大学日本代表を子供扱い 佐々木朗希「現時点での完成度は30%」 | FRIDAYデジタル

大学日本代表を子供扱い 佐々木朗希「現時点での完成度は30%」

底知れないポテンシャルの秘密とは?「野球動作解析の第一人者」が徹底分析!

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往年の大投手、ノーラン・ライアンを彷彿させるフォームで最速163kmの直球、スライダー、フォークを巧みに操る
往年の大投手、ノーラン・ライアンを彷彿させるフォームで最速163kmの直球、スライダー、フォークを巧みに操る

わずか数球で球場を支配した。

ドラフト1位候補がゴロゴロいる高校日本代表VS.大学日本代表戦にあって、佐々木朗希(ろうき)(17・大船渡高校)のインパクトは他を圧倒していた。

これまで田中将大(まさひろ)(30・ヤンキース)、大谷翔平(25・エンゼルス)など、1000名以上の野球選手の動作解析をしてきた筑波大野球部監督の川村卓(たかし)氏は、大学日本代表のスタッフとして、一塁ベンチで佐々木の奪三振ショーを体験した。

「佐々木君はあれだけ左足を大きく上げて投げるのに(上写真)、軸足がまったくブレない。しっかり軸足に体重が乗っているから、上半身でバランスを取らずにすむ。上半身がリラックスした状態で体重移動し、腕を振ることができるのです。フォームが安定しているからこそ、制球も安定し、スムーズに腕が振れる。長身で手足が長いと、ふつうは身体が上手く使えず、コントロールに苦しむもの。ところが、佐々木君にはそれがない。バランスを整え、維持する感覚が優れている。これが佐々木君が図抜けた能力を発揮できる一番の要因だと思います」 

身長197cmの阪神・藤浪晋太郎(25)が四死球を連発している現実を見れば、佐々木の非凡さがよくわかる。

ウイークポイントをあげるとすれば、各球団スカウトが口にしている「ひ弱さ」だろう。同級生と比べて明らかに細く、連投に耐えられないことは夏の甲子園の地方大会でも証明された。

今回の大学日本代表戦も、先発で2イニング投げる予定が、急遽1イニングで降板となった。川村氏が続ける。

「私はこの春、佐々木君のフォームの動作解析をしているのですが、そのときと比べると、ややボールに抑えが利いてなかったように見えました。普段はもう少しボールに角度がついている。実戦間隔が空いてしまったことが一番の原因でしょう。ボールがシュート回転していました」

ところが――ベンチに戻ってきた2番打者の小川龍成(りゅうせい)(21・国学院大)は「シュート回転しているのに、ボールがものすごく伸びていた」と脱帽したという。

「夏の甲子園で、星稜の奥川恭伸(やすのぶ)投手が注目されましたよね。完成度は彼のほうが高い、奥川君のほうが上だという声もあがっていました。ですが、僕は佐々木君のほうが一段も二段も上なんじゃないかなと思ってます。即戦力かどうかではなく、伸びしろも含めたトータルの能力を考えれば、佐々木君のほうが上ではないでしょうか。高3のときの大谷君と比べたら佐々木君のほうが上だと思いますし、今後、大谷君を超える可能性も十分にある。佐々木君の持つポテンシャルから考えればまだ、現時点での完成度は30%もいってないでしょう。それで163kmを投げるわけですから」(川村氏)

ソフトバンクの11人を筆頭に、大挙してネット裏に押し寄せたプロのスカウトたち。彼らのスピードガンで、この日は最速160kmを計測していた。先の小川から三振を奪ったフォークは「これまで、あまり投げてなかったボールです」(パ・リーグ編成担当)。超高校級の剛速球と新球を投げられては、キャッチャーが捕れないのも無理はない。佐々木の全国お披露目となったこの日、彼は「観客がたくさんいる中でベストパフォーマンスを発揮できるか」をテーマに掲げていた。そんな重圧のかかる場面で新球を試すのだから、メンタルの強さも相当だ。

となると、気になるのはW杯の先にあるドラフト。大学日本代表を子供扱いした逸材をどこが獲得するかだが――。

「その年のナンバーワン選手を指名するという方針の日本ハムは早々と1位指名宣言をしましたが、佐々木の地元・東北の楽天も巨人も、ソフトバンクも明言しなかった。というのも、直接メジャーに行く可能性があるからですよ。すでに著名弁護士が代理人についており、戦々恐々としています」(ベテランスカウト)

進路まで「衝撃」となるのか。

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『FRIDAY』2019年9月13日号より

  • 撮影濱崎慎治写真日刊スポーツ/アフロ

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