夏までに理想の体型へ 本当にハラがヘコむ器具はこれだ!
クリスチアーノ・ロナウドが宣伝してる『SIXPAD』の効果のほどは?
上着を脱ぐことが多くなるこの季節。
鏡やガラスに映る自分の姿を見て「体型を変えたい」と思った人のため
人気のギアを多角度から検証した。
あのグッズの効果のほどは!?
Rodrigo Reyes Marin/アフロ
電気の刺激で痩せるのか
「ダイエット関連器具は春先から夏にかけて最も売れ行きが伸びます。薄着になり、コートで隠していた部分を引き締めようというわけで、まさにこれからがダイエット、トレーニングの本番です」
家電選びから健康グッズまで、マニアックなギア(道具)紹介で活躍するライターのコヤマタカヒロ氏が言う。
テレビCMや通販番組、量販店の店頭などで、ダイエットやトレーニングの器具を目にしない日はない。痩せたいが、高額な利用料を払ってトレーニングジムに通うのはハードルが高い。そんな、お金も時間もないという人に人気なのが、手間がかからず楽にできて、痩せられるという触れ込みのお手軽タイプだ。
その代表的なものがEMS(筋電気刺激)器具。ウエストなど引き締めたい部分に貼ったり巻いたりするだけで、電気刺激が筋肉を動かしトレーニングができるというものだ。サッカーのクリスチアーノ・ロナウド選手が、取り付けたままテレビを見たり、スマホでゲームを楽しむ『SIXPAD』のCMを目にした人も多いだろう。
「最近のEMSの多くは鍛えたい筋肉をしっかり狙うことができるうえ、かなり高い負荷をかけられるため、本格的なトレーニングができるように進化している。スマートフォンと連携してトレーニングを管理したり、ランニングやストレッチなど他の運動と組み合わせて使えるので、ウエスト周りや太ももなど大きな筋肉がある部分に使うことで、引き締め効果が期待できるのです」(コヤマ氏)
EMSと並んで近年、人気を集めているのが体幹トレーニングだ。体幹とは腹筋のさらに奥にある横隔膜や腹横筋、骨盤底筋群など4つの筋肉のこと。普通には目に触れることなく、動きもわからないが、この体幹を鍛えることによって、姿勢がよくなったり、肩こりや腰痛など、さまざまな症状を軽減することができる。もちろん、出っぱった腹をヘコます効果も期待できるのだ。
手軽に体幹を刺激する機器もたくさん出ている。例えば、椅子が8の字に動いたり、振動するものは、座っているだけで、体幹の筋肉をほぐしたり、可動域を拡げ、鍛えてくれる。「ながら使い」が売りだ。基礎体力がなくてトレーニングを行うのが辛い人でも、こういったお手軽ギアなら始めやすいだろう。
「夏に向けて、さまざまなダイエットギアが登場しています。使い勝手や、設置性、鍛えられる部位、負荷の高さなどを見極めて、ライフスタイルに合ったギアを選ぶのがポイントです。さらに、可能なら、複数のギアを組み合わせたり、ちょっとした食事制限や運動の量を増やしたりすると、より効果が期待できるはず」(コヤマ氏)
今から始めれば、夏本番に理想の体型になることも夢ではない。
少しは身体を動かしてみよう
EMSは装着するだけで痩せるというのが売りだが、そんなに簡単に痩せられるのかと疑問を持つ人もいるだろう。
「お腹の周りに巻いて腹筋を動かしてもさほどエネルギーの消費にはつながりません。ただ、痩せるきっかけにはなる。痩せるには運動が基本ですが、運動を始めるきっかけ、維持するためには役立つと言えるでしょう」(水道橋メディカルクリニック院長・砂山聡氏)
ジムに行くほどではないが、少し時間をかけてしっかりがんばりたいという人には、置き場所をとらず、コンパクトながら本格的なトレーニングができるギアがおすすめだ。前出のコヤマ氏が注目するのはBODY BOSS 2.0。
「4月に日本初上陸した、ポータブルフィットネスジムと言えるギアです。数百通りのエクササイズができるので、あれこれ試しながら楽しくトレーニングができるでしょう」
コヤマ氏はもう一つ、加圧Tシャツもオススメしている。
「競泳用水着などに使われるスパンデックス繊維を織り込んだシャツで、高い収縮性があるため、日常生活のちょっとした動きにも負荷がかかり、それがトレーニングになる。ストレッチが利いているため、ウエストなどの引き締め効果も得られます」
Yシャツの下に着ればオフィスにいながらトレーニングができるのだ。
抗肥満薬という劇薬
「脂肪を減らす」と謳ってドラッグストアで売られている市販薬。値段が少々張るのだが、果たして効果はあるのか。
「ナイシトールやコッコアポなどの市販薬は、抗肥満薬としてはほとんど効果はないと思います。両者とも胃腸の働きを整える効果のある防風通聖散等を主成分にした漢方薬で、そもそも抗肥満薬としては販売していません。肥満に伴う便秘症の改善薬なのです。便秘の改善や血流をよくする効果はあるので、食事療法、運動を行いながら服用するなら効果はみられると思います」(前出・砂山氏)
じつは、市販薬とは別に肥満治療を目的とした薬も存在する。
「抗肥満薬といわれるものには、大きく分けて、脂肪吸収抑制剤と食欲抑制剤の二つがあります。前者は脂肪分解酵素の働きを阻害して体に吸収されるカロリーを軽減します。欧米ではいくつかの薬剤が流通していますが、国内では基本的に入手できません。国内で唯一承認されているサノレックスという薬は後者で、脳にある摂食中枢に直接働きかけ、過食を抑える効果があります」(砂山氏)
ただし、両者とも副作用がある。脂肪吸収抑制剤は下痢や軟便、食欲抑制剤は口の渇き、吐き気、頭痛、動悸、睡眠障害、脱力感、下痢などが主な副作用で、重篤なケースでは心臓発作で突然死の原因になることもある。高血圧やうつ病のリスクも高いという。医師の指導のもとに服用することが大切だ。
砂山氏が指導するのは食事と運動。
「炭水化物の摂取を抑え、バランスのよい食生活をすることが痩せる効果につながります。クリニックでは患者さんに、体重の記録を毎日、朝晩2回必ず計測することを指導しています。運動は日常生活の中で歩くことが基本です」
うまく薬を利用すれば効率的に痩せることができるのだ。
※価格は指定のないものは税込。すべて実勢価格です(4月2日現在)