一目でわかる! キャッシュレス生活で得する方法 | FRIDAYデジタル

一目でわかる! キャッシュレス生活で得する方法

スマホ決済とカードを組み合わせてポイントを稼ごう

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写真:朝日新聞社
写真:朝日新聞社

結局、何ペイが得なのか?

最近、急に流行りだしたQRコードによるスマホ決済に、これまでもあった電子マネーやクレジットカードが入り乱れ、一般人にはどのサービスが便利なのかわからない。そのうえ、鳴り物入りで始まったセブンペイは即座にサービス廃止に追い込まれ、一抹の不安もよぎる。

そこで本誌は、数あるキャッシュレス決済を取材し、どうすればお得に使えるのかを精査した。その結果わかったのは、漫然と流行に乗っかってスマホ決済を使っているだけでは、あまり意味がない――スマホ決済はクレジットカードと組み合わせることで最高のパフォーマンスが引き出される、ということだ。

「『100億円あげちゃうキャンペーン』で話題になり、980万人のユーザーを抱える、PayPayを使うならば、ヤフーカードと組み合わせるべきです。ヤフーカードでの引き落としにすることで、開催中のキャンペーンとは別に3%還元され(上限は1回1万5000円、月に3万円相当まで)、さらに20回に1回の確率で1000円相当が戻ってくるチャンスもあります(合計で月3万円相当まで)。ヤフーカード以外のクレジットカードからの引き落としでは、ポイント還元率はわずか0.5%ですから、これは大きな差です」(ITジャーナリストの久原健司氏)

別途、ヤフーカードからPayPayにチャージ(入金)すれば、Tポイントの1%還元も受けられる。さらにカードの新規入会と3回のカード利用で、最大1万円相当のポイントがもらえる特典もある。ただし、このポイントは使用先がヤフーショッピングとロハコにほぼ限定されているので、注意が必要だ。

「PayPayは『毎月いつもどこかでワクワクペイペイ』という月替わりのキャンペーンも展開しています。8月は飲食店やスーパーに加えて、コンビニでランチタイム(11時~14時)にPayPayで支払うと、10%のポイント還元が受けられる(上限は1回1000円、月3万円相当まで)。セブンイレブンやファミリーマート、ローソンといったコンビニの他、牛丼の松屋やかっぱ寿司も対象です(一部店舗を除く)。

ソフトバンクやワイモバイルのユーザーなら、ポイント付与率が20%にアップします(上限は1回2000円まで)。特典を受けるにはヤフープレミアム(有料)への登録が必要なので、該当する人は忘れないよう気をつけてください」(消費生活アドバイザーの丸山晴美氏)

PayPayはソフトバンクの営業力を活かして、地方都市での利用店舗を増やしている。出張の多いサラリーマンにはとくにオススメだ。

しかも、同社は今年5月にソフトバンクグループから460億円の出資を受け入れ、手元には920億円もの潤沢な資本金がある。これを元手にして、10月の消費増税の前に再び100億円規模のキャンペーンを行うのではないかとスマホ決済の業界関係者は注視している。

秘技「ポイント5重取り」

楽天はショッピングモール「楽天市場」を中心に「楽天経済圏」を築いていることで知られる。楽天スーパーポイントを貯めたいのならば、楽天ペイと楽天カードを組み合わせて使うのが鉄則だ。

「合計で1.5%のポイント還元と、一見、PayPayとヤフーカードに見劣りしますが、実は9月30日まで『楽天カードを設定したお支払いでずーーっと実質最大5%還元キャンペーン』が実施されています。これだと、ローソンやウエルシア、白木屋などの楽天ペイを使える店舗で楽天スーパーポイントが5%分も還元されるのです。

さらに楽天ペイと楽天カードを賢く使えば、ポイントの『5重取り』も可能です。前述の楽天ペイと楽天カードのポイント2重取りに加えて、スマホアプリ『楽天チェック』加盟店なら、来店してチェックインするだけで10ポイント程度の来店ポイントが付与されます。しかも衣料品チェーンの『ライトオン』やコンビニの『ポプラ』なら『楽天ポイントカード』あるいは『楽天ポイントカードアプリ』の提示でポイントがもらえるため、ポイントの4重取りが可能。そのうえ、ライトオンの場合、独自のポイント制度『ライトオンメンバーズ』のポイントも貯まるので、5重取り(!)となるわけです」(マネーライターの松岡賢治氏)

