ドラマ『モトカレマニア』に見る妄想系独身女子のイタ可愛い日常

原作者・瀧波ユカリ氏インタビュー

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女性漫画誌「Kiss」で連載中の『モトカレマニア』が待望のドラマ化! 主演に新木優子と高良健吾を迎え、10月17日よりフジテレビ系にていよいよ放送がスタートする。

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主人公は、27歳おひとり様女子・難波ユリカ。大好きだったカレと些細なことで別れ、その後、クズ男(雑魚)を2匹釣ってはじめて「逃した元カレは巨大マグロだった」説に気付いたユリカの日常は、朝目覚めたらSNSで元カレの名前を検索することから始まる。仕事中はもちろん、友だちと飲んでいるときも、ユリカの脳内には、願望という名の妄想で塗り固められた“パーフェクトな元カレ”が存在し……。

巷ではよく、過去の恋愛を引きずるのは女より男のほう。男は“別名保存”、女は“上書き保存”なんて言われるけれど、「いやいや女だって引きずるし!!!」と、ついツッコミを入れずにいられない人たちの間で圧倒的な人気を集めている同作。

著者は『臨死!!江古田ちゃん』でおなじみの瀧波ユカリ氏だ。そこで、“おひとり様女子のあるあるネタ”に精通した瀧波氏に、独身アラサー女子たちの“共感のツボ”を探るべく話を訊いた。

『モトカレマニア』の著者・瀧波ユカリ氏。27歳おひとり様女子・難波ユリカの「逃した元カレは巨大マグロだった」症候群に振り回される日常を、“イタ可愛く”描く

「例えば学生時代に付き合っていたカレって、共通の友だちがいて、一緒にみんなで遊んだり勉強したりして、わりと違和感なく4〜5年付き合うパターンが多いと思うんです。なのに些細なことでいきなり別れてしまったりして……。

学校を卒業し、社会に出て何人かと恋愛してみて愕然とする。『あんなにも違和感なく付き合える人ってなかなかいない。やっぱり学生時代のカレがいちばんだったんじゃないか』って。まだ自我がはっきりしていない、お互いが同じスピードで成長をしていく学生時代の恋愛と、20代半ばを越えてから始まる恋愛って、全然違いますからね」(瀧波ユカリ氏 以下同)

そう、大人になってからの恋愛は、経験値や価値観などが邪魔してなかなかうまくいかないことが多い。一方で、過ごしてきた環境も似ており、共通の話題がハナから用意された学生時代の恋愛というのは、純愛無垢の記憶のまま、別れた後も私たちの心に残り続けるのだ。

モトカレとの甘い思い出をぺろぺろして生きていこうと心に決めたたユリカの前に、突如マコチが登場し… (『モトカレマニア』1巻第2話より)

ユリカの忘れられない元カレ・斉藤真ことマコチ。スーツが似合う長身のイケメンだが、少女漫画にしか生息しない絵に描いたようなキラキラ男子でもなく、妙な親近感がある。自分の人生にも登場したあの人に似ているような、いや、友だちの元カレにいたような……。

「キャラクターに実在するモデルはいません。例えば、マコチの場合だと、元カレを忘れられないユリカを主軸に考えたとき、5年間もSNSで探しても見つからないのはなぜ? 留学している? どんな仕事をしている? 偶然ばったり再会しても、うまくいかない人ってどんなタイプの男? など、設定から逆算してキャラを作り上げた感じです。

でも、マコチのような、何を考えているのかよく分からない、つかみどころのないタイプの男の子って実際、周りにいませんでした? 悪気は一切なく女の子を振り回すような」

いましたね、確かに。(一同、深くうなずく)

さて、マコチとの夢のような再会を果たしたユリカだったが、脳内に作り上げた“理想のマコチ”とは程遠い“現実のマコチ”の言動に傷つき、仕事で出会った「良い人代表」山下章生と新たな恋愛をスタートさせようとする。けれど、山下もまたユリカと同じ“モトカノマニア”だったのだ!

面接にいったチロリアン不動産で「仮採用」され、初めての内見で出会った山下。マコチとの共通点は、首のホクロの位置のみ (『モトカレマニア』1巻第2話より)

「ユリカと同じような境遇の人を組み合わせたら面白いかなと思って」その狙いは的中。“元カレ・元カノを忘れるための関係”という不思議な同盟を結びながらも、お互いのことを好きになろうと歩み寄る姿には、もはや心を打たれるものがある。

そしていちばんの見どころは、マコチと同棲する謎の女流作家・丸の内さくらとユリカのマコチを巡る三角関係だ。ユリカの存在に勘づいたさくらは、職場から出てくるユリカを待ち伏せし高級和食店へ食事に誘う。そこで繰り広げられるがちバトルは笑いなしでは見られない展開へ。

「よくある女同士の戦いにはしたくなかったんですよね。私たちは、男たちが思うほど好戦的ではない。そこまで相手のことを恨まないし、反射的に『てめぇ!』と思うことはあっても、人格まで憎むわけでもない。

だから、あえて食べづらい料理を絶妙なタイミングで登場させて、妙な“間”をもたせて遊んでみたり(笑)。このシーンに出てくる和食店は、実在する友人の店なのですが、食べづらい料理を出すというアイデアはその友人がおもしろがって提案したものを採用しました」

ただでさえ読み応えたっぷりのストーリーを、さらにおもしろく演出するのが“脳内の担当大臣”。弱気、陰湿、冷静、悲観、本音など、さまざまな感情に揺らぐユリカの心の声を代弁する担当大臣が、脳内で「本当のこと言っちゃえ」「いや、いまそれ言うと重すぎでしょ」「一途さとして受け止めてもらえるかもよ?」などと、議論を繰り広げるのだ。

「展開を分かりやすくするためには、心の中で思っていることもきちんと伝えなくてはならない。けれど、ただ文字におこすだけだとつまらないので、いろんな感情をそれぞれ担当大臣に置き換え会話させてみたんです。実写化されたときも、おもしろいだろうなと思って(笑)。

とくにマコチは何を考えているのか分からないシーンが多いので、感情を伝えるためにも欠かせません」

今後の展開については、「マコチの身勝手な行動に『この野郎!』と思っていた人たちがスカッとするエピソードが出てくるかもしれません」とのこと。

ついにマコチを吹っ切って新しい恋をするのか、今度はマコチがユリカを忘れられなくなるのか……!? ドラマには、オリジナルエピソードも収録されるので、原作ファンも目が離せなくなりそうだ。

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『モトカレマニア』1~2話、19話

  • 取材・文大森奈奈撮影田中祐介

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