<figure id="attachment_64913" aria-describedby="caption-attachment-64913" style="width: 6384px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="61951cd7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/281bb66dbc867db04634d692694cda8b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64913" class="wp-caption-text">Tシャツ、被り物はもちろん手作り。もはや「スズメバチクン」といった体の丸沢丸（かにゃ）</figcaption></figure>
もしアナタが、スズメバチに遭遇したらどうするだろう。
まずはビビるはずだ。そして次にとる行動は、スズメバチを刺激しないよう、そっと逃げ出すこと。ところが、どこの世界にも変わり者がいる。積極的にスズメバチとの出会いを求め、ついには、スズメバチと一緒に暮らし始めてしまった男がいる。お笑いコンビ「かにゃ」の丸沢丸(35)だ。この夏、スズメバチLOVEを一冊にまとめた本も出版した。『超危険！スズメバチLIFE　図解とマンガでわかる最凶生物』（講談社）である。
<div data-friday-ad-slot="AD_inArticle"></div>
都内某所の自宅にお邪魔すると、胸に“スズバチ出没注意”と書かれたTシャツ（自作）を着て登場した。頭にスズメバチをかぶっている。恐るべしインバクト、さかなクンもビックリだ。 
著書の冒頭に、こんなクエスチョンがあった。 
Ｑ　スズメバチが日本一の殺人生物って、本当なのですか？ 
これに対して、丸沢はこう答えていた。イエスと。サメよりもクマよりも人を殺している生き物ですと。 
そんな凶暴なスズメバチを、丸沢は、なぜ好きになったのか。 
「幼い頃から虫が大好きでした。男子だから、カッコイイ虫が好き。その代表格は、カブトムシや、クワガタです。でも都会生まれの僕には捕まえる機会がありません。それで、身近な虫を観察していると、スズメバチの姿形は、クワガタに負けず劣らずイカしてるじゃないですか！」 
でも刺すよね。と、私なら冷静に考える。 
「スズメバチで刺すのはメスだけなんです。クラゲに刺された痛さの数倍です。そしてエゲツないのが、痛みを感じさせる成分が毒に含まれていること。かなづちで叩かれたような痛さです」 
刺されたことがあるか聞いた。丸沢は満面の笑みで「はい」と答えた。だって、それがスズメバチじゃないですか、とでも言いたげな笑顔だ。
この丸沢家には、生まれて初めて見たものがたくさんあった。まず、ポイズンリムーバーだ。針のない注射器のような形をしている。スポイトの要領で刺された傷から毒を吸い出すのだ。
<figure id="attachment_64991" aria-describedby="caption-attachment-64991" style="width: 6720px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="89e66763"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/ec59d85bdd727790b12b8677aaa515c5.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64991" class="wp-caption-text">これがポイズンリムーバー。山歩きをする際には携行していると安心</figcaption></figure>
そして、部屋の片隅に飾られているのは、真っ白な防護服。なかなかの重量があり、夏場、これを着てスズメバチを駆除するのは地獄だ。
<figure id="attachment_64914" aria-describedby="caption-attachment-64914" style="width: 4204px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="40f0b0f0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/b9c7b255f5dfe382ff637cd3cc9d97ac.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64914" class="wp-caption-text">スズメバチの巣を駆除する際に着用する防護服。個人で持っている人はそうそういないはず</figcaption></figure>
そして何より、丸沢がペットとして可愛がっている、生きた８匹のスズメバチである。 
「ホラ見てください。まさに今、働き蜂が仕事をしていますよ！」と、嬉しそうに、飼育ケースのひとつを指差す。聞けば、餌のゼリーをお団子状にしているそうだ。 
「ゼリーを肉団子のように丸めて運んでいるところです。飼育下では、成虫は昆虫ゼリーを食べています」 
スズメバチの成虫は、自分で運んできた肉団子は食べず、樹液をすすって生きている。ただ、それだけでは栄養が足りず、幼虫がこぼす“よだれ”を舐めて栄養を補っているのだ。 
「スズメバチは一日の飛行距離が100キロメートルになることがあるんです。そのエネルギーの源が、幼虫の“よだれ”なんです」 
驚くなかれ、このスズメバチの栄養素は、スポーツドリンクにも活用されている。
<figure id="attachment_64917" aria-describedby="caption-attachment-64917" style="width: 6720px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="23e15ef3"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/534a0a6d9cecaf5906fd2a5b09ee095f.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64917" class="wp-caption-text">嬉しそうにスズメバチの飼育ケースを取り出す丸沢。どうかしている</figcaption></figure>
<h3>■妻とのデートは昆虫食だった</h3>
