パリ・ミラノ発。ファッションショーに登場したラグビーシャツとは | FRIDAYデジタル

パリ・ミラノ発。ファッションショーに登場したラグビーシャツとは

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今年の1月から2月にかけてパリやミラノなどで開催された2019年秋冬のファッションショー。今季は、ラグビーワールドカップを意識してか、多くのブランドからユニークなラガーシャツが発表された。今回は、その中から4ブランドをピックアップ。

各ファッションショーで登場したラガーシャツは、伝統的なクラシックタイプをモチーフにそれぞれのデザイナーが彼らなりの解釈でアレンジを加えたもの。実際のグラウンド上では、2008年に前立てのないラガーシャツが公式に認められて以来、お馴染みの襟付きタイプはほとんど姿を消している。

BURBERRY/バーバリー

最初は、ラグビー発祥の地イギリスを代表するブランド、バーバリー。1856年誕生のチェック柄やトレンチコートでお馴染みの老舗ブランド。

パリやミラノで年2回発表されるファッションショーで重要な役割を担うのが、各シーズンのコンセプトやデザインの方向性などを決定するクリエイティブ・ディレクター。現在バーバリーのコレクションを担当しているのは、2018年の春夏に抜擢されたリカルド・ティッシ。南イタリア出身で、英国の名門ファッションスクール・セントマーティンズ校出身の45歳。プーマやナイキとのコラボレーションを手掛けてきた過去からもわかるようにスポーツアイテム好きだ。

イタリア出身の彼が今回のファッションショーでテーマとして掲げているのが「イギリスらしさとは?」。彼にとってラグビーは、“イギリスらしさ”を表現するための重要なモチーフのひとつ。このコレクションでは、2枚のラガーシャツを裾で縫い合わせたユニークなドレスを発表した。上下逆にも着こなせる不思議なデザインだ。

こちらは日本でも販売されていて、お値段は22万円(!)
こちらは日本でも販売されていて、お値段は22万円(!)

LOEWE/ロエベ

お次は、スペインの皇室ブランド、ロエベのコレクション。こちらも、1846年誕生の老舗ブランド。バッグなどの革製品が日本でも人気だ。婦人服のコレクションは1960年代から発表していて、最初のデザインを担当したのは、今年の2月に亡くなったファッション界の重鎮カール・ラガーフェルド氏。

現在のクリエイティブ・ディレクターは、JWアンダーソン。北アイルランド生まれのデザイナーだ。ちなみに父親は、元アイルランド代表の著名なラグビー選手、ウィリー・アンダーソンだとか。

そんな父親の影響か、JWアンダーソンのコレクションにはラガーシャツがたびたび登場する。2019年秋冬のロエベのファッションショーでは、着丈を膝まで伸ばし、フードを付けたユニークなラガーシャツが発表された。

2017年からはユニクロとのコラボ商品が発表されていて、今年の春夏商品では、ラガーシャツも発売され人気だった。10月18日発売予定の秋冬商品では残念ながらラガーシャツは含まれていないようだが、気になる人はメルカリ等を探してみよう。こちらは、ぐっとお手頃格のはずだ。

着丈を膝まで伸ばし、フードを付けたユニークなデザイン。日本での販売価格は、183700円
着丈を膝まで伸ばし、フードを付けたユニークなデザイン。日本での販売価格は、183700円

KOCHÉ/コシェ

2014年に、デザイナーのクリステル・コシェールが設立した新しいブランド。フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード」の2019年度グランプリに輝くなど、今注目のデザイナーだ。日本との縁も深く、過去には東京でも2回ファッションショーを開催している。今年3月に渋谷で行われたショーではピカチュウとのコラボアイテムが披露された。

モードとストリートカルチャーを融合した世界観をコンセプトにしている彼女のコレクション。中でも、サッカーをしていた父の影響を受けたというスポーツのユニフォームは重要なアイテムだ。ラガーシャツは、2018年のコレクションから、最近行われた2020年春夏まで3回続けて登場している。

ラガーシャツは、2018年のコレクションから、最近行われた2020年春夏まで3回続けて登場
ラガーシャツは、2018年のコレクションから、最近行われた2020年春夏まで3回続けて登場

Daniel W. Fletcher/ダニエル・W・フレッチャー

最後は、普段にも着ることができそうなプレーンなデザインのラガーシャツ。ロンドンを拠点として活躍するデザイナー、ダニエル・W・フレッチャーの作品だ。英国の名門ファッションスクール・セントマーティンズ校卒業後、2015年に自らブランドを立ち上げた若手。2017年のコレクションテーマを「EU残留」にするなど、社会派のデザイナーとしても有名。今回のテーマは、1960~1970年代の英国。政治的な混乱が現在と重なるという。

今回発表されたラガーシャツは、全体の印象はクラシックだが、前立てが長いのが特徴。本来ラグビーにおいてのユニフォームの規定はかなり厳しく、襟付きのタイプは襟の高さ(襟の付け根から先端までの長さ)が3.5㎝以上、前立ての長さは10~15cmと決まっている。この前立てを長くしたデザインのラガーシャツは、現在のイギリスが置かれている状況への、彼の反骨精神を表現しているのかもしれない。

ダニエル・W・フレッチャーの各アイテムは、日本ではビームス等で入手可能
ダニエル・W・フレッチャーの各アイテムは、日本ではビームス等で入手可能

世界で活躍しているデザイナーたちは、洋服のデザインの中にメッセージを込める。多様性を重んじるラグビーは、デザインのモチーフ以上に意味を持つアイコンなのだ。

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