広島女子高生刺殺事件 犯人を追い詰めた「皮膚片」

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逮捕された鹿嶋容疑者。内気で積極的に人とかかわるようなタイプではなかった


「長い時間を要しましたが、解決と未解決では大きな違いがあります。娘には『事件が解決したよ』と胸の中で報告しました。でも『守ることができずごめんなさい』という思いのほうが大きいです。この思いはずっと続くでしょう」

愛娘を刺殺事件で失った、広島県廿日市(はつかいち)市に住む北口忠さん(60)が話す。

14年のときを経て殺人犯が捕まった。’04年10月に県立廿日市高校2年の北口聡美さん(当時17)が殺害された事件で、4月13日に35歳の会社員・鹿嶋学容疑者が逮捕されたのだ。事件当時、学校から帰宅した北口さんは夕方5時のアルバイトの時間まで自宅の離れで仮眠をとっていた。そこに鹿嶋容疑者が侵入。北口さんが悲鳴をあげ逃げようとしたため、胸や首を刃物でメッタ刺しにしたのだ。

広島県警は、のべ30万人の人員を投入し似顔絵も公開したが捜査は難航。だが今年に入り、事態は急展開を見せる。

「山口県宇部市の土木会社に勤める男が、『勤務態度がなっていない』と同僚の尻を蹴ったんです。被害者は警察に通報。事情聴取を受けることになった男が、鹿嶋容疑者でした。警察が鹿嶋容疑者からDNAや指紋を採取すると、北口さん刺殺事件の現場に残っていたモノと一致した。連絡を受けた広島県警が任意同行を求め、逮捕に踏み切りました。鹿嶋容疑者は調べに対し、『仕事をクビになりフラフラしているとき、通りすがりでやった。殺したのは間違いない』と容疑を認めています」(全国紙社会部記者)

DNA鑑定のカギとなったのは、鹿嶋容疑者のごく微細な皮膚片だった。元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。


「皮膚片は、被害女子高生のツメと指の間のわずかなスペースに付着していました。ここ1~2年で警察の鑑識能力は、飛躍的に向上しています。毛髪の一部など目に見えないような極小物でも、DNA鑑定が容易にできるようになったんです。また強姦事件などで性器内で混ざった混合DNAからも、犯人を割り出せるようになった。警察が全国でデータベース化している逮捕歴のある人物の指紋は1000万以上、DNA型は数百万にのぼります。’96年9月に起きた上智大生放火殺害事件や’00年12月の世田谷一家殺害事件など、未解決事件の犯人が今後明らかになる可能性があるんです」

小川氏によれば、現場に残されたどんな小さな証拠も「モノ言わぬ被害者の声になる」という。逃亡中の凶悪犯が、枕を高くして眠ることはできないのだ。

夢は建築士になることだった聡美さん。大学進学を目指し猛勉強していたという

写真:共同通信社(容疑者)

 

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