丸沢は独身ではない。彼には奥さんがいる。彼のスズメバチ本の帯には、こんなＱ＆Ａが堂々と書かれている。 
Ｑ　スズメバチに2度刺されたら死んじゃうんでしょ？ 
そして丸沢の答えが恐ろしい。 
「いえいえ、1度刺されただけでも死ぬ時は死にます！」
果たして、丸沢の奥さんはこんな環境をどう感じているのか。 
「同棲していた頃からこんな感じですから、もはや当たり前になっているかも知れません。彼女は色んなものを食べるのが好きで、付き合い始めたときは、昆虫を食べにいってました。スズメバチは食べても美味しいんですよ！」 
食べたことはないが、蜂の子という珍味があることは知っている。 
「それはクロスズメバチの幼虫です」 
そういって、丸沢がクロスズメバチの標本を見せてくれた。まるでハエのように小さい。 
巣盤で見るともっとわかりやすいですと、オオスズメバチと、クロスズメバチの巣盤を並べて見せてくれた。大人と幼児ほどの差がある。
<figure id="attachment_64918" aria-describedby="caption-attachment-64918" style="width: 6720px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1eeff046"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/709a72034f2d9ebf1bbbca056081bfae.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64918" class="wp-caption-text">右がオオスズメバチの巣盤。左のクロスズメバチの巣盤と比べると、大きさの違いが一目瞭然</figcaption></figure>
ちなみにスズメバチの巣は、この巣盤が幾層にも重なり、それを外皮が覆っている。あのマーブル模様のいかついやつだ。
最後に、この記事を読んでいる読者に、スズメバチに襲われた場合の対処を聞いた。 
「９月〜11月にかけて、スズメバチの巣はピークになって、新女王蜂がたくさん誕生して外の世界へ飛び立ちます。もし、スズメバチに会ったら、身を低くしてください。彼らの視界から外れることが大切です。そして、その場からそっと離れてください」 
それでも刺されてしまった場合、どうすればいいのだろう。 
「口で吸っては絶対にダメです！　刺された患部に毒針が残っている場合があるので、その場合は毒液の入った袋を圧迫しないように、針の部分だけを持って抜きます。そして、つねって毒を出してください」 
後はわかります。子供の頃から知っています。おしっこをかければいんですよね。 
「それは迷信です！　すぐに病院に行ってください」 
なぜか最後は、叱られて丸沢家を後にしたのだった。
<figure id="attachment_64921" aria-describedby="caption-attachment-64921" style="width: 4209px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d8b4f63c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/398adc8fc0bc6785c8bb5e1450c5c95c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64921" class="wp-caption-text">丸沢が飼育しているスズメバチは全部で８匹。どう飼育するのか、前例のないことだったため書籍やネットにも情報がなく、試行錯誤の連続だったという。飼育ケースにヤシ材を２センチほど敷き昆虫ゼリーを入れ、１匹ずつ飼う今のスタイルにようやくたどりついた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_64924" aria-describedby="caption-attachment-64924" style="width: 5181px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2f0090a7"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/09/a349e7a27f10ce96de93a4c3e9dc7e74.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-64924" class="wp-caption-text">なかなか見ることのない、正面からのスズメバチの図。飼育しているスズメバチは全て丸沢自身が捕獲してきたもの。野生下の寿命と同じくらい生きるという</figcaption></figure>
&nbsp;
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-start"></div>
<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4065164583/ref=as_li_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=4065164583&amp;linkCode=as2&amp;tag=fridaymag-22&amp;linkId=b97275a39d686156b227efb5200fae76">『超危険！　スズメバチLIFE　図解とマンガでわかる最凶生物』をネット書店で購入する</a>
<div class="expapp-no-provided-scope expapp-no-provided-scope-end"></div>
&nbsp;
&nbsp;

松本時代

1967年生まれの臓器移植芸人兼ライター。人生で二度の臓器移植を体験し、移植医療普及の活動をしている。2000年に日本人初の肝腎同時移植をアメリカで、2015年に国内で妻より生体腎臓移植。2019年春より、りんご農家芸人・松尾アトム前派出所と、コントユニット「子鹿ズ」を結成。

ハギワラマサヒト

最凶生物スズメバチに魅せられ、ついにスズメバチと一緒に暮らし始めた男がいる。お笑いコンビ・かにゃの丸沢丸だ。そんな丸沢の自宅に潜入、スズメバチとの共同生活をレポートする。

「日本一の殺人生物」スズメバチと暮らす芸人の自宅潜入ルポ

あなたへのオススメ