元たけし軍団Aが明かした まるで『アウトレイジ』だった分裂抗争 | FRIDAYデジタル

元たけし軍団Aが明かした まるで『アウトレイジ』だった分裂抗争

特別読み物 たけしの事務所独立

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4月から新会社に移るたけし。共同経営者の女性については「ポコチンも勃たないのに」と愛人関係を否定

「ついに爆発したか」というのが、正直な感想です。僕はずいぶん前にたけし軍団を辞めた人間ですが、当時から火種はあった。殿(ビートたけし)が何にキレて、『オフィス北野』を飛び出したか?

それはズバリ、カネと裏切りです。

<そう告白するのは元たけし軍団メンバーのA氏だ。ビートたけし(71)が太田プロから独立して、『オフィス北野』を立ち上げて約30年。世間的には芸人と『オフィス北野』の社員と一枚岩でやってきた印象があるが、「実際は違う」とA氏は言う>


「『オフィス北野』のマネージャーはロクに仕事も取ってこないのに高給取りだ」

軍団メンバーに聞いてみてください。誰もが一度はこんな悪評を耳にしています。ただ、殿は「売れてねえ芸人が事務所の悪口を言うのはみっともない」という考えですから、皆、黙っていました。

1億円近い高給

ところが3年くらい前から、そんな悪評が殿の耳にも入るようになった。殿の〝愛人〟といわれる女性は現場に来ていたそうですから、あるいは彼女が殿に注進したのかもしれませんが……僕にはわかりません。そんな折、3月の頭だったか、「『オフィス北野』の直近の決算が赤字になった」という情報が入った。

いま、殿は自ら「第四黄金期」と言うくらい稼いでいます。1本あたりのギャラが約200万円といわれるテレビのレギュラーを十数本、CMや映画などのビジネスを含めると、年収は20億円近くにのぼるそうです。なのに赤字。

「まてまて、そんなはずねえだろ?」

と驚いた殿は資料を提出させました。「『オフィス北野』の社員は高給」という噂も聞いていたので、

「どうせだからよ、社員と芸人の収入も資料を出せよ」

とも命じた。すると、とんでもない数字が出てきた。殿によれば、『オフィス北野』のマネージャーは新人でも年収500万円、これが2~3年目で800万円になり、在籍10年を越えれば1000万円プレイヤー。主任ともなると2300万円。森昌行社長にいたっては1億円近い高給を貰っていた――というのです(『オフィス北野』は「事実ではありません。個人情報なので、具体的な額についてはお答えできません」と回答)。

これで芸人たちの年収がもっと高けりゃよかったんでしょうけど、資料を見ると、井手らっきょさん(58)の年収は100万円くらいだったとか。らっきょさんは先日、「仕事がないから」と故郷の熊本に帰って地元密着芸人として再スタートを切ることを発表していただけに、「井手がかわいそうじゃねえかよ!」と殿の怒りが爆発したのです。

<よほど腹に据えかねたのだろう。たけしは『週刊ポスト』4月6日号のコラムで「本当ならマネージャーやらスタッフはそういう(食えない)タレントたちに仕事を持ってきて、それぞれが自立していかなきゃいけない。それがスジだろう。なのに結局オイラに依存したままで、売れっ子をほとんど作れなかった。そういう地道な仕事をしないで遊んでるヤツラを食わせるためにオイラが70過ぎてガンガン働いてる状態ってのは、とても健全な組織とはいえねェよ」と『オフィス北野』を糾弾している>

「そもそも、オイラと軍団がワイワイ楽しくやるためにつくった『オフィス北野』なのに」と殿の怒りは収まらず、この数日後、ガダルカナル・タカ(61)、つまみ枝豆(59)、ダンカン(59)、グレート義太夫(59)、『浅草キッド』の水道橋博士(55)ら兄さん方が『オフィス北野』に乗り込み、森社長らと直接交渉に臨みました。

現場は「てめえこの野郎!」なんて怒号が飛ぶ、それこそ『アウトレイジ』みたいな状況だったそうです。

跡目を継いだ枝豆

ただ、法的に社員全員をクビにすることはできず、減俸するにしても20%も削れないことがわかった。森社長に事務所を任せきりで、チェックしなかった殿にも落ち度がある。一銭も取り返せないとわかり、殿は相当に落ち込みました。

