山田孝之の挑戦に絶賛の嵐『全裸監督』が女性を応援する作品な訳

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白いブリーフ1枚で熱演する山田孝之の役者魂には、目を見張るものがある

前科7犯、借金50億――。

「AV界の帝王」の名を欲しいままにしてきた、村西とおるの半生を描いた『全裸監督』が大きな注目を集めている。動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)制作で、8月8日に配信が開始された。

「この作品は、本橋信宏氏の著作『全裸監督 村西とおる伝』が原作。‘80年代のバブル期を舞台に、AV界に君臨した村西とおると仲間達の熱狂ぶりを描いた物語。AVの撮影場面を始め、地上波では絶対に放送できない内容を映像化して世界190カ国で配信しています。シーズン1は全8話。1話あたり数億円とも言われる潤沢な予算に物を言わせて当時の喧騒に満ちた新宿歌舞伎町を再現、ハワイロケも敢行するなど、日本のテレビ・映画界では考えられないスケールで描いた壮大な群像劇です」(テレビ誌記者)

これを観た芸能界からも「これはもう、見るべき、見るべし、語るべし!!」(長澤まさみ)、「私も『全裸監督』昨日1日で一気み。」(ベッキー)「今の日本の過度なコンプライアンスに対し、痛快なまでに本質を描いてくれる。終始高揚感が止まらなかった。日本の全てのドラマや映画は『全裸監督』に嫉妬して戦いを挑むべき」(斎藤工)など賛辞を送るコメントが殺到している。

そんな中でも、白いブリーフ1枚で大きなビデオカメラを肩に担いでHシーンに挑む、村西役・山田孝之のほとばしるような熱量には目を奪われる。

「山田の見た目やしゃべり方は勿論、とり憑かれたようにAV作品にのめり込んで行く姿が、まるで村西とおるが憑依したかのよう。しかもこの役を演じることで、今後CMや地上波の仕事が来なくなるかもしれない。そんなリスクを犯しても”やりたい”と即断した山田の覚悟にも頭が下がります」(制作会社プロデューサー)

しかしそこに、山田孝之らしい閃き、先見の明がある。

山田は盟友・福田雄一監督の『勇者ヨシヒコ』シリーズを始め、視聴率を気にせずに楽しめる深夜ドラマの枠を開拓したパイオニアであり、今年は綾野剛、内田朝陽と共にバンド”THE XXXXXX”を結成してアルバムも発表。さらに社会に影響力を持つインフルエンサーのプレミアムコンテンツをライブ動画で販売・運営する会社を設立するなど、これまでも独特の嗅覚を発揮して活躍の場を自由自在に広げてきた。

今回も山田の嗅覚を刺激する”何か”があったと、前出・制作プロデューサーは話す。

「今の時代を俯瞰して見ると、コンプライアンスに締め付けられた地上波のドラマは息苦しく、日本映画は頑張っても中々海を渡れない。そんな現状をコンプライアンスにもさほど縛られず、全世界をマーケットにするオンデマンドのネット配信なら打破できると感じたのでは。だからこそ、モヤモヤした思いを抱く同業者からも支持する声が殺到しているのでしょう。“メイド・イン・ジャパン”のポテンシャルの高さを、今回の作品で証明して欲しいですね」

”テレビ離れ”が叫ばれる日本でも、30代男性の4人に1人は「有料動画配信」を利用している時代。その世界をリードする「Netflix」は、全世界での有料利用者数が1億3000万人を超え、多くの国がオリジナルコンテンツ作りを進めている。日本ではすでに『テラスハウス』などのヒットコンテンツもあるが、今回の『全裸監督』は異色の意欲作だけに評価が問われる作品となりそうだ。

さらにこの作品には、今の日本の女性達を励ます応援メッセージも込められている。『全裸監督』では、母親に縛られ抑圧されていたヒロイン黒木香(森田望智)が、AVの世界で解き放たれて行く姿が描かれていますが、それは今期注目を集めている黒木華主演の金曜ドラマ『凪のお暇』(TBS系)のテーマとも共通しているように見える。

「『凪のお暇』の主人公・凪は、”本音が言えず、空気を読んでばかり”。そんな自分が嫌になって会社を辞め、自分の力で人生を再生する物語ですが、このドラマがこれほど注目を集めるのは、今世の中に生きづらさを感じている女性が多いから。『全裸監督』は性の問題だけでなく、空気を読んでばかりいて本音を言えない、好きな仕事に挑戦したくてもできない悩みを抱えた女性の背中も強く押してくれるのではないでしょうか」(放送作家)

色んな意味で、今まで開けなかった扉をこじ開けた『全裸監督』。8月16日には、早くもシーズン2の配信が決定。この作品は山田にとって、『ゴジラVSコング(仮題)』で”ハリウッド進出”を果たす、親友でありライバルでもある小栗旬への”世界進出”を賭けた果たし状なのかもしれない。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    神奈川県出身。バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ヶ原で死んでいた』(竹書房新社)を上梓

  • 撮影等々力 純生

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