東京五輪マラソン「3枚目の切符」のため大迫傑も走るべきだ!

設定記録を超える可能性があるのは大迫のほか、井上大仁、設楽悠太、佐藤悠基の4人

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MGCで大迫傑や設楽悠太といった「大本命」に競り勝った中村匠吾(左)と服部勇馬(右)。日本代表の座を手に入れた

待つなら待つで大変だし、出るなら出るで覚悟して臨まないといけない。どちらにせよ、まだまだ戦いは続く」

大迫傑(すぐる)(28)は9月17日の記者会見で、現在の心境をそう明かした。マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を終えて、東京五輪・男子マラソン日本代表を決める戦いはさらに混迷してきた。

日本の男子マラソン界には「4強」と呼ばれる存在がいる。日本記録保持者の大迫、前日本記録保持者の設楽悠太(27)、昨年のアジア大会で優勝した井上大仁(ひろと)(26)、昨年の福岡国際マラソンを制した服部勇馬(25)だ。だが、MGCで勝ったのは彼らではなく、5~6番手と思われていた中村匠吾(27)だった。

優勝した中村と2位に滑り込んだ服部が五輪のチケットを手にした。

残りの代表枠はあと一つ。

日本陸上競技連盟が指定する3大会において、設定記録を超えた選手が3人目の代表に選出される(複数の場合は記録最上位者)。

ただし、設定記録は日本記録より1秒速いタイムで、きわめて高いハードルだ。誰も達成できない場合は、MGCで3位に入った大迫が代表となる。

大迫も出たほうがいい

プロランニングコーチでマラソン解説者の金哲彦氏が語る。

「指定大会である福岡国際マラソンとびわ湖毎日マラソンにおける近年の日本人選手のタイムを見ると、設定記録を上回ることは困難だと思います。わずかに可能性が残っているとすれば、高低差の少ないコースを走る、来年3月の東京マラソンでしょうね。設楽は昨年のこの大会で当時の日本記録を出しています。彼はおそらく東京で逆転を狙う。しかも男子は日本記録を更新すれば、日本実業団陸上競技連合から褒賞金1億円がもらえるので、モチベーションも高いでしょう。それでも大会当日が悪天候だった場合は、日本記録更新はほとんど絶望的です」

元箱根駅伝ランナーでスポーツライターの酒井政人氏も「大迫が有利」と指摘したうえで、こう続ける。

「設定記録を突破する可能性があるのは設楽をはじめ、井上、ベテランの佐藤悠基(32)、そして大迫しか見当たりません。MGCで序盤から飛び出した設楽は、もし猛暑でなかったら、そのまま逃げ切ったかもしれません。その設楽でも、最後の望みをかける先頭集団がハイペースで飛ばす、特殊なレース展開になるであろう東京マラソンで、日本記録を更新することはなかなか厳しいでしょう。

私は大迫も東京マラソンに出場したほうがいいと思います。他の選手が日本記録を更新した場合に後悔が大きいうえに、年2回のペースでレースに出場して調整をしている大迫にとって、東京マラソンはスケジュール的にベストです」

大迫の場合は先頭集団のタイムを考慮しながら、やや後方から精神的に余裕を持って走れるうえ、当日が降雨や極寒の場合は、棄権することもできる。

3人目は誰であれ、来年の日本男子マラソンは強力な布陣となるだろう。

「MGCで五輪本番とほぼ同じコースをレースで走った経験は、日本選手にとってペース配分や坂の感覚などの面で、大きなアドバンテージになります。東京五輪では日本代表は3人ともメダル争いの可能性はあると思います」(酒井氏)

バルセロナ五輪での森下広一の銀メダル以来、28年ぶりに日本男子マラソンにメダルがもたらされるかもしれない。

本来の力を発揮できず、MGCでは14位に終わった設楽悠太(先頭左)と3位の大迫傑(右)らが、残された3人目の枠を争う

『FRIDAY』2019年10月4日号より

  • 写真YUTAKA/アフロスポーツ(1枚目写真)

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