェックが入るからこそ、究極の牛肉にたどり着くことができるわけですね。
このハラミ、初感覚!
そんなエピソードを聞いていたら、よ、よだれが~! ということで、いちばん人気の特選ハラミ1580円を、代表の木原大輔さんに焼いてもらいました。
ハラミは臭みが少なく、味がくっきりとした近江牛を。「肉のうまみが堪能できるように」と厚切りにカットされ、秘伝のタレをかけて提供されます。
洗いダシをつけて一口頬張ると、あら不思議。厚みがあるのに驚くほどやわらかく、肉汁がジュワッとあふれだします!
「その答えは、華麗な包丁さばきでスジを取りのぞき、旨さと食べやすさを倍増させているからです」と店主。職人気質なワザに感謝です!
続いてハラミと同様、近江牛の天肉1280円を味わいます。
天肉ってどこぞや? と思われるかもしれませんが、答えは頬肉のこと。
韓国辛子を効かせた醤油ダレでいただきます。
ひと口目はあっさり、それからツンと通り抜ける香りが心地よくて、頬が落ちそう~! 噛むほどに旨みがジュワ~ッと、歯応えもあって肉を食べている満足感アリアリです。
「実は天肉、ハラミのタレにつけて焼いてもおいしいんです」と代表。赤身の濃い味と弾力ある歯応え、ジュワ~ッと広がる旨み、それらを包み込む秘伝のタレ。イメージしただけでおいしそうでしょう? いえ、おいしいんです!
「今日は何がおすすめ?」と尋ねて肉を決め、焼き加減のアドバイスをもらい、手早く焼いて一口ほおばってみると、極上の旨みが口のなかでほとばしる。想像以上に楽しい焼肉ナイトをお楽しみください!
京都焼肉処 きはら
住所:京都市中京区両替町二条上ル北小路112 電話:075-212-9870 営業時間:11:30~14:00(L.O.13:30)、17:00~23:00(L.O.22:00) 無休 ほか、「焼肉スタンド キハラ」あり
http://www.yakiniku-kihara.com/
必食は部位が一目瞭然! 牛一頭丸ごと焼肉『肉や すず』
焼肉ツウ(自称ですが)を名乗るなら、生きているうちに“一頭丸ごと焼肉”を経験しておきたい。
そんなお店あるの? だって、定番部位からクリミ、天肉など希少部位まで、これぞ! と思うものを扱わないといけないって、めちゃめちゃ難易度が高くない!?
……あるんです。
その正体は、「新鮮、かつ納得いくものしか出さない」とプライドがキラリと光る『肉や すず』。それもそのはず、オーナーの鈴村亮さんの実家が精肉店を営んでいたため、おいしい仕入れルートがあったのだといいます。
現在は鈴村さん、そして焼肉一筋の職人・高橋秀明さんが鮮度にこだわったホルモン、そして、産地にこだわらず、その日いちばんおいしい肉を厳選して仕入れているそうですよ。
さてさて本当に“一頭丸ごと焼肉”は体験できるんでしょうか? とメニューを見ると、ありました~!
和牛一頭セット3980円(1人前。2人前からオーダー可)。なんとオリジナルの牛型皿にのせて提供されているといいます。
ジャン!
肉の解体新書か!
どこの部位で、などと考える必要なし! 見れば分かります。極上のヘレを筆頭に、上タン、天肉、ミスジ、クリミ、特選ロース、ハツ、上ハラミ、ランプ、カルビ、イチボと、牛型皿上の該当する部位に配置されていますから。
ではなぜ、一頭セットを始められたのでしょうか? その答えは簡単。肉へのこだわりが分かってもらえるような、名刺代わりのメニューが欲しかったからだそうです。しかもあえてのまるっと一頭買いではなく、ハツや天肉は新鮮なもの、ミスジやイチボはA5ランクで脂がきれいなもの……というように質を最優先するこだわりぶり。すなわち、その日の部位のグランプリが集うわけですから、アジア~欧米まで食通が押し寄せるのも納得できるわけですよ!
もちろん、試食させてもらいました。「いろいろな部位を好きなように食べてもらいたい」というのがお店のモットーですが、あえて教えていただくとしたら、赤身→脂身→赤身→脂身の順で食べるのがおすすめだということです。
私もあっさりとしたタンからスタート。ランプ、クリミ、イチボ、ミスジ、ヒレ、天肉……の順に、各部位の味わいの違いを楽しみながらいただきました。
タレのかかっていないものは肉本来の旨みを際立てると同時に、終始あっさりと味わえる抹茶塩、タレのかかっているものは香り豊かなつけダレで味わいます。
ちなみに、脂身といっても次の日にもたれにくい脂の牛にこだわり、さっぱりとした脂が食欲を掻き立たせる肉が選ばれているから、胃もたれとも無縁でした! これは(年齢的にも)うれしい!
最近の私は、好きな部位はイチボ、ミスジと二股状態でしたが、ここにきて決意を揺るがすような、運命的出会いを果たすことになります。
ヒレってこんなにおいしいの?
