イケメン力士「小結」遠藤 土俵を下りた後で
大相撲夏場所で一番大きな声援を送られる人気者のオフタイム
「あぁ、スッキリしました」
角界イチのイケメン人気力士・遠藤(27)は、満足気な表情で施術師に声をかけ整骨院を後にした。5月13日の夏場所初日後のことだ。
この日、両国国技館(東京都墨田区)の土俵を下りた遠藤は土砂降りの中、所属部屋のスタッフが運転するワゴン車に乗り込む。向かったのは車で10分ほどの場所にある整骨院。ベッドに横たわると施術師がハリを刺し、脚や肩を入念にマッサージし始める。遠藤が整骨院から出てきたのは2時間も後のことだ。
「’14年の春場所以来、遠藤は3度も前頭筆頭を経験しています。しかし、その度に左ヒザや両足首を負傷し三役昇格を果たせなかった。今年の春場所後に4度目の挑戦でようやく小結になり、本人も意気込みが違うようです。『長い4年間だった。ずっと場所に出るだけでやっとだった。小結になり充実した稽古が積めている』と語っていますから。もうケガするのはコリゴリと考えているのでしょう。場所中も整骨院やマッサージ師のところへ行き、長い時間かけて身体をケアしているんです」(相撲協会関係者)
以前はファンや報道陣にも無愛想。記者の問いかけにもただ首を振るだけだったが、今場所は変化が見えるという。
「イケメン力士として人気ばかりが先行し、結果が出ないことが相当悔しかったのでしょう。それほど暗い性格ではなかったんですが、ここ4年間はどんどん口数が減り、部屋でも弟子たちと雑談することはあまりなかったそうです。女性ファンから声をかけられても、無視することもあった。今は表情が明るい。『これまでは声援が恥ずかしかった。相撲に専念させてほしいと思っていたんです。現在はその声援を聞くためにやっている』と話しています」(前出・関係者)
相撲評論家の中澤潔氏が話す。
「今場所はかなり状態がいいです。ようやく人気に実力が追いついた感じ。集中力と気迫を感じます。もともと才能はあったんですが、自信がないのか小さくまとまった相撲を取っていた。それが相手をねじ伏せるような、余裕と力強さが見られるようになりました。攻めの展開が早くなりましたね。まず押して、ダメなら次の一手をすぐに考えて相撲を取れるようになった。今場所勝ち越して、次の場所で2ケタ勝てれば大関昇進も見えてくるのではないでしょうか」
連日、国技館で一番大きな声援を送られるイケメン力士の快進撃は続く。
撮影:坂口靖子