今なおストライキ決行中 佐野サービスエリア本当に悪いのは誰だ

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本誌に、NEXCO東日本グループの対応の杜撰さを告発する加藤氏。会社側とは何度も労使交渉を重ねてきたが、折り合わなかった(撮影:結束武郎)

「報道では、『ケイセイ・フーズ』岸敏夫社長のパワハラがクローズアップされていますが、実は問題はそれだけではない。佐野のストライキがここまで大事になった原因は、ネクセリア東日本(NEXCO東日本グループ)宇都宮支部の杜撰な対応にあります」

こう話すのは、現在もストライキを続行している佐野サービスエリア(栃木県)の元総務部長・加藤正樹氏(45)だ。

「すべては、ケイセイ・フーズの親会社・片柳建設に対して、銀行が新規融資を止めたことから始まっています。7月19日、銀行への返済が滞っている事に関して、サービスエリア事業を管轄するネクセリア東日本・宇都宮支部の担当者に伝えました」(加藤氏)

会社の資金繰りが危機的状況であることは、売り場を見れば隠しようがない。なんとか対応策を協議したいと相談を持ちかけた加藤氏だったが、ネクセリアの反応は期待を裏切るものだった。

「担当者の口から返ってきたのは、『あー、聞きたくない。そんなことを話すなら帰りますよ』とか、『片柳建設は政治家やヤクザと繋がってるんでしょ。大丈夫ですよ』など、〝大丈夫〟の連呼。この支部長では、事態収拾は不可能と感じました。思い返せば、はじめに危機的状況を連絡したとき、『今後の連絡は(記録に残る)会社メールではなく、(記録に残らない)携帯メールにください』と言われた時点で、おかしいと思わなければいけなかったんです」(加藤氏)

今なおストライキ断交中の佐野サービスエリア。現在は関連会社の従業員や日雇いのスタッフたちが運営している

このような状況の中、ケイセイ・フーズが倒産の危機にあるとの情報を入手した一部の業者が、納品を中止する事態に発展。業者間の横のつながりで情報は一気に広がり、次々と納品は停止されていく。8月4日には、商品が店内の棚からほとんど消えてしまった。

「この状況をネクセリアの担当者にメールで伝えると、『情報ありがとうございます。何かありましたら、また教えてください』と返信が来た。この期に及んでこんな呑気な文言を返されて、本当に困り果てました」(加藤氏)

ネクセリアからは何の対応もないまま、最悪の事態に陥ってしまったケイセイ・フーズ。そして、ようやく状況を理解したネクセリアの親会社・NEXCO東日本が動き出した。

「棚から商品が消えた次の日に、ネクセリアの担当者が『親会社の社長にバレた』と駆け込んできた。NEXCO東日本から顛末書を作るように命じられたのです」(加藤氏)

慌てるネクセリアの担当者は、NEXCO東日本を納得させるため、ウソで塗り固めた顛末書を書くことを加藤氏らに強要。担当者はこう話したという。

「商品が入ってこなかった理由は、風評被害でも構わない。こちらの方で都合がいいように切り取ったり貼り付けたりします。発注が間違っていたので欠品が出ちゃいました、というようなストーリーが作れればいい」

こうして、ウソの顛末書は8月12日に完成。形式上はケイセイ・フーズ社長の岸敏夫氏から、ネクセリア宇都宮支部宛てに書かれたものとされた。だが、実際に作成したのはネクセリアの担当者と加藤氏なので、完全に自作自演だ。

「ネクセリアはこれで急場をしのいだと考えていたようですが、結局8月14日にストライキという不測の事態に陥ってしまった。初期対応を普通にしてくれていれば、この悲劇は起こっていない。ストライキで今も従業員の収入が断たれている現状を想うと、残念で仕方ありません」

ワンマン社長の横暴の裏にあった、NEXCO東日本グループの〝隠蔽体質〟。前代未聞のストライキ騒動は、起こるべくして起こったのだ。

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