中国・深圳 巨大IT企業「ファーウェイ本社」の潜入撮に成功

アメリカが本気で潰しにかかった企業の建物はまるで宮殿のようだった

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研究開発本部内にある、社内循環電車のプラットフォーム。大理石張りの廊下をTシャツに短パンという軽装の社員たちが闊歩

疾走する白馬の彫刻が鎮座し、その背後には宮殿のような建物が見える。一見すると西洋のどこかの都市に迷い込んだように思えるが、写真に写っているのは、中国最大のハイテク通信機器企業「ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)」の研究開発本部である。1987年に元人民解放軍の技師だった任正非が広東省の経済特区・深圳で創業した同社は、現在では世界170ヵ国・地域に広がり、従業員数19.4万人、年間売上高11.6兆円という超巨大企業にのし上がった。いまや同社製の携帯電話出荷台数は韓国のサムスンを猛追して世界2位に踊り出、米国のアップルを世界3位に後退させた。

「ファーウェイ」の名が一躍知れ渡ったのは、今年5月、トランプ政権が同社を「安全保障上のブラックリスト企業」に入れ、米国企業との取引を禁じたことだろう。現代生活を一変させるとされる次世代移動通信システム=「5G」の技術は、ファーウェイが世界のトップを走っている。世界の覇権は軍事力ではなく、IT技術が左右する時代になった。米国が中国に覇権をすんなりと譲り渡すことはありえないのだ。

ファーウェイは今年、本社と同じ広東省の東莞市に120万㎡もある研究開発本部の巨大キャンパスを完成させた。敷地内にある湖のほとりにはパリやブルゴーニュ、ヴェニス、グラナダなどヨーロッパの12都市を模した区画が作られている。19.4万人の社員のうち8万人が研究開発部門に配属されており、その中枢がこのテーマパークのような本部だ。

また、深圳の本社にはタワーマンションの社宅群に加え世界各地のファーウェイ支社で働く社員が本社に来た時に泊まる「出張社員用ホテル」まで完備されている。ファーウェイ本社と研究開発本部を現地取材した『ファーウェイと米中5G戦争』著者・近藤大介氏が語る。

「本来、中国人は自分の会社に見切りをつけたらすぐ辞める人々なのですが、アメリカからの制裁を受けながらも、ファーウェイ社内の空気は意気軒昂という感じでした。社員の多くは’90年以後生まれで、定年は45歳。一人っ子政策時代に生まれた若者は我慢を知らず、カネのために不承不承働く人間が多いのに、ファーウェイで働いている者は工員に至るまで、そんな表情の人は見なかった。

任CEOの経営哲学『教育こそすべて』に従い、敷地内には図書館やトレーニングルームが完備され、食を重視する中国らしく社員食堂の充実ぶりはめざましい。地下駐車場にはトヨタやホンダの高級車がずらりと並んでいました」

かつて「世界の中心」だった中国が、その地位を取り戻そうとしている。

研究開発本部内の「パリ」区画。西洋庭園に白馬が疾走する彫刻はどことなくベルサイユ宮殿風だ
本社敷地内にある出張社員用ホテルの豪華なロビー。27階建て4棟、全1035室と巨大
湖の奥まった場所にある創業者・任正非CEOの接待所。社員の中には任氏の顔を知らない者も少なくない
社内循環電車には世界各地からやってきた多種多様な国籍の社員が
本社内にあるファーウェイの最新型携帯電話P30の巨大看板

『FRIDAY』2019年9月13日号より

  • 撮影近藤大介

Photo Gallary6

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