根尾、小園、吉田輝……甲子園のスター「プロ野球1年目の通信簿」

昨夏、甲子園を沸かせたゴールデンルーキーたち。プロのルーキーイヤーから評価はハッキリ分かれたようだ。彼らがどんな1年を送ったのかを振り返る。

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7月のフレッシュオールスター前の1枚。左から藤原恭大、吉田輝星、根尾昴、小園海斗。4人ともドラフト1位のゴールデンルーキーだ

プロ野球は公式戦の全日程を終え、選手の成績が出そろった。昨夏、甲子園を沸かせたスターたちは、どんな1年を過ごしたのか。注目は小園海斗(報徳学園→広島)、根尾昴(大阪桐蔭→中日)、藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)、吉田輝星(金足農業→日本ハム)のゴールデンルーキー4人。以下は、現場の記者が採点する彼らの“5段階通信簿”だ。

小園:評価5 レギュラー級の活躍で“Mrカープ”候補

スポーツ紙記者A:不調の田中広輔に代わり、終盤にはショートのレギュラーに定着。打率は.213ながら、58試合に出場し4本塁打、16打点は立派です。球団も、いずれは“Mrカープ”になってほしいと期待を寄せています。

夕刊紙記者B:物怖じしない性格がいいですね。菊池涼介や鈴木誠也など先輩選手にも、「髪型ヘンじゃないですか」などと冗談を言っています。チーム内で可愛がられている。春先から、カープ伝統の猛練習にも根を上げずについていった根性も見上げたモノです。

スポーツライターC:7月のフレッシュオールスターでは、初回に吉田輝から本塁打を放つなど2安打1打点の活躍。MVPとなり、賞金100万円を得た後の行動に男気を感じました。仲のいい同期の根尾と藤原に、焼き肉をご馳走したらしいんです。後日、記者から「エラいですね」と聞かれ、「ボクのほうが2人より年俸が低いのになんで奢らないといけないんですかね」と照れていました。大物の片りんが見える器の大きさで、評価は5でしょう。

根尾:評価3 エラー連発に打撃不振も本人納得の“最悪の結果”

A:根尾は苦しみましたね。ファームでは前半終了時で打率1割台。失策もリーグ最多の24でした。

B:“最悪の結果”も、本人は将来への大きなステップと割り切っているようです。例えばグラブは、プロに入ってから中日OBの井端弘和さんモデルに変えました。高校時代まではハンドリングしやすいグラブを使っていましたが、プロで長くやっていくためには小手先の技術では通用しません。それで、身体全体を使わないと扱いづらい井端さんモデルに変更した。その結果がエラーの多さになったんです。

C:打撃にも苦心の跡がうかがえます。夏場までは結果が出ず考え込んでいた。それが森野将彦・二軍打撃コーチのアドバイスで変わりましたね。「一人で悩んでいても何も改善されない。他の選手のスイングを見て、自分に足りないモノを盗め」と。以来、練習でも試合でも、先輩の打撃をジッと観察するようになりました。彼なりに何かを得たのでしょう。9月の月間打率は3割中盤まで上がったんです。結果はともなわずとも“学びの年”となったので、評価は3でどうでしょう。

藤原:評価2 木製バットへの対応に悪戦苦闘中

A:藤原は開幕一軍入り。楽天との開幕戦にも先発出場したけど打率1割台に低迷し、6試合で二軍に落とされてしまいましたね。

B:木製バットへの対応が遅れているようですね。

C:本人も「高校時代は(金属バットで)こすった当たりでもスタンドインしていたがプロでは『とらえた』と思っても、ボテボテのゴロにしかならない」と話しています。正直、まだプロの身体ではないですね。まずは体幹を鍛え、一軍投手の球にも押し込まれないよう身体をもう2回りくらい大きくすることが先決でしょう。

吉田輝:評価2 衝撃のデビューも投球スタイル変化が不安

A:吉田輝は、一軍初登板の6月の広島戦で5回1失点。初勝利をあげ衝撃のデビューを飾りましたね。

B:その成功体験がアダとなっている印象を受けます。彼本来の速球で押す投球でなく、変化球でかわすピッチングで初登板初勝利をあげてしまった。甲子園では150km以上のストレートを連発していましたが、プロでは一度も計測していません。入団前のオフには練習量が減ったにもかかわらず体重が増え、速球にノビがなくなってしまったんです。荒木大輔二軍監督は、「高校時代の速球を取り戻そうとしないで変化球に頼るオジサンのような投球をしている」とおカンムリですよ。

C:一軍での防御率が12.27と散々な結果なのに、危機感がないのも気になります。荒木監督は「オマエの持ち味はストレートだろう」とコトあるごとに忠告しているのに、逃げの投球が目立つ。今季のピッチングスタイルが定着してしまえば、スケールの小さい投手になりかねません。強い不安を感じるので評価は2でしょう。

毎年鳴り物入りで入団するドラフト1位選手だが、その後の明暗はハッキリ分かれる。3人は、これからどんなプロ人生を歩むのだろうか――。

  • 写真時事通信社

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