ラグビー日本代表 アイルランド戦ベストプレーをプレイバック!
悲願の決勝トーナメントも見えてきた。この調子でスコットランド戦に挑め
|スポーツ
でかした! 静岡が揺れ、日本が興奮し、世界が驚いた。19対12、日本が初めてアイルランドに勝った。しかも、地元開催のワールドカップで!
この日、日本はひたむきだった。タックルの成功率は93%(アイルランドは88%)。タックルで相手を倒し、すぐに起き上がってはまたタックルに入る。
それでも日本は3対12と先行された。なんとか9対12まで詰めて前半を折り返したが、逆転劇を生んだのは、試合途中から入った選手たちだった。
股関節に不安を抱えるリーチマイケルは前半30分過ぎから出場、突進して相手防御網に楔(くさび)を打ち込んだ。
そして後半18分の逆転トライは、右ふくらはぎのケガで出場が微妙だったウィングの福岡堅樹(けんき)があげたものだ。
ゲームの流れを変えるべく投入された「インパクトプレーヤー」が仕事をし、ラグビー史に残る「傑作」が生まれた。
今回の日本には五郎丸歩のような突出したスターはいないが、全員が見せ場を作ることができる。スクラムハーフの田中史朗はリズムを生み、スタンドオフの田村優は肝心なペナルティゴールを決め、フランカーの姫野和樹は巨漢相手に身体を張った。
ただし、喜ぶのは早計だ。5日のサモア戦では勝ち点5をあげるのが宿題。そして13日にはスコットランド戦が待っている。世界ランキング2位のアイルランドに勝ったいま、日本が倒せないチームはないかもしれない。
(文・生島淳)
田村の冷静なキックが流れを変えた
悲願の決勝トーナメント進出が見えてきた!
『FRIDAY』2019年10月18日号より
- 写真:渡部 薫AFP/アフロ(リーチのみ)