国士館高校剣道部の壮絶パワハラに主将が「このままでは殺される」 | FRIDAYデジタル

国士館高校剣道部の壮絶パワハラに主将が「このままでは殺される」

「このままでは自殺者が出る」と主将の父親が覚悟の告発

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大会で優勝した際の集合写真。左端の男性がK監督。国士舘高の教員でもあり、部活動は謹慎処分中だが、授業は現在も受け持っているという
大会で優勝した際の集合写真。左端の男性がK監督。国士舘高の教員でもあり、部活動は謹慎処分中だが、授業は現在も受け持っているという

「お父さん、辞めていい? 剣道も学校も。僕、もうダメだから……」

6月5日夜10時、寮生活を送る息子からの電話に、父は愕然(がくぜん)とした。

「いったい、どうしたんだ」

そう問いかけると、息子は、涙声で衝撃の事実を語り始めた――。

幾度も全国大会に出場してきた名門・国士舘高校剣道部で、悪質すぎるパワハラ指導が明らかになった。

「このままでは息子が殺されてしまうと思い、告発を決意しました」

そう語るのは、主将を務めるA君の父・坂本健介さん(仮名)だ。A君は剣道部のK監督から、凄絶な体罰と暴言を受けていたという。

「K監督は国士舘大出身で、剣道部の監督に就任して3年目。剣道部の生徒が生活する寮の舎監も務めています。試合に負ければ殴られるのは当たり前。木刀で何発も叩かれることもあったそうです。今年の春ごろ、Aが進路希望調査で『国士舘大には進まない』と伝えると、K監督のパワハラ指導はさらに苛烈になった。『(部活を)辞めろ』と何度も怒鳴られ、『お前は終わった人間だ』と、他の生徒の前で罵倒されることもありました」

SOSを受けた健介さんは、すぐにA君を精神科に受診させた。「適応障害」との診断結果だった。

「6月10日には、校長らと面談しました。私は即刻Kを辞めさせるべきだと抗議した。しかし、学校側の判断は『半年間の謹慎処分』という甘いものでした」

納得がいかなかった健介さんは、他の保護者にも相談した。同じように我が子の身を案じていた保護者たちと共に、部員から聞き取り調査を行うことにした。保護者が作成した報告書には、目を疑うような内容が並ぶ。

〈試合内容が悪かった先輩が、顔をつかまれて何度も壁に叩きつけられていた〉

〈遠征時のバスで疲れて寝ていた主将が顔を殴られ起こされていた〉

〈K監督が話しているときに鼻を掻(か)いてしまい、「鼻を掻いた状態で一生動かすな」と言われ、学校でも強制的にやらされた〉

〈(怪我をしても)K監督の同級生が営む接骨院にしか通院を認めてもらえない〉

〈「ゴキブリ野郎」と言われた〉

〈眉毛を剃った生徒が何十回も殴られ蹴られた〉

〈先輩が「お前の顔が気に食わない」と言われ、殴られていた〉

K監督の悪質な指導について、本誌は国士舘高へ質問書を送った。学校法人国士舘理事長室広報課は、「(部員へのアンケート調査や監督の聴取の結果)体罰や暴言などの事実はなかった」としたうえで次のように回答した。

「指導者の言動と部員の受け止め方に相違が認められたことから、今後の教育・指導の在り方を根本的に見直し、改善を図ってまいる所存です」

健介さんが言う。

「K監督を甘い処分で済ませるなら、保護者一同で学校を刑事告訴します」

厳しい指導と理不尽な暴力の違いがわからない時代錯誤の指導者は、即刻クビにするべきだ。それを擁護するのなら、学校側も同罪だろう。

監督のパワハラを告発する主将の父親。「泣き言を言ったことのなかった息子が、完全に精神的に参っていた」と語った
監督のパワハラを告発する主将の父親。「泣き言を言ったことのなかった息子が、完全に精神的に参っていた」と語った
A君の診断書。「適応障害」は強いストレスに起因する。A君が監督から殴打・罵倒される場面は多くの部員が目撃していた
A君の診断書。「適応障害」は強いストレスに起因する。A君が監督から殴打・罵倒される場面は多くの部員が目撃していた

『FRIDAY』2019年9月20日号より

  • 撮影加藤 慶

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