台風、地震、病気、事故 1回170円からの「ミニ保険」で備える | FRIDAYデジタル

台風、地震、病気、事故 1回170円からの「ミニ保険」で備える

新スタイルで「まさか」に備える 自転車事故や風災などのリスクを上手に回避

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巨大な台風や度重なる交通事故など、不測の事態に備える必要性は年々高まっている
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大手保険会社の商品と違って、テレビでCMが流れるわけではないため、一般にはあまり知られていないが、必要な人には非常に助かる保険――それが「ミニ保険」だ。

「’05年に保険業法が改正され、少額短期保険が登場しました。最初に登録されたのが、『地震補償保険リスタ』です。これは地震保険に上乗せするような保険で、900万円を上限に地震災害(地震、噴火、これらによる津波)による被害だけを補償します。地震で自宅が全壊すれば、保険や国の支援だけでは住宅再建費用は不足します。それを補うための保険なのです。

『ミニ保険』は『なければ作ろう』という発想で生まれたものがあるのが面白いところ。たとえば、イベントのチケットを買ったのに行けなくなったとき、チケット代が戻ってくる保険や、山岳レスキューにかかった費用を最大で300万円まで補償する保険もあります」(ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏)

台風や地震などの災害に限らず、日常生活の様々なリスクに対応する保険が次々と登場している(下表)。たとえば、『みんなのスポーツサイクル保険』は高額なロードバイクやスポーツサイクル向けの保険で、盗難されたり破損したりしたときに保険金が下りる。10万円の自転車なら、月額275円と手軽だ。

「『お天気保険』も面白いですね。せっかく旅行に行ったのに悪天候だとがっかりします。宿泊予約サイト『ベストリザーブ・宿ぷらざ』でお天気保険付きプランを予約すると、15~18時の3時間に0.5㎜の雨が降り続けていると、宿泊代金の100%がキャッシュバックされます(保険料は宿泊代金の10%)。

法的なトラブルに巻き込まれたときの弁護士費用を補償する保険もあります。隣の家がゴミ屋敷になったり、セクハラやパワハラ、労働問題、離婚問題など、自分ではどうすることもできない法律トラブルでも弁護士に相談できるので、万一の際に安心です」(平野氏)

日常的に起こりうる事故として、被害額が甚大なのが、自転車事故だ。男児が自転車で女性に衝突した事故で、’13年に神戸地裁は男児の母親に対して9500万円の賠償責任を認めた。そこで注目を集めたのが、個人賠償責任保険だ。実はこの保険は月数百円程度で加入することができる。三井住友カードが会員にのみ提供している『ポケット保険』はネットで申し込み可能で、さまざまなリスクに対応している。

「選べる補償内容の中に『日常生活賠償』という項目がありますが、これが個人賠償責任保険に当たります。この保険は家族も補償の対象で、たとえば最高3億円の保険が下りるオプションは月170円で追加できます。自転車事故の他にも、飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまった場合や、草野球でボールが他人の家に飛び込んでガラスを割ってしまったというケースなども保険請求の対象になります。個人賠償は1億円、2億円、3億円の保険金額から選べますが、こうした金額が、決して『高すぎる金額』という時代ではなくなっているのです」(三井住友カード会員サービス開発部の岩本明氏)

「水害」に備える

近年とみに増えているのが、自然災害だ。台風15号による千葉の甚大な被害は記憶に新しい。こうした場合、自宅が入っている火災保険でカバーできるのか、まずは確認をしてみたほうがいい。

「一般的な火災保険は『火災、破裂、風災、雪災』などをカバーすることが多いです。千葉の台風では、ゴルフ場のネットが鉄柱ごと倒れましたが、こうした住宅の被害は『風災』として補償されます。

『水災や盗難、水濡れ、破損』など手厚く補償するタイプの保険もあります。’15年に関東や東北に被害をもたらした豪雨で鬼怒川が氾濫して、多くの家屋が水浸しになりました。こちらは『水災』対応の保険でないと補償されません。同じ台風被害でも『風災』と床上浸水、土砂崩れなどの『水災』に分かれます。まずは自宅の火災保険がどこまでカバーしているのか確認してみましょう」(ファイナンシャルプランナーの清水香氏)

