トランプ×金正恩 米朝会談「最悪のシナリオ」 | FRIDAYデジタル

トランプ×金正恩 米朝会談「最悪のシナリオ」

先に「臣下の礼」をとるのはどちら?

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韓国の鄭義溶(チョンウイヨン)国家安保室長と。韓国では今回の会談は好意的に報じられている

前代未聞の「天敵」同士の直接対峙、果たして吉と出るか、凶と出るか――。

3月8日、衝撃的なニュースが発表された。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(34)とアメリカのトランプ大統領(71)による「米朝首脳会談」が、5月末までに開催されることで合意したのだ。実現すれば史上初となる両国のトップによる直接会談。トランプ氏は「世界にとって最高の合意ができるかもしれない」と自信を見せている。

「会談は4対4のギブ&テイクが目的です。北朝鮮側の要求は、①平和協定の締結、②経済制裁の解除、③国交正常化、④経済協力。対するアメリカ側は、①核・ミサイル実験の凍結、②核・ミサイル開発の凍結、③核施設の解体、④核戦力の放棄。高いハードルですが、合意に至れば大きな進歩になるのは確かです」(『コリア・レポート』編集長の辺真一氏)

だがトランプ氏は13日に突如、ツイッター上で外交の責任者であるはずのティラーソン国務長官の更迭を表明。北朝鮮との対話路線を主張していた同氏に代わり、強硬派と見られるマイク・ポンペオ現CIA長官が指名された。北朝鮮に対し、簡単には譲らない自身の姿勢を示した格好のトランプ氏だが、政治学者のイアン・ブレマー氏が警告する。

「今回の会談は、通常の外交とは異なり、トップ同士が直接決定しています。ティラーソン氏は蚊帳の外の状態でした。歴代の大統領は北朝鮮外交について、国務長官や同盟国と相談してきた。そのうえで、北朝鮮の指導者と面会するのは事態を悪化させるだけだと判断し、回避してきた歴史があります。トランプ氏が外交をまったく理解していないのは関税政策を見ても明らか。今年の中間選挙に向け実績をアピールするために無理を通そうとして、結局失敗するというパターンになりかねません」

もし会談の場で交渉が決裂すれば、「最高の合意」になるはずが一転、「最悪のシナリオ」が待っている。前出・辺氏が話す。

「北朝鮮としては、万が一交渉に失敗した時のためのカードとして、会談前までにICBMを完成させたい。それを阻止するため、トランプ氏は5月末までに開催する、と期限を設けた。彼は会談の場で交渉が決裂すれば『すぐに立ち去る可能性もある』と発言しています。もし北朝鮮に核を放棄する意思がないと感じれば即断即決で、北朝鮮へ先制攻撃を実行する可能性は大きいでしょう」

「臣下の礼」をとり、相手を立てるのは外交上当然のこと。しかし、ワガママな二人のリーダーに、常識的な振る舞いを期待してもムダだろう。

トランプ氏は国務次官のゴールドスタイン氏の解任も発表した

写真:The Blue House/AFP/アフロ AFP=時事

 

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