消費税10%対策 ポイント還元で得するための鉄則はこれだ

キャッシュレス時代に追いつける最後のチャンス!ポイントで得する生活「ポイ活」指南

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東京・品川区の戸越銀座では、個人商店でキャッシュレス決済の対応がいち早く進む

10月1日から、ついに消費税が10%になる。増税による消費の落ち込みをカバーするために、中小小売店(資本金5000万円以下、または従業員数50人以下)でキャッシュレス決済を行った場合、5%相当のポイント還元を受けられる制度を政府が用意した。来年6月30日までの期間限定だ。

消費生活評論家の岩田昭男氏は「これが最後のチャンス」だと断言する。

「普段の買い物が5%安くなるわけですから、9ヵ月間の買い物で相当な差がつきます。キャンペーン期間中に恩恵を受けながら、キャッシュレス決済を使いこなせるようになれば、東京五輪・パラリンピック後の決済市場でも、ざくざくポイントを貯められるようになります。これまでキャッシュレス決済に二の足を踏んでいた人も、これが『キャッシュレス時代』に追いつく最後のチャンスです」 

ただし、消費税率は通常の10%と食料品などの軽減税率8%が混在し、キャッシュレス決済の場合、中小の小売店では5%還元で、コンビニなどのフランチャイズチェーンでは2%還元など、仕組みは複雑だ。いったん、整理して考えなければ、うっかり損をしかねない。ポイントに詳しい『ポイ探』代表の菊地崇仁氏が解説する。

「国のポイント還元制度に登録した中小の小売店で、キャッシュレス決済で商品を購入すれば、5%が還元される。つまり食料品などの軽減税率対象商品は、8%の税率が実質3%になるというのが基本です」

たとえば、わかりやすく「みりん」を例に取ってみよう。「みりん」には、アルコール分が高い「本みりん」と、アルコールがほとんど含まれていない「みりん風調味料」がある。本みりんは酒類に分類されるため、消費税率は10%。みりん風調味料は、軽減税率の対象で、消費税率は8%だ。これらを町の個人商店で買った場合、キャッシュレス決済なら5%分のポイントが還元され、本みりんは5%、みりん風調味料は3%の税率となる。コンビニで買うと、2%のポイントが即時還元されるので、本みりんは8%、みりん風調味料は6%の消費税率。チェーン展開するスーパーはポイント還元の対象外なので、現金で買おうが、キャッシュレス決済しようが、本みりんは10%、みりん風調味料は8%の消費税率だ。

原則として町の小さな商店で、キャッシュレス決済で買い物をするのが、まずはやるべきことだと言える。キャッシュレス決済で買うのであれば、10月以降まで待ったほうがいい。現金で買うのであれば、消費税率が8%の9月中に買うのが賢い。逆に、急がない買い物なのに9月中にキャッシュレス決済で買うことはしないほうがいい。

お酒もポイント還元の対象

そのキャッシュレス決済には、主にクレジットカード、電子マネー、スマホ決済の3つの方法がある。

ポイントに詳しいITジャーナリストの久原健司氏がこう話す。

「それぞれの決済手段で大きな違いは、還元されるポイントの上限です。クレジットカードは、月額の上限が1万5000円まで。月30万円までの買い物なら満額がポイント還元されるということです(5%還元の場合)。それを超えた金額の買い物では還元されません。

電子マネーは、そもそもチャージ金額に上限があるので、1回の買い物でのポイント還元に実質的な上限があります。Suicaであれば、チャージ上限額が2万円なので、一度の買い物で還元されるのは最大1000円。スマホ決済は、事業者によって違いがあって一概に言えません。 

ただ、上限があっても、複数の決済方法を使えば上限は意識しなくてもいいでしょう。クレジットカードを2枚持っていれば、月60万円の買い物までポイント還元を受けられます。1ヵ月でそれ以上使う人は少数派でしょう」

食料品などの軽減税率が大騒ぎされているため、意外と気づかれていないが、中小小売店でのキャッシュレス決済によるポイント還元は、ほとんどの商品が対象となっている。消費生活アドバイザーの丸山晴美氏が狙い目を教えてくれた。