昨年3月に東京都が発表した被害想定によると、過去最大規模の台風が東京を直撃すれば、東京23区内の3割が浸水被害に遭うという。葛飾区や墨田区、江戸川区は、9割以上が浸水するとも予測されている。河川が近くにある人は自治体が発表しているハザードマップを確認しておこう。

意外と知らないのが、火災保険の保険料だ。業界大手のあいおいニッセイ同和損害保険に試算してもらった。

東京都のマンションで物件の評価額が2000万円の場合、地震保険と合わせた5年契約の保険料は、火災と風災などが補償されるシンプルなプラン『エコノミープラン』で月額3400円だ。

「手厚い補償の『フルサポートプラン』の場合は、月額4300円と割高ですが、一番人気です。ただ、少しでも保険料を抑えたい場合には、ご自身のニーズに合わせたプランを選択していただければと思います。たとえば、マンションの上の階や高台にお住まいなら、水災を外したプランもご用意しています。

さらに弊社では風災と豪雨による被害を重視したプランも作っています。近年、台風や大雨による被害が増えてきている現状に合わせたもので、『セレクト(破損汚損なし)プラン』は物件の条件が同じ場合、月額4000円で、おすすめです」(同社広報部の江頭悠介氏)

東京都内の木造一戸建てで評価額3000万円の場合は、火災保険と地震保険合わせて月額9000円と保険料は高くなる。年払いや一括払いにすると、月払いに比べて割安になるので資金に余裕がある人は検討するといいだろう(詳細は下表参照)。

前出の清水氏が言う。

「自然災害で家を失っても国の支援はわずかで、貯蓄でどうにかなる金額ではありません。家屋が水浸しになれば、家財も台無しになるので、火災保険は建物と家財の両方について手厚いものに、地震保険にも入ったほうがいいでしょう。数千万円の被害のリスクを考えれば、年6万円程度の負担でも高くありません。

病気やケガ、障害など、人への社会保障は手厚いですが、国による私有財産に対する支援は不十分。医療保険や生命保険の中から不要なものを削っても、火災保険に回したほうが賢明です」

禁煙すればさらにおトク

医療保険も入院保障が充実しているような高額なものは必要ない。最近ではがんになっても短期間の入院で済む場合も多く、むしろ現役世代にとっては、退院後の自宅療養中、復職するまでの収入保障のほうが重要だ。

「現役世代では稼ぎ頭が大病してしまうことが家計には大きなリスクです。ただし、医療費に関しては、公的医療保険や高額療養費制度があり、あまり心配する必要はありません。困るのは、療養が長期になり、その間の収入がなくなってしまうことでしょう。生活費や子供の教育費がかかりますし、住宅ローンの支払いも待ってはくれません。こうしたリスクに備える保険として『就業不能保障保険』があります」(ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓氏)

これは病気やケガによって働けなくなったときに、契約時に決めた保険金が月単位で出る保険だ。生命保険の特約でも入れるが、月額4000~6000円程度で単独の保険として加入することもできる。

「保険料が安く、一番人気なのが、アクサダイレクト生命の『働けないときの安心』です。働けない状態になってから60日間は保険がおりませんが、それ以降は契約時に決めた保険金(一律20万円など)が、復帰するか、保険期間が満了するまで支払われます。うつ病などの精神疾患も対象です。各社によって条件に差があるので、好みのものを見つけてください」(内藤氏)

SOMPOひまわり生命の収入保障保険『じぶんと家族のお守り』は健康状態によって、保険料が変わるのが特徴だ。

「喫煙状況やBMI値、血圧で基準をクリアしていれば、最大で3割以上も保険料が安くなります。面白いのは『健康☆チャレンジ!制度』というのがあり、喫煙者が契約後、禁煙に成功すると、キャッシュバックされます。唾液を採ってニコチンが含まれていないか厳しくチェックされ、禁煙に成功すれば数万円返ってくることもあります」(ファイナンシャルプランナーの浅見浩氏)

人生、何が起こるかわからない。新しい手軽な保険でリスクに備えよう。

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『FRIDAY』2019年10月18日号より

  • 撮影濱﨑慎治(台風)写真時事(地震)

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