W杯直前!オールブラックスの世界ランク首位陥落が意味すること | FRIDAYデジタル

W杯直前!オールブラックスの世界ランク首位陥落が意味すること

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8月17日のオーストラリア戦では、激しく雨が降る中、TJペレナラ(写真左で右手を挙げている人物)がハカをリードした。
8月17日のオーストラリア戦では、激しく雨が降る中、TJペレナラ(写真左で右手を挙げている人物)がハカをリードした。

9月20日に開幕するW杯の前哨戦として日本代表は、フィジー、トンガ、アメリカと対戦。3戦すべてに勝利し、世界ランクは過去最高タイの9位まで上がった。現在は、北海道・網走で、最終合宿を行っている。

順調な仕上がりを感じさせる日本代表だが、一方で世界最強を誇るニュージーランド代表オールブラックスに異変が起きていた。10年以上守ってきた世界ランキング1位の座を明け渡してしまったのだ。

オールブラックスは、7月20日、格下のアルゼンチンに20対16と辛勝、その後、27日には、W杯初戦の相手南アフリカと対戦し、16対16のドローだった。8月10日には、宿敵オーストラリアと対戦し47対26と惨敗。この翌日、早くも地元紙ニュージーランドヘラルドは、「非公式ながら、オールブラックス首位陥落」と報じた。

W杯2連覇中のオールブラックスにいったい何が起きているのか?スポーツライターの向風見也氏はこう解説する。

「いまのオールブラックスには主力のけが人が多い。フルバックのダミアン・マッケンジー、ロックのブロディ・レタリック、センターのライアン・クロッティ、彼らがいないのはかなりのダメージです。特にレタリックは世界最高のロック。彼がいるといないとではW杯での戦い方も大きく変わるでしょう」

今回発表された世界ランクでは、1位ウェールズ、3位アイルランド、5位イングランドと欧州勢の躍進も目立った。

「ニュージーランドのチーム事情とは別に、北半球のチームがこの4〜8年で戦術や戦略を大きく変えてきたことも大きいでしょう。特にヨーロッパのチームは、雨が多い気候のため芝がぬかるむことが多く、ボールを回して走るより、フォワードを中心としたラグビーをしてきました。しかし、近年は南半球からコーチや監督を招聘し、また芝も15年のW杯以降ハイブリッドのものが多く採用されたことから、バックスでボールを回すラグビーへと変化したんです。これが強くなったポイントだと思います」(向氏)

ラグビーは、イングランドやウェールズを中心としたシックスネーションズと南半球のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカがしのぎを削ってきた。しかし、過去8大会では、北半球では唯一イングランドが優勝しただけ。今年はこの「南高北低」の勢力図が変わるのだろうか。向氏が語る。

「ワールドカップの前哨戦は、各チーム最終的なメンバー選定のために選手を試すことが目的です。さらに本番での作戦をクローズにしたいため、この結果が現在の実力ではありません。15年の日本代表も、直前のテストマッチでは、1勝3敗という成績でしたが、本番の南アフリカ戦に最高の状態に仕上げてきました。オールブラックスは、初戦の南アフリカ戦、準決勝で当たるであろうイングランド戦、この2戦がポイント。ここにどう対応していくかで、3連覇もあるのではないでしょうか」

オールブラックスは、8月17日、地元オークランドでオーストラリアと対戦。試合前のハカはここ数年でもっとも気迫のこもったものだった。前週の屈辱を晴らすように36対0と完封勝利をおさめている。世界最強のオールブラックス、彼らの活躍次第で勢力図は大きく変わる。9月のW杯での最強軍団復活が期待されている。

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