妻出産の10日前に就活生をレイプ 元住友商事・三好被告の大罪

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就職活動のためにOB訪問を受けた女子大学生を泥酔させ性交したとして、準強制わいせつと準強制性交等の罪に問われている、住友商事元社員・三好琢也被告(26)。9月9日に東京地裁で被告人質問が行われ、事件の詳細が明らかになった。

3月27日、警視庁中央署から送検される三好琢也容疑者

三好被告は3月1日の夜から翌2日未明にかけ、就職活動のためにOB訪問を希望した女子大学生・Aさんを都内の個室居酒屋に誘い飲食したのち、カラオケ店へと移動。Aさんに一気飲みを強要し多量の酒を飲ませ、その後トイレにいたAさんの胸を触るなどした。その後、Aさんの宿泊先のホテルに侵入し、性交に及んだという。

被告人質問に先立ち行われた実父に対する証人尋問では、事件を知ったときの家族の様子や、被害弁償の詳細が語られた。

「3月26日の逮捕……当日、お昼休みに息子の職場から私の職場に電話がかかってきて、知りました。間違いじゃないのかと思いました……息子は、当時、嫁が妊娠していることもあり、そんなこと、息子はするはずはないと……」

こらえきれず嗚咽する父親。その後、テレビ等の報道に接し、事態をようやく受け止めたのだという。

「相当に悪質な事件であると思いました……被害者に及ぼした肉体的、精神的苦痛は計り知れない。何より、女性としての尊厳を深く傷つけてしまった。どんなにお詫びを申し上げても許していただけないことだと思います。ただ、加害者の父親として心から謝罪をさせてください……」

そう言うと父親は立ち上がり「すみませんでした!」と深々謝罪した。

「もともと真面目で心根が優しい子。見た目は大きいが気の小さい子」だったという三好被告は「大学を卒業し、大手商社に就職したことで天狗になっていたんだと思う」と父親なりに分析する。硬い表情でその尋問を見つめていた三好被告、被害者とは3000万円で被害弁償の合意がなされ、うち1000万円を父親が肩代わりしたのだという。残りの2000万円は、月5万円を20年間支払い続ければ、その後の債務に関しては免除する、という内容で合意に至った……と父は説明した。

「息子には最初に、社会人としての認識の欠如を厳しく叱責したのち、3つの約束をさせました。1つは自殺するな! 2つ目は酒はやめろ! 3つ目は反社会的勢力に近づくな!……何としても、被害弁償を本人の力でさせていくことが必要。別れた嫁や孫への償いも必要。なんとか確実に履行させるため、この3つの約束を絶対守れと厳しく約束させました」

慶應大・拳法部の公式ブログに掲載されていた三好琢也容疑者の写真。部内ではムードメーカーだった

父親の尋問により、三好被告には当時、妊娠中の妻がいたことと、事件後は離婚に至り、養育費や慰謝料の支払いも必要になっていることが明らかに。保釈後、彼は四国地方の実家に戻り、父親らと同居し、トラック運転手の職に就くため大型免許などを取得したという。

引き続き「見た目は大きい」三好被告の被告人質問が始まった。保釈され、スーツ姿にメガネをかけ、緊張した様子で被告席に座る三好被告は、たしかに100キログラムはあろうかという大柄な体型。スーツのジャケットも背中部分がピチピチだった。だがその体つきに反して声は極めて小さく、ささやき声で質問に答え続けており、父親の言う通り、気の小ささがうかがえる。

三好被告 「2月上旬、同僚経由で、OB訪問して欲しいと依頼があり、2月なかば、会社の近くでOB訪問を行いました。その後もう一度、と依頼があり、3人の予定が合う日に、と3月1日に決まりました。19時半ごろ、東京駅近くの居酒屋でOB訪問を……。私は遅れて20時半ごろに着きました」