それでも殿にとって、森社長は長年、苦楽を共にしたパートナー。コトを構えるようなことはせず、殿は自ら出て行く道を選んだのです。稼ぎ頭の自分が抜けるのは痛いだろうと、殿は自分の持ち株を『浅草キッド』より序列が上の兄さんたちに譲渡(博士は受け取りを固辞)。3億円近くあったという退職金を当座の運転資金として差し出しました。

一方、『オフィス北野』の社員は一度、契約を解除し、契約を結び直すことになりました。新たに提示された月給は15万円だったそうで、社員は続々と退社。残ったマネージャーは4人程度だそうです。僕の知ってるマネージャーは住宅ローンを組んでいたし、投資もしていたから、月給15万円じゃ辞めますよね(『オフィス北野』は「(再雇用の)条件についてはお答えできません。大多数の社員は残っておりますが、基本的に規模縮小をせざるを得ないということを考えると、徐々に(社員を)削減していく方向であることは否めません」と回答)。

<その他の軍団メンバーたちの給料は完全歩合。うち40%を事務所に上納するという条件だ。たけしの跡目を継ぐのは意外や、つまみ枝豆だという>

ああ見えて、枝豆さんは勝ち気で交渉向きですから。殿とちょくちょく会っていたのも好感されたのでしょう。

ただ、枝豆さんより売れている後輩たちがたくさんいるのも事実。実際、「頼りない」「俺が枝豆さんを食わすのはちょっと違う」と言うヤツも出てきています。

僕は枝豆さんより年長で稼ぎのいいタカさんがリーダーシップを発揮してくれるものと期待していたんですが、「事なかれ主義」でガッカリしました。「殿は十分なお金を残してくれた。軍団が殿についていっては今までと一緒だから、我々は残る」なんて、早々に優等生コメントをしていましたしね。自分は十分食べていけるから、ヘタに騒いで印象を悪くしないでおこうと考えたんでしょうか。

騒動後、タカさんは「俺が個人的にマネージャーを雇ってやろうか?」と軍団の後輩たちに声をかけたらしいですが、誰も手を挙げなかったとか。

「芸人辞めますので、新しい会社を手伝わせてください!」と、さっそく殿に泣きついたヤツもいたそうです。

北野映画は新会社で存続

『オフィス北野』のヤツらも、軍団メンバーも自分のことばかり。全員悪人――まさに『アウトレイジ』ですよ。騒動後、「自分が売れることだけ考えろ」なんて後輩に直接電話して激励していたのは、僕が知る限り、ダンカンさんだけでした。

殿が去り、マネージャーも激減した『オフィス北野』――いずれ『オフィスたけし軍団』になるみたいですが――を見限り、飛び出すメンバーも出てくるでしょう。自分で仕事を取れる人はフリーでやったほうが上納金がないぶん、稼げる。

殿の今後ですが、「終活」なんてとんでもない。独立前、殿はテレビ局各局の知り合いに「事務所を好き勝手されてよ、辞めることになったけど、今後ともよろしくね」と仁義を切っています。おかげでレギュラー番組はすべて継続。「プロデューサー(森社長)と二人三脚で映画を作った意識はない」なんて言ってるから、映画も撮るでしょう。夏には熊本でライブをやります。なぜ、熊本か? 〝都落ち〟した井手さんがいるからですよ。

いずれ、殿の会社『T.Nゴン』に合流するメンバーも出てきます。「自分で稼げるよう頑張ります!」と挨拶したメンバーに殿はこう言ったそうです。

「まあ、待ってろ」と。

引き継ぎ作業に追われる『オフィス北野』の森社長。「誰よりも殿が好きだった」(軍団メンバー)というが

タカ、井手、枝豆、ラッシャー板前に大森うたえもん、ダンカン、グレート義太夫ら若き日の軍団メンバー

こちらは’14年、なべやかん(中央)の結婚式に集った軍団メンバー。たけしの右隣は放送作家の高田文夫氏

 

撮影:山田宏次郎

 

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