仮にライトオンで1万円分の衣料品を買った場合、キャンペーンを考慮すると、710円分のポイントが還元される。消費税分がほとんどチャラになる計算だ。

数々の企業とポイントの提携を行ってきた楽天だが、今年6月に発表したJR東日本との提携は衝撃的だった。消費生活評論家の岩田昭男氏が解説する。

「’20年春をメドに、楽天ペイからSuicaを発行・チャージすることができるようになります。赤い色のSuicaで、楽天パンダとSuicaのペンギンが一緒になるのです。スマホ決済がいくら普及しても、電車に乗るときは交通系の電子マネーが必要でしたが、来春には楽天ペイで電車に乗れるようになる。逆にSuicaはポイント付与が苦手でしたが、楽天スーパーポイントが貯められるようになるのでしょう。詳細はこれからですが、利便性はグッと広がります。この10月から楽天はスマホのキャリアとなりますが、Suicaアプリをインストールできるようになるはずです」

コンビニで20%ポイント還元

スマホとの連携で一歩先を行くのが、NTTドコモのd払いとdカードの組み合わせだ。岩田氏が続ける。

「ドコモのd払いは、スマホ決済のダークホースかもしれません。基本還元率1.5%に加えて、ドコモの携帯料金もdカードで支払えば1%のポイントが上乗せされますし、d払いはローソンやマツモトキヨシ、髙島屋などで利用できます。しかも、ここがドコモのスゴいところですが、スマホ決済をよく理解できなくても、全国津々浦々にあるドコモショプに聞きに行けば、店員さんが教えてくれるのです」

d払いもまた、お得なキャンペーン攻勢を仕掛けている。dポイントスーパー還元プログラムでは、最大7%のポイント還元を謳(うた)う。ダゾーンやディズニーデラックス、dマガジンなど月額課金サービスに登録していることなど、条件がいささか複雑なので、気になる人はドコモショップに聞きに行こう。

「コンビニ限定ですが、d払いの利用で通常のポイントに加えて、20%ポイント還元されるキャンペーンも8月13日からスタートします(8月31日まで・上限は5000ポイント)。ローソンやファミリーマートなどの主要なコンビニが対象ですが、セブンイレブンは対象外なので注意してください。

さらに金・土曜にd払いで買い物をすれば、ポイントが3倍から最大6倍になるキャンペーンも継続中です。ただし、いずれのキャンペーンも、エントリーが必要なので、忘れないようにしましょう」(前出・丸山氏)

ファミチキが当たった!

セブンイレブンが脆弱(ぜいじゃく)なシステムのまま、セブンペイ開始に踏み切ったのは、同日にスタートしたファミリーマートのファミペイを意識したからだと言われる。そのファミペイはサービスを継続し、クーポンによるお得感を生み出すことに成功した。前出の久原氏がこう話す。

「ファミペイの面白いところは、くじ引きを取り入れているところです。現在では一日1回タリーズのボトルコーヒーのくじを引くことができます(8月19日まで)。コーヒーを5杯買えば、1杯無料になるといった、対象商品を購入してスタンプを貯めるキャンペーンもある。また、初回登録では、食品や飲料などの人気商品のクーポン券をもらえます」

本誌記者も登録してみたところ、ファミチキのクーポン券をゲット。近所のファミリーマートでスマホの画面を差し出したところ、店員のおばさんは慣れた様子で、無事に交換することができた。

「実はファミペイをダウンロードしてからほとんど使っていなかったのですが、最近、アプリを開いてみたら、『お詫びボーナス』として180ポイントがプレゼントされていました。これはサービス開始直後にアクセスが集中し、正常に起動しなかったことへのお詫びで、私としては180ポイントをタダでもらえてラッキーでした。こんなことも起こるので、とりあえずスマホ決済アプリはダウンロードしておくものですね(笑)」(久原氏)

各社がキャンペーンに躍起になってユーザーを囲い込もうとしているのにはワケがある。10月に控えた消費増税とポイント還元だ。中小企業や個人経営店舗では5%、コンビニやガソリンスタンドなどのチェーン店を営む中小企業では2%のポイントが還元される。クレジットカード評論家の池谷貴氏が言う。

「10月以降は消費増税のポイント還元が注目されるので、各社のキャンペーンは落ち着くと見られます。逆に言えば、この夏がユーザーを獲得するためのチャンスということ。8月、9月でユーザーを抱えてしまいたいと思っているはずです。300億円の還元キャンペーンを行って注目を集めたLINE Payは、まだクレジットカードと紐付けることができません。ただ、VISAとの提携を発表しているので、近いうちに連動できるようになるのでしょう。その前に、この夏には還元率20%規模のキャンペーンを打つと見られます」

各社のキャンペーンは少なくとも夏のうちは続きそうだ。いますぐにキャッシュレス生活を始めよう。

スマホをかざすのは面倒な人は――電子マネー付きカードで十分 最大10万円キャッシュバック

QRコードなどによるスマホ決済がお得なのは、よくわかった。そうは言っても、毎回、スマホを取り出し、操作して店員に見せるのは手間がかかる。位置情報やライフスタイルなどのすべてが決済会社に筒抜けになるのも怖い。そう思っている人も多いだろう。だったら、クレジットカードに付いた電子マネーを使うだけで十分ではないか。消費生活アドバイザーの丸山晴美氏がこう話す。