弁護人 「OB訪問では食事によく行くんですか?」

三好被告 「珍しいことではありません」

そして居酒屋からカラオケ店に移ったのち、Aさんに一気飲みを何度も強要し、泥酔させたのだという。

弁護人 「無理やり飲ませた?」

三好被告 「当時はそう認識していなかった……」

弁護人 「被害者は断れますかね?」

三好被告 「立場の違いがあるので断りにくい……断りにくい状況だったんだなと……」

声が小さすぎてほとんど聞き取れないが、その後、同僚とAさん3人で、Aさんの泊まっていたホテルへ行こうと、店を出た。その後の驚くべき行動を三好被告は引き続き、ささやき声で語った。

弁護人 「ホテルのAさんが宿泊していた部屋に入ってどうしましたか?」

三好被告 「トイレを借りて部屋を出ました。そのとき、あわよくば性交できる(と思い)……ルームキーを持ち出しました……。同僚と別れた後に、Aさんの部屋に戻り性交に……酒を飲んで……気がでかくなってたと……」

この事件を起こした10日後、3月11日に、三好被告には子供が産まれた。だが、新しく誕生した子供との3人暮らしも、自らの犯した行為による逮捕で、すぐに終わりを迎える。

弁護人 「もうすぐ産まれるお子さんがいる中で、家族の顔が浮かぶことはなかったんですか?」

三好被告 「……一瞬よぎった……」

弁護人 「逮捕まで3人で生活しながらどんな気持ちだったんですか?」

三好被告 「罪悪感、恐怖心……警察沙汰にならず終わればいいなと……」

質問者が検察官に交代し、さらに追及が続く。

検察官 「ホテルの部屋から出た後、同僚から『お前が手を出してたら、縁切ってたよ』って言われてない? その時点でわいせつ行為には及んでいて、そのうえ、そう言われたにもかかわらずホテルの部屋へ戻りましたね。同僚からこう聞いて、どういう思いだった?」

三好被告 「…………当時は深く受け止めてなかった。戻れば、あわよくば性交できるのでは、(カラオケ店のトイレで)抵抗されてないと、勝手に解釈していて、性交に及べるのではないかと……」

同僚も三好被告の欲望を察していたのか。苦しい様子の三好被告に対して、この日、一番厳しかったのは、しかめ面をしながらずっと三好被告を見つめていた裁判長だった。消え入りそうな声で質問に答え続けていた三好被告に、畳み掛けるように質問を始める。

裁判長 「あなた性交したあと被害者に『安全日だよね』って聞いたの覚えてる?」

三好被告 「……」

裁判長 「どういう意味? 聞いてどうしようと思ってたの? してしまったことでしょ、安全じゃないと言われたらどう責任取るつもりだったの? あなたが安全日コントロールできるの? これどういう質問?」

三好被告 「………性交するときに………」

裁判長 「あー、もういいです。あなたその後被害者に『誰にもこのこと言わないでよ』と言いましたか?」

三好被告 「言いました……」

裁判長 「あなたが決められるんですか?」

三好被告 「……いえ……」

裁判長 「こういう場面に本来のあなたの姿が出てるんじゃないですか!? 自己保身の塊じゃないんですか!? ここに限らずずっと! どうやったら治るんですか!」

三好被告 「……被害者や家族に、その人たちに、償いや感謝を忘れず……ううっ……誠心誠意生きて行くことで……」

裁判長 「刑務所に行った方が自己保身できるんじゃないですか?」

三好被告 「そういう選択……してしまったことが重大で……厳しい判決が出るのはしょうがない……ただ、世話になった人や被害者に賠償や恩返しをしたい……」

裁判長 「……あなた今日誕生日ですね? どんな気分ですか?」

三好被告 「………」

裁判長 「何のために生まれてきたか考える日じゃないんですか? どんな誕生日ですか!?」

三好被告 「……情けない……」

自身に対する報道はすべて目にしているとも語っていた三好被告。この記事ものちに、目にすることだろう。忘れられない誕生日の記憶として。論告弁論は次回、10月に行われる予定だ。

  • 取材・文高橋ユキ

    傍聴人。フリーライター。『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)、古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)など殺人事件の取材や公判傍聴などを元にした著作多数。

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