岩隈、中島……原・巨人が「出戻り大リーガーを獲る意外な理由」

原辰徳監督はピークを過ぎた元メジャーリーガーたちをなぜ獲得するのか。本気で戦力になると考えたのか。裏には意外な遠謀があった。

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推定年俸5000万円で巨人入りした岩隈久志。’17年9月に右肩のクリーニング手術を受けて以来、メジャーや一軍での登板から遠ざかっている

「明るい吉報でしょうな……。あっ、『明るい吉報』という言葉はないか。ハハハ」

8月21日の中日戦後、巨人の原辰徳監督は報道陣に笑顔で答えた。

原監督が「吉報」と話したのは、二軍で調整中の岩隈久志(38)のこと。同日に東京ドームで行われた日本ハム戦で、350日ぶりに巨人入団以来初の実戦登板を果たしたのだ。だが投球内容は、通算63勝をあげたメジャーリーグ時代とはほど遠いものだった。

「6回から4番手で登板し、投げたのは1イニングでわずか12球。最速は141kmにとどまりました。復帰戦を東京ドームでの試合にこだわったのは、2年前に手術した右肩を気づかったためです。本人は『天候によって肩の調子が変わるから屋内で投げたい』と話しています。『(メジャー時代にいたシアトルとは違う)日本の湿気が苦手』とも。肩と相談しながらの調整となれば、今季中に一軍昇格できるか微妙な情勢です」(スポーツ紙記者)

巨人には、もう一人“出戻りメジャーリーガー”がいる。アスレチックスに在籍していた、中島宏之(37)だ。打率1割台と一軍で結果を出せず、岩隈同様、二軍で調整している。

「『いつでも(一軍に)戻る準備はできている』と、本人はヤル気十分です。ただ若手は元メジャーリーガーに気をつかい、あまり接しようとしない。中島はもっぱら、西武時代に同僚だった片岡治大(二軍・内野守備走塁コーチ)と話をしています」(同前)

巨人OBで野球評論家の高橋善正氏が苦言を呈する。

「原監督が、なぜ中島や岩隈を取ったのか理解できません。高額で獲得した選手を一軍に上げたら、使わざるを得ないでしょう。他の選手の出場機会を奪うことになる。若手のモチベーションを削ぐことにもなりかねません」

今季、原辰徳監督にこわれオリックスから巨人に入団した中島宏之。打率は1割台と不振で一軍と二軍を行き来する日々が続いている

高橋氏の指摘はもっともだ。原監督はどうして、全盛期を過ぎた出戻りメジャーリーガーを獲得したのだろうか。理由は二つあるという。

「一つ目の理由は、原さんが監督として世界一に輝いた’09年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)です。原さんが『私のレコードで最も輝いている』と胸を張るほどの快挙だった。この大会で大活躍したのが中島と岩隈でした。中島はイチローにつぐ2番打者として打率.364、6打点と大暴れ。以来、原さんは中島のことを『ナカジ』と呼び、頻繁にゴルフをするほど仲がよくなりました。岩隈も4試合に登板し防御率1.35の快投。原さんは『私の中ではクマさん(岩隈の愛称)がMVP』と話しています(実際のMVPは松坂大輔)。原さんにとって中島と岩隈は、世界一の大功労者なんです」(球団関係者)

だが当時から10年の歳月が経っている。原監督は、本気で二人が戦力になると考えているのだろうか。

「その点が、二つ目の理由と絡みます。原監督は今季から宮本和知、水野雄仁、元木大介など初入閣のコーチを多数起用し首脳陣を一新しました。若い指導者を育てる方針は、今後も変わらないでしょう。中島や岩隈に、以前ほどの実力がないことは重々承知している。むしろ世界一の功労者に引退の花道を用意した後は、指導者として期待しているんです。2~3年で巨人の雰囲気に慣れ、メジャーやWBCの大舞台での経験をいかした名コーチになってもらいたいと考えているのでしょう」(同前)

今季入閣した宮本、水野、元木ら各コーチはいずれも巨人の生え抜きだ。外様を嫌うジャイアンツで、中島と岩隈は選手の信頼を得ることができるだろうか。

  • 写真時事通信社

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