「たしかに還元率ではスマホ決済のほうが、お得度が高いのは事実です。ただし、その分、注意点はあります。それは、買い物の履歴や個人情報が決済サービスの提供業者に利用されること。スマホ決済は個人のスマホに連動しているため、個別の広告にも利用できてしまう。あなたがいる場所の近くや、よく使う店舗のサービス情報が頻繁に送られてくるようになることもあります。

それを便利だと感じる人ならいいのですが、そうでない人は電子マネーを利用したほうがいいかもしれません。電子マネーも買い物の履歴を集めはしますが、個人情報とはそこまで結びついておらず、企業の商品開発や仕入れなどにデータを活用しているにすぎませんから」

各社が20%のポイント還元を謳(うた)う「◯◯ペイ」ほどの派手さはないが、実は電子マネー搭載のクレジットカードにも20%還元のキャンペーンは波及している。それがイオンで使えるWAON搭載のイオンカードセレクトだ。

「現在、イオンカードセレクトは、欅坂46をCMに起用して20%のキャッシュバックを行うキャンペーンを打ち出しています。カードの新規入会者でイオン銀行からの引き落とし、かつ月末の利用(8月25~31日、もしくは9月24~30日)などと条件はありますが、カードの利用用途に大きな制限があるわけではありません。最大10万円がキャッシュバックされる大型キャンペーンなので、大きな買い物をする予定がある人はこれを機会に申し込んでも損はしません」(ITジャーナリストの久原健司氏)

同カードはWAONへのオートチャージ機能があるのも特徴だ。200円チャージするごとに1ポイント、200円使うごとに1ポイントが貯まるので、1%のポイント還元となる。そのうえ毎月5、15、25日にWAONを利用すれば、さらに1%が還元される。近所にイオン系スーパーがあり、そこで日常の買い物を済ませる人は入会を検討してみよう。

関東地方に暮らし、通勤にJRの定期券を利用する人で家電好きなら、ビックカメラSuicaカードがオススメだ。クレジットカードからSuicaにチャージして(入金は1回2万円まで)ビックカメラで使用すれば、JR東日本のJREポイントとビックポイントが合わせて最大11.5%分が貯まる。家電は価格帯が高いので、貯まるポイントも大きくなるのでうれしい。ビックカメラ以外の買い物でも、JREポイントとビックポイントがダブルで貯まる(実質1%ポイント還元)。

年会費も初年度は無料で、2年目以降は515円(税込み)だが、年1回のクレジット利用でタダになる。9月30日までの新規入会なら2000ポイントが付与されるキャンペーンも実施中だ。

旅行代金も安くなる!

「セブンイレブンやイトーヨーカドーでお得にお買い物をするならセブンカード・プラスです。クレジットチャージしたnanaco払いで、セブンイレブンやイトーヨーカドーで買い物をするごとに1%分のポイントが付与されます。また8のつく日(8日、18日、28日)はイトーヨーカドーで買い物代金が5%オフになるなど、うまく利用すれば、実質的な還元率は1%よりも高くなります」(クレジットカード評論家の池谷貴氏)

8月31日まではオンライン入会で最大7000nanacoポイントが進呈されるキャンペーンも行われている。

50歳以上で、旅好きなら大人の休日倶楽部ミドルカードがオススメだ。

「Suicaと連動しているのはもちろんのこと、新幹線を含むJR東日本・北海道線を201キロ以上利用すると、運賃・料金が5%割引になります。びゅう国内旅行商品なら、同行者も全員5%割引になるのも悪くありません。

初年度は年会費無料で、2年目以降は2575円がかかりますが、たとえば家族3人で6万円相当の旅行をした場合、3000円相当の割引を受けられるので、十分に元は取れます」(池谷氏)

政府はキャッシュレス決済の比率を現在の約20%から2025年には40%にまで引き上げようとしている。日本では現金払いのほうが安全で簡単だと言っても、この流れが変わることはない。だとすれば、日常生活の延長線上で無理なく活用するのが重要だ。消費生活評論家の岩田昭男氏がこう総括する。

「自分のライフスタイルに合わせて、具体的に言えば、毎日の『生活の動線』に合わせたキャッシュレス決済を選ぶべきではないかと思います。自宅から会社に向かう途中でよく行くお店やコンビニ、買い物で使うスーパーやドラッグストアを思い浮かべ、そこで使えるスマホ決済や電子マネーを選ぶ。ポイント欲しさにあらゆるカードや電子マネーに飛びつくのは個人情報の流出リスクを高めますので、そこは考えて選んでほしいですね」

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『FRIDAY』2019年8月23・30日号より

  • 撮影蓮尾真司写真時事 アフロ 朝日新聞社

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