パ・リーグ上位3球団にオススメ!ドラフトで獲るべき選手を厳選 | FRIDAYデジタル

パ