それもそのはず、一頭から1kgしかとれないヒレのど真ん中(シャトーブリアン)のみを提供しているそう。だからサシが細かく、噛まないでいいくらいにやわらかいんですね! 塩で繊細に味わいます。ちなみにステーキ屋で食べると、100g・15000円のレベルだそう。ギャグマンガのように目が飛び出ました。
昼から感動の焼肉体験を
ランチメニューも充実しているこちら。「ぶっちゃけ、コスパがいいのはどれですか?」という関西人らしい質問にも、オーナーは誠実に応えてくれました。「和牛ステーキ定食(120g)2180円(税別)ってあるでしょう。この肉、実はさっきのヒレなんですよ」と……。
えぇっ? ヒレって100g・15000円レベルのヒレのことですよね?
話によると、夜のメニューでは使われない部分を提供するため、採算度外視の名物メニューになっているそうですよ。
クオリティを考えると、どれもこれも他店でまずあり得ない良心的なプライス。日々、頑張る自分へのご褒美に、たまにはこんなえぇ肉をいかがですか?
肉や すず
住所:京都市東山区日吉町229-1 アクール七条1F 電話:075-531-2633 営業時間:11:30~14:00(L.O.)、17:00~23:00(L.O.) 定休日:水曜
肉はもちろん、野菜も抜け目なし! 『焼肉石屋 出町本店』
京都人ならよ~く知っていることでしょう。
京都市内・北部にある出町柳が、ラーメンやパンに負けず劣らず、焼肉の激戦区であることを。
そんな激戦区で20年以上暖簾を守り続けているのが、現在、京都市内に5店舗を展開している『焼肉石屋』の本店。舌の肥えた働きマンも来れば、品のよさそうな老夫婦も、たらふく食べたい下宿学生たちもやってきます。
「気軽派も、本格派も、おいしいと思える肉を提供したい。だから、質もコスパも妥協してはダメでしょう?」と、いい肉を安く提供するための誠実さにグッときます。
肉はA4ランクの黒毛和牛を中心とした赤身をはじめ、希少部位、新鮮なホルモンまで幅広く。サイドメニューも手を抜かず、野菜は上賀茂・大原などの農家から直接買い付けている八百屋『八百春』から仕入れているそう。
と、肉以外でも満足度を押し上げてくれるなんて、さすが20年来の人気店、侮れません!
つかみは新鮮なサラダで!
「肉の前にぜひ食べてほしい」とスタッフの山本恵さんにおすすめいただいたのが、京野菜たっぷり石屋サラダ637円。意外な展開に「肉じゃないの!?」と思いながらパクリと食べると、フレッシュ、フレッシュ、フレ~ッシュ! 夏の……ではなく幸せの扉を開けました。トマト、パプリカなど地野菜を惜しみなく使っているから、味が濃く甘みをダイレクトに堪能できます。まるで余興を担う若手漫才師のように新鮮!
私のツボにスルッと入り込み、すでに上機嫌の私ですが、本番はここから! 主役たちの出番です。
スタミナつけま賞!
「まだまだ暑いですから、スタミナをつけてください!」と提供してもらったのが、超にんにくハラミ853円。
見てください。ハラミの上にすりおろしにんにくドーン! その上に素揚げにんにくドーン! 出てきた瞬間からインパクト強すぎでしょう(笑)。
その理由は後々分かります。
口の中に入れると、ハラミのパワフルな旨み、すりおろしにんにくの食欲をそそる香り、素揚げにんにくの香ばしさが三位一体となり、一気に旨みが爆発します。
見たことないで賞!
続いてマニアなネタを堪能したい! ということでテールスライス塩焼き1177円をいただきました。肉ツウを名乗りながらも初めての部位。「なぜ見かけないんですか?」と質問すると、「単純に付け根の先だから希少ですし、中央に骨が通っているから、これだけ薄くカットするのが大変なんですよ」という説明が!
ジワジワ焼くと、網の上であさがおの花びらが咲くみたい。味はというと……骨付きカルビのように、骨のまわりがいちばん旨みがあっておいしい!
それではここで“石屋オン・ザ・ステージ”を、より楽しんでいただくための小ネタを。
種類豊富なホルモンはハーフ&ハーフで食べ比べができたり、ビールやハイボールのジョッキは冷凍庫でキンキンに冷やされていたりと、おいしく肉を味わうための工夫も盛りだくさん。材料サイコー、調理サイコー、気配りサイコー!
肉はもちろん、サイドメニューで野菜もしっかり食べられるから、食べ過ぎても罪悪感なし、すべてなかったことに……なんてことにはならないのであしからず。
焼肉石屋 出町本店
住所:京都市左京区田中下柳町29 電話:075-532-2929 営業時間:18:00~24:00(L.O.23:30) 定休日:木曜 ほか、「太秦店」「かどの大路店」「府庁前店」「祇園石屋」あり
参りました。(失礼極まりないですが)赤身肉といえば神戸、ホルモンといえば大阪……。そんなイメージをいい意味で覆してくれる、味よし、コスパよし、接客よしの“焼肉天国”京都なのでした。みなさんも幸せの扉をノックしてみてください。肉欲を存分に満たしてくれる、天国が待ち受けているはずです。
- 取材・文・写真:櫻井千佳