怪しい実業家と「ギャラ飲み」 自民党議員、松井稼頭央らが集結

面識もないのに高額なギャラにつられて怪しいパーティーに集った面々

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4月8日、代官山で開かれたパーティの様子。ビンゴ大会なども行われ、豪華景品がプレゼントされたという

芸能人の「ギャラリスト」

たとえ主催者の素性を知らなくても、呼ばれればどんなパーティでもホイホイと参加してしまうのは、吉本芸人に限った話ではなかったようだ。

今回、『FRIDAY』が入手した十数枚の写真に写っているのは、誰もが知っている顔、顔、顔……。

熱唱するのは『T–BOLAN』のボーカル・森友嵐士(あらし)。スピーチをするのは自民党・平沢勝栄衆議院議員と秋元司衆議院議員。プロ野球のレジェンド・松井稼頭央と元バレーボール日本代表の川合俊一は、一緒に記念写真をパシャリ。司会として場を盛り上げているのは、アナウンサーの生島ヒロシである。

別の写真に目を移してみても、元『東方神起』のジェジュンやアントニオ猪木、元至学館大レスリング部監督の栄和人(さかえかずひと)氏、神取忍ら有名プロレスラーなど、錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。

これらの写真が撮られたのは、今年4月8日。東京・代官山(渋谷区)の高級レストランを貸し切って開かれた、若手実業家・X氏の誕生会でのことである。

「会場には200人ほどの来場者が詰めかけ、著名人も20人近く来ていました。『T–BOLAN』の森友さんは、Xさんと一緒に代表曲である『離したくはない』を熱唱。その他の有名人は、スピーチをしたり、Xさんを囲んで記念撮影をしたり、テーブルで酒を飲みながら食事をしたりと、それぞれ楽しんでいる様子でした」(参加者の一人)

出席した有名人たちはいずれも、主催者であるX氏を「これからの日本を担う人物」などと持ち上げたが、実はまったく面識がないという。彼らのほとんどは、パーティに参加し、「お車代」として謝礼をもらって帰っただけ。つまりこのパーティは、いわゆる「ギャラ飲み」だったのである。パーティの内情をよく知るX氏の知人が言う。

「Xの仲間に芸能界に顔が利く人間がいて、その人を通じて有名人は集められました。有名人にはそれぞれギャラの額が決まっていて、一番高い人は30万円。以下、20万円、10万円、5万円と続く。私は『お車代リスト』をこの目で見たので、間違いありません。ギャラはX氏の部下が封筒に入れ、帰り際に資生堂パーラーのお菓子と一緒に渡していました」

なぜ、X氏は高額なギャラを支払ってまで、著名人を自分の誕生パーティに呼んだのか。その理由は、X氏が行っている”ビジネス”に関係がある。

「X氏は『バイオプラスチックなどさまざまな事業で近く上場する』と謳い、5億円近いカネを集めている。『将来値上がりする』と持ちかけられて未公開株を買った人もいるし、『代理店にならないか』と言われてカネを払って契約した人もいる。さらにX氏は、『JOBコイン』という仮想通貨のオーナーも自称しており、そちらの宣伝も盛んに行っている。X氏に大金を支払い、コインを購入した人は大勢います。パーティに有名人を呼んだのは、人脈をアピールして、さらにカネを集めるためでしょう」(前出・知人)

しかし実は、X氏の会社は事務員も経理もおらず、所在地はレンタルオフィス。そもそも企業の実体があるかすら怪しく、上場の予定もまったく立っていない。「JOBコイン」も、その値は暴落を続けているという。昨年5月、X氏の会社に1100万円を投資した男性が語る。

「実体がないことがわかっていれば、出資はしませんでした。『1株20万円の価値があるが、いまなら1万円で譲れる。来年の夏には上場する』と言って出資させたんだから、明らかに詐欺ですよ。Xにはカネを返せとずっと連絡をしていますが、逃げてばかりで会おうともしない。私の他にも、”被害者”は大勢います。ラチが明かないので、近く刑事告訴する予定です」

こんな人物のパーティに参加し、なおかつギャラをもらっていたとすれば、軽率の誹(そし)りはまぬがれない。

本誌は参加が確認できた有名人15人に取材。回答が得られたのは11人だったが、何と全員がX氏とは「面識がない」と答えた。「ギャラをもらった」と回答したのは次の4人だ。

「紙袋をもらった記憶はありませんが、歌のギャランティとして30万円をいただきました」(『T-BOLAN』森友)

「誕生日パーティの途中に5万円をいただきました」(神取忍所属事務所)

「生島ヒロシに関しては司会として、報酬を事務所が受け取りました」(生島ヒロシ所属事務所)

「松井に確認したところ、記念品とともに紙袋に入っており、受け取ってしまったとのことです。なお、金額については 差し控えさせていただきます」(松井稼頭央が二軍監督を務める西武ライオンズ広報部)

驚きだったのは、スピーチまでした平沢議員と秋元議員である。平沢議員は「300%もらっていない」と断言。秋元議員も「著名人扱いではなく、お車代はありませんでした」と答えた。

有名人との”つながり”により、X氏を信用してしまった出資者は少なくない。パーティに出席した有名人たちは、まずはそのことを認識すべきだろう。

X氏の隣で挨拶をする平沢勝栄議員。本誌の取材には「知人に誘われて参加したが10分ほどですぐ帰った」と回答
X氏は「秋元司議員と親しい」と喧伝していたが、議員は「(X氏の事業は)全く存じ上げておりません」と回答
川合俊一、松井稼頭央、生島ヒロシ。川合の所属事務所は「手土産をいただいた記憶はございます。内容は覚えておりません」。生島の事務所は「(詐欺が事実なら)報酬の返還を含め誠意をもって対応致します」と回答
爆笑する神取忍。「(知人から)声が掛かったので行きました。(X氏には)初めてお会いしました
本誌の直撃に答えるX氏。上場については「将来の可能性の話をしただけ。納得して契約してもらった。何の法律違反でもない」。企業の実体がないのではと指摘すると「創業時ですから」。パーティについては「普通に来てもらった。人脈が広かっただけ」と語った

『FRIDAY』2019年8月23・30日号より

  • 撮影田中俊勝

Photo Gallary6

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