錦戸脱退も メンバー追加やグループ解散をしないジャニーズの思惑
ジャニー喜多川氏の『お別れ会』が行われた翌日の発表ということに、驚いた人もいただろうが、予想通りとなった関ジャニ∞・錦戸亮の脱退と独立。
関ジャニは’06年に内博貴が、’18年に渋谷すばるが脱退しており、渋谷は事務所も退所している。メンバーが3人抜けて、いまや“エイト”は“ファイブ”となってしまった。
アイドルグループといえばメンバーの加入や、卒業・脱退がつきもの。しかし現存のジャニーズデビュー組ではメンバーが抜けても、新メンバーが補充されたことがないのだ。
SMAPは‘96年に森且行が脱退して、メンバーが6人から5人となったが、解散まで新メンバーが加わることはなかった。錦戸がかつて所属していたNEWSも、9人から4人に減ったままだ。
そして関ジャニ∞。やはりメンバーが補充される様子はない。
「ジャニーズのファンは、既存のグループに新しいメンバーが加わることを極端に嫌がる傾向にあるんです。その理由のひとつとして、メンバー個人だけでなくグループそのものに対する思い入れが強いからです。最近も『Snow Man』がそれまでの6人から9人に増員されたとき、元々の6人のファンも、新しく加わった3人のファンも露骨に嫌がっていました。ネットではかなりの不満があがってましたよ」(アイドル誌ライター)
ヘタにメンバーを補充すれば、グループの人気に影響することにもなるのだ。
また、錦戸のようなケースがあるとグループ内に軋轢が生まれ、解散を口に出すメンバーが出てくる。しかし事務所にとって“解散”という選択肢はないのだ。なぜなら、解散することによって、大きな損失が生まれることになるからだ。
ジャニーズの収益の中でコンサートの占める割合は大きい。
例えばKAT-TUNの場合、4枚目のアルバムをリリースした直後に行った‘10年のツアーでは68万5000人を動員した。今年の8月に横浜アリーナからスタートしたツアーは9月29日まで全国7都市19公演で22万5000人を動員するという。
メンバーが抜けた分、ファンが減るのは致し方ないこと。しかしチケット代は8000円~8500円なので、19億円近い売り上げとなるのだから、大きな稼ぎ口であることは間違いない。
そのほかに、ファンクラブでの収入もジャニーズ事務所の収益の大きな割合を占めるひとつだろう。
「年会費は4000円でそれほど高い金額ではありませんが、各グループのファンの数がとてつもなく多いので、総額ではかなりの数字になります。例えば関ジャニ∞のファンクラブ会員数は約66万5000人と言われています。年会費×会員数で単純計算しても、27億円近い収益になるんです」(芸能プロ関係者)
嵐のファンクラブ会員数は287万人と言われているので、114億円の会費収入があることになる。グループが存続する限りは、毎年これだけのお金が事務所に入ってくるわけだ。
ジャニーズのグループは人数が減っても補充はできず、そう簡単には解散できないのが現状だ。
- 文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
- 撮影:西原秀
芸能ジャーナリスト
宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中