「たとえば、お酒やタバコ、さらには雑誌もポイント還元の対象です。タバコや雑誌は基本的に定価販売で、どこで買っても値引きはありませんでしたが、10月以降はポイント還元の対象店で買うのがいい。コンビニなら実質2%引きですし、近所の書店が還元事業の対象店舗なら、5%引きで手に入ります。

反対に、対象店舗で買っても還元を受けられない商品もあります。商品券や切手、新築住宅や自動車などにはポイント還元がありません。注目なのが、自動車は対象外ですが、オートバイはそうではないということ。オートバイの販売店は地元の個人商店が多いですから、そこが還元事業の対象なら、安く買えるチャンスかもしれません」

対象店舗を見分けるには、今後、店頭に貼られる「5%還元」「2%還元」のポスターやステッカーを目安にしよう。

「9月2日現在、対象店舗は28万店で、10月1日のポイント還元スタート時には最大で60万店が対象になると見られます。9月中旬以降に、対象店舗が地図上に表示されるスマホのアプリを経産省がリリースする予定です。

対象店舗には落とし穴があって、大手チェーン飲食店に加盟するフランチャイズ店は2%のポイント還元制度の対象ですが、直営店は制度の対象外です。注意したいのは、マクドナルドです。フランチャイズのマクドナルドは2%還元されますが、直営店では還元されません。まだポスターやステッカーは貼り出されていないので、気になる人は事前に店員に聞いてください」(前出・菊地氏)

食料品は軽減税率の対象で8%だが、外食は適用外で消費税は10%となる。複雑なのは、コンビニやファストフードなどで、お持ち帰りなら8%、店内で食べるなら10%となる点だ。

「たとえば、ファストフード店に入ってテイクアウトで購入し、席について食べても差額の2%を後から徴収されることはないでしょうから、ズルをする人は絶対に出てくると思います。コンビニのイートインスペースはなおさらわかりにくいでしょう。レジを打っている人の立場からすれば、本当に自宅に持ち帰るのかチェックするのは煩わしい。たとえば、おにぎりを2つ買って、お腹がペコペコなので一つだけイートインですぐに食べたい、といったケースとか、考えるだけで面倒くさいですからね。

もう一つの問題は、対象店舗によってキャッシュレス決済の種類が違うことです。PayPayには対応していて、楽天ペイには対応していない店もある。さらにスマホ決済が使えても、ポイント還元の対象店ではないことだってあり得ます。どこで何の決済をしたら得なのかがわかりにくいという問題は必ず出てくると思います」(前出・久原氏)

ポイント還元を求めて、街なかをウロウロするのも面倒だ。手っ取り早く、お得に「ポイ活」をするには、やはりネット通販を利用するのがいいだろう。

「大手のチェーンではなく、個人が出しているオンラインショップも、5%還元の対象です。楽天市場やヤフーショッピングなどを通じ、個人で販売しているお店がポイント還元の対象というのは、意外と知られていません。楽天やヤフーの名前のせいで大手と思われるのかもしれませんが、ここは狙い目です。政府にとって、街なかの中小小売店の救済が目的の政策ですが、実際にはネット上の中小小売店にお客さんは流れるでしょう。こうしたところはほとんどがクレジットカードなどのキャッシュレス決済に対応していますから」(前出・菊地氏)

楽天市場などでは、5%ポイント還元する業者をネット上で検索できるようにする見通しだ。

「Amazonも同様に、出品している中小の小売店ではポイント還元が受けられます。Amazon本体から買うよりも、同じ商品でもAmazonを通じて中小の業者から買ったほうが安くなるケースも考えられます」(キャッシュレス決済サービスを提供する『カンム』の宮尾拓氏)

「青天井」の楽天ペイ

キャッシュレス決済業者にとっても、消費増税に伴うポイント還元はシェアを拡大するための千載一遇のチャンスだ。身銭を切って大盤振る舞いする企業が続出している。

「楽天ペイは1回あたり50万円の買い物を上限として5%のポイント還元を行う予定です(最大2万5000ポイント還元)。注目なのは、月あたりの利用回数に上限がないことで、一部では『青天井』と言われています。クレジット業界では還元額の上限を自主的に決めているため、楽天ペイの青天井は注目されるでしょう。

