いよいよメジャー開幕!大谷翔平「大リーグボール」を投げる
オープン戦は不調だったけど、このボールがあれば大丈夫
メジャーに移籍した大谷翔平(23)が苦しんでいる。オープン戦では投手として2試合で2回2/3を投げ、3本塁打を被弾するなど9失点で防御率は27.00。打者としては32打数4安打10三振で、打率.125と絶不調なのだ。
大谷を視察した元エンゼルスの先輩投手、高橋尚成(ひさのり)氏が話す。
「フリー打撃でもキャンプ当初は柵越えを連発していましたが、終盤はスイングに鋭さがありませんでした。投球フォームも、腕の振りが甘く迫力に欠ける時がある。メジャーに移籍した当初は脳と耳が疲れます。米国のマウンドや強打者への対策をいろいろと考え、慣れない英語をずっと聞かなければならないからです。本人も『けっこう疲れています』と笑っていましたが、野球から離れることも大切でしょう。私は疲れた時『アメトーーク!』や『金曜☆ロンドンハーツ』など、日本のバラエティ番組の動画を見まくってリフレッシュしていました」
復調の兆しはある。高橋氏が続ける。
「大谷はメジャー特有の滑るボールにも、徐々に対応しています。スライダーの精度は着実に上がっている。主砲のトラウトも『適応力が高い』と驚いています」
大谷の去年までの決め球は、相手打者に尻もちをつかせるほど鋭く曲がり、米国のスカウトたちから「卑劣な変化球」と呼ばれたスライダーだった。しかし復活のポイントとなるのは、メジャーで決め球となる「大リーグボール」だろう。「視界から消える」と言われる、150km近い高速フォークである。
「大谷が、最も自信を持っている球種の一つです。あれだけの速さと落差があれば、メジャーの強打者でも簡単には打てないでしょう」(高橋氏)
大谷は、メジャーに移籍してからフォークを多投している。滑るボールでも精度を上げようと必死なのだ。スポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。
「メジャーでは、落ちるボールを投げる投手は少ない。野茂英雄や佐々木主浩(かづひろ)、田中将大など、成功した日本人投手の多くがハイファストボール(高目の速球)と落ちる球の高低差で勝負してきました。大谷には、加えて横に変化するスライダーもある。日本にいた時の制球力をとり戻せば、2ケタはラクに勝てます」
前出の高橋氏が続ける。
「大谷の速球は球筋がキレイすぎて、メジャーでは通用しないのではないかと危惧されています。でも私はスタイルを変えずキレで勝負してほしい。上原浩治のように鋭く落ちるボールがあれば、素直な球筋でも相手を抑えられるからです」
夢の二刀流投手は、日本時間4月2日にメジャー公式戦初先発の予定だ。
写真:日刊スポーツ/アフロ