アメリカが本気で捜査している「ロシア疑惑」って、何なの?

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GRUを訪れ、施設内で射撃をするプーチン大統領。元KGBのエージェントは銃の扱いはお手のものだ

「トランプが当選した’16年の米大統領選でロシアが何らかの陰謀を仕掛けた形跡があります。具体的には国家的なハッカー機関がさまざまな世論操作を行った疑いがある。これが『ロシア疑惑』です。実際、民主党候補のヒラリー・クリントン陣営はメールを暴露され、フェイクニュースを流すSNSで攻撃されました」(全国紙ワシントン支局記者)

 

そのロシア疑惑調査で指揮を執るのは元FBI長官で特別検察官のロバート・モラー氏。彼は2月、ロシア国籍の13人とロシア関連企業3社を、連邦大陪審が起訴したと発表した。起訴状によると、米大統領選介入の首謀者はロシア人実業家エブゲニー・プリゴジン被告。レストランなどを経営し「プーチンの料理人」と呼ばれる人物で、プーチンの意向を受け指示した疑いがもたれている。

モラー氏はトランプ大統領本人への聴取を求め、政権の圧力に屈せず捜査を進めるが、その背景には、ロシアのハッカー集団が世界的規模で攻撃を仕掛け、その攻撃が現在も続いている状況がある。

「ロシアには二つのハッカー集団がいます。米がコージーベアとファンシーベアと名付けた集団で前者はSVR(ロシア対外情報庁)とFSB(ロシア連邦保安局)、後者はGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)とつながっています。これらの集団が米大統領選では120もの反クリントンのぺージを立ち上げ、フェイクニュースを流し続けました。米だけでなく、英国のEU離脱の国民投票の際は15万のツイッターアカウントを作り、離脱を煽りました。’15年にウクライナで大規模な停電が起きましたが、これもロシアのサイバー攻撃によるものです」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏) 

同じ’15年にロシア軍爆撃機がトルコに撃墜されたときも、報復として激しいサイバー攻撃を仕掛け、トルコの政府機関や国営企業、金融機関等が2週間にわたってシステム停止に追い込まれた。今やサイバー攻撃は最新兵器をもしのぐほどの破壊力を持つのだ。

「インフラをサイバー攻撃されたら交通も通信も止まり生活ができなくなります。原発の冷却装置の電源を止められたらどうなるか。核兵器は規制が強く、管理されていますが、ハッキングは国際的なルールもなく、把握されていません。特にロシア、中国、北朝鮮は国をあげてハッカーを養成しています。ちなみに日本の自衛隊や内閣官房の中にもサイバー対策の専門部署はありますが、専守防衛なので人材が育ちにくい」(グローバルリスク代表取締役・北島純氏) 

ロシアは米大統領選で、選挙システムにまでハッキングを試みたといわれ、秋の中間選挙を控え、米国では警戒が強まっている。「ロシア疑惑」とは、トランプ政権のスキャンダルにとどまらず、「米露戦争」そのものなのだ。

ホワイトハウスでの会合後取材に応じるトランプ大統領。秋の中間選挙では大敗の可能性が濃厚だ

イヴァンカ・トランプ

信じられるのは家族だけのトランプ氏にとって最大の味方は娘のイヴァンカだけ

前首席戦略官・大統領側近

スティーブ・バノン

「影の大統領」と呼ばれていたバノン氏はイヴァンカの夫、クシュナーと対立し失脚

元トランプ選対本部長

ポール・マナフォート

資金洗浄など32の罪で実質終身刑になりそうだったが、司法取引に応じトランプを見捨てることに

↕ 司法取引

特別検察官

ロバート・モラー

モラー特別検察官はロシアへの追及の手を厳しくする一方、司法取引を持ちかけてトランプ政権を切り崩しにかかっている

↓ 起訴

プーチンの料理人・実業家

エブゲニー・プリゴジン

米大統領選を荒らした、「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」の出資者であるプリゴジン氏

写真:TASS/AFP/AP/ロイター/アフロ

 

Photo Gallary7

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