PayPayも、10月1日から『まちかどペイペイ』というキャンペーンを始める予定です。これは5%還元の対象店舗でPayPayでの支払いに対し、最大5%のポイントを上乗せするというもの。1回あたりのポイントの上限は1000円相当(決済金額2万円)で、月あたりの上限は2万5000ポイントです。さらに100回に1回、最大1000円相当のポイントが当たる抽選企画も行うとしています。ただし、10%のポイントバックになるのは、『ペイペイ残高』かヤフーカードでの支払いに限られるので、注意が必要です」(前出・丸山氏)

NTTドコモが提供するスマホ決済のd払いも9月14日から1ヵ月間のキャンペーンを行うと発表した。

「実店舗でもオンラインショップでも対象店での買い物で20%のポイントが還元されます(1回あたり1000ポイント、キャンペーン期間中3000ポイントが上限)。もらったポイントは期間・用途限定の上、事前エントリーが必要な点は、注意してください」(クレジットカード評論家の池谷貴氏)

これまであまり目立たなかったクレジットカード各社も、スマホ決済業者に対抗するかのようにキャンペーンを始めている。池谷氏が続ける。

「三井住友カードは、新規会員向けの20%還元(上限1万2000円)に加えて、抽選で利用金額を全額還元するキャンペーン『タダチャン!』を12月29日まで行っています。これは10万円までの決済を対象に、抽選で10万件がタダになるというもの。毎週金曜日に抽選があり、当たれば通知がきます。10万円がタダになる幸運はそうそうないでしょうが、10万件が当選するので、利用する価値はあると思います」

対抗キャンペーンもある

JCBカードは、12月15日までキャッシュバックキャンペーンを行っている。JCBカードをアップルペイやグーグルペイで使うことが条件だが、20%のキャッシュバックは相当大きいと言える(最大1万円まで)。

「イオンカードは、新規入会でイオン銀行を引き落とし口座に指定すれば、最大20%のキャッシュバックが可能なイオンカードセレクトを発行しています。上限が10万円と他社より一桁多いため、日常的にイオンを使う主婦を中心に申し込みが殺到したと聞いています」(前出・岩田氏)

都市部ではあまり知られていないが、地方のスーパーで取り入れられている共通の電子マネーCoGCa(コジカ)をポイント還元対象店舗で使えば、最大5%が還元される。

「主に地方のスーパー、全国210社が加盟するCGCグループでは、共通で電子マネーを発行していて、購入額の最大5%が還元されます。比較的規模が大きく、ポイント還元の対象になっていないスーパーのなかにも、大手コンビニがすべて2%還元を行うため、その対抗として独自に5%のポイント還元を行う店舗もあります」(前出・丸山氏)

もちろん、還元制度から漏れた大手小売店も対抗してキャンペーンを行うと見られる。丸山氏が続ける。

「とくに大手のスーパーやドラッグストア、家電量販店などは独自のポイント制度を持っているので、これを利用した対抗策を打ってくるはずです。それらは今のところ、ほとんどアナウンスされていませんが、10月1日の直前に一気に発表されると言われています」

こうなると、本当はどこがおトクなのか、さらにわかりにくくなる。ただし、キャッシュレス決済で購入することがすべての基本になりそうだ。

「しかし、政府は上手ですね。今回の制度は物事を複雑にして、増税という事実から消費者の目をそらすことに成功しています。報道も『何がおトクか』という切り口ばかりで、増税そのものへの批判を封じ込めることに成功していると言えるでしょう」(前出・久原氏)

ポイントに目を奪われて、無駄な買い物をしないようにするのが肝要だ。その上で楽しく「ポイ活」をしよう。

大手のコンビニでは10月1日以降、スマホなどを使ったキャッシュレス決済で、即時2%の値引きが受けられる

ローソンが発表した軽減税率導入後のレシート。食料品など対象商品の価格の後ろに「軽」の文字が記載される
川崎市・武蔵小杉の商店街でもキャッシュレス対応が進み、クリーニング店でもクレジットカードなどが使える

『FRIDAY』2019年9月27日号より

  • 撮影結束武郎写真時事通信フォト アフロ

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