トランプVS.プーチン 米ロ戦争「開戦」の危険度 | FRIDAYデジタル

トランプVS.プーチン 米ロ戦争「開戦」の危険度

シリアにミサイル105発ぶち込んで

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首都ダマスカスで発射された、シリア軍の地対空ミサイルの閃光。米軍の攻撃で同地の科学研究施設が破壊された


「米軍の攻撃でシリアのアサド政権を支持するロシア軍に犠牲者が出た場合、プーチン大統領は報復を余儀なくされるでしょう。ロシアの反撃で、国際情勢が極度に緊迫することが考えられます」

こう語るのは、米国「ナショナル・インタレスト・センター」のハリー・カジアニス国防研究部長だ。

米国のトランプ大統領はシリアが化学兵器を使用していると断定し、4月13日に英仏と連携し105発のミサイルをぶち込んだ。トランプ大統領はツイッターで「これ以上の結果はない。作戦完遂!」と自画自賛。一方、ロシアのプーチン大統領は化学兵器使用を「米英のでっち上げ」とし、ミサイル攻撃を「主権国家への侵略行為」と非難したのだ。

ロシア政治が専門で、筑波大学人文社会系教授の中村逸郎氏が話す。

「シリアの内戦が、米ロ戦争に発展する危険性は十分あると思います。シグナルになるのが、米軍のイランへの攻撃です。今回のようにシリアだけを攻撃していては、化学兵器使用は止められません。同じイスラム教シーア派のイランが、シリアに化学兵器を送り込んでいる可能性が高いんです。使用を止めさせるには、トランプ大統領はイランやシリアを本格的に攻撃せざるをえない。そうなれば、両国を支援するロシアは黙っていません。シリア内戦が始まってから、政府軍には2500人ものロシア軍兵士が加わっている。自国の兵士に被害があれば、プーチン大統領も強硬手段に出るでしょう」

戦局はどうなるのだろう。

「米国に分が悪いと思います。欧州諸国はロシアから天然ガスの供給を受けています。ライフラインを握られては動けませんよ。今回のミサイル攻撃にドイツが同調しなかったのは、原発をストップしエネルギー供給をロシアからの天然ガスに頼っているのも一因でしょう。対するロシアには、中国や北朝鮮などが同調するはず。米国は、中東と東アジアで対応を迫られることになります」(中村氏)

シリア情勢は、世界を巻き込んだ大戦争に発展する危険を秘めているのだ。

シリア攻撃に踏み切ったトランプ大統領とイギリスのメイ首相。トランプ大統領は「シリアが化学兵器使用をやめるまで行動を続ける」と強調

アサド大統領(左)を支えるプーチン大統領。ロシアはシリアの防空システムで、米軍が発射したミサイルの大半を撃ち落としたと主張している

写真:AP/アフロ

 

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