白血病と戦う天才スイマー・池江璃花子がなべおさみの家に通う理由 | FRIDAYデジタル

白血病と戦う天才スイマー・池江璃花子がなべおさみの家に通う理由

アスリートとタレント、未成年と傘寿。2人をつなぐ接点は「手かざし療法」だった――。

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駅前で待ち合わせた池江一家となべ一家。合流した池江璃花子選手はなべ氏の家族や知人に挨拶をした後、車に乗り込んだ
駅前で待ち合わせた池江一家となべ一家。合流した池江璃花子選手はなべ氏の家族や知人に挨拶をした後、車に乗り込んだ

残暑厳しい8月25日の午後3時ごろ、東京・世田谷区内の駅前で、なべおさみ氏(80)と息子のなべやかん氏(49)、その家族や知人たちが談笑していた。傍らには白い高級車が停まり、誰かを待っている様子だ。

なべおさみ氏といえば、勝新太郎や森繁久彌などの付き人をつとめてきた大物タレントだ。その幅広い人脈を生かして、安倍晋三首相や美空ひばり、高倉健とも親交があったことが自慢で「昭和の怪物」と称される。

翌日には、吉本興業所属となったことの公式発表を控えていたなべ氏。この日は前祝いとして、親しい人たちと食事にでも出かけるのだろうか。しかし、ほどなくして待ち合わせ場所に現れたのは、意外な人物だった――。

グレーの半袖Tシャツにレザー調のミニスカートと、年頃の女性らしいありふれたファッション。サングラスをかけて変装してはいるが、スラッとした171cmの長身は遠目に見てもオーラがある。競泳16種目で日本記録をもつ天才スイマー・池江璃花子選手(19)が、家族とともに現れたのだ。

東京五輪でのメダル獲得が期待されていたものの、今年2月に自身が白血病であることを公表した池江選手。都内の病院に入退院を繰り返していたが、夏頃からは外出も許可されるようになり、3日前の8月22日には東京ディズニーランドに行った写真がインスタグラムに投稿された。この投稿には16万件以上の「いいね!」が寄せられたことからもわかるとおり、日本中が彼女の白血病克服を願っている。

健康的な笑顔でなべ父子に微笑みかけた池江選手は、どうやら彼らと初対面ではないようだ。エスコートされて車に乗り込んだ池江一行は、世田谷区内の高級住宅街にあるなべ氏の自宅へ。そのまま慣れた様子で家の中へと入って行ったのだった。

アスリートとタレント、未成年と傘寿(さんじゅ)。まったく接点のなさそうな2人がなぜ、これほど親密なのか。

「今年の7月ごろに、池江選手となべさんは知人を介して知り合ったそうです。なべさんは、手をかざすことで人の病を癒やすことができると周囲に豪語しています。池江選手がその噂を耳にして、紹介してもらったのかもしれません」(なべ氏の知人)

なべ氏の「手かざし療法」については、自著『昭和の怪物 裏も表も芸能界』に詳しい。がんで胃を摘出してからというもの体力が戻らない福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治氏(79)を、その患部に「手をあてがう」ことで回復させたと記している。

「池江選手が入院していたときは、なべさんが彼女の病室へ通って『施術』していました。お盆に退院したあとは、池江選手が週に数回なべさんの自宅を訪れ、『施術』を受けています」(同前)

この日もなべ氏による「施術」があったのだろうか。池江選手がなべ氏の自宅から出てきたのは1時間後だった。再びなべ氏の車に同乗し、今度は銀座へ向かった。

午後5時ごろに一行は駅近のイタリア料理店に入店。話が弾んだのだろう。店を出てきたのは3時間以上経過した夜8時過ぎだった。

池江選手一家は店を出てすぐ、なべ氏と別れの挨拶をすませ、徒歩で有楽町駅方面へ。駅前の家電量販店で家族水入らずの時間を過ごしていた。しばらくショッピングを楽しむと、店を出て有楽町駅をぐるっとまわるように散歩。交差点でタクシーに乗り込んだ。

なぜ池江選手はなべ氏の自宅に通うのか。そして本当に「手をかざす」施術を受けているのだろうか。池江選手の所属事務所は次のように回答した。

「なべおさみ氏と親交はあると伺っておりますが、あくまでプライベートでの交流のため、知り合った経緯やなべ氏から『施術』を受けているかについてはわかりかねます。治療はすべて病院で行っておりまして、それ以外の治療は受けておりません」

本誌はなべ氏にも電話取材した。

――25日に池江選手ほか複数人で銀座にいたのは事実でしょうか。

「いや、行ってませんよ。なんか間違いじゃないですか。僕は大阪にいましたから」

なぜかとぼけるなべ氏。写真も撮っていることを伝えると、怒気を含んだ口調で早口でこうまくし立てた。

「知らないよ、そんなの。そんなことに答えたりするアレはないから。結構です。私はお話しすることなど少しもありませんので」

科学的根拠はありません

元東京大学特任教授で、血液・腫瘍内科学を専門とする医師の上(かみ)昌広氏は、「民間療法」の危険性について次のように語る。

「ディズニーランドに行くなど外出できていることから考えるに、池江選手の抗がん剤治療は順調に進んでいる状況だと思います。このままいけば、半年以内には競技に復帰して、東京五輪への出場を目指すこともあり得るでしょう。

ただ、いわゆる『民間療法』を受けているとすると気がかりです。一般的に言って、白血病治療において『民間療法』のほとんどは科学的根拠がなく、まったく効果がありません。それどころか、なかには逆に身体に害を及ぼし、病状を悪化させるようなものもあります。池江選手はすでに白血病の標準治療を受けていますが、まだまだ予断は許さない状況でしょう。怪しげな『民間療法』に傾倒せず、しっかりした治療を受けて、早期に回復することを祈っています」

深刻な病にかかったら、誰もがありとあらゆる治療法を模索する。しかし、根拠のない民間療法を信じるあまり、科学的な治療が疎かになってしまったら、元も子もない。池江選手にはベストな治療を受けてほしいと願うばかりなのだ。

一行はなべ氏の車に乗って彼の自宅へ。3階建ての邸宅は推定価格5億円の大豪邸。テレビで紹介されたことも
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池江選手は家族と一緒に、ニンテンドースイッチのソフトをあれこれ指差しながらショッピングを楽しんでいた
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8月22日、池江選手のSNSに投稿されたディズニーランドでの一枚。誕生会での写真なども投稿されている(池江選手のインスタグラムより)
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会食を終えた一行。Tシャツ姿で待ち合わせに現れたなべ氏は、自宅で派手な柄シャツに着替えて銀座へ出かけた
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本誌未掲載カット 白血病と戦う天才スイマー・池江璃花子がなべおさみの家に通う理由 なべ氏と会食の後、家族で家電量販店でショッピングを楽しむ池江璃花子
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本誌未掲載カット 白血病と戦う天才スイマー・池江璃花子がなべおさみの家に通う理由 世田谷区内の駅前で池江選手一家を待つなべおさみ氏と息子のなべやかん氏
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本誌未掲載カット 白血病と戦う天才スイマー・池江璃花子がなべおさみの家に通う理由 世田谷区内の駅前で池江選手一家と合流したなべ一家
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『FRIDAY』2019年9月13日号より

  • 撮影結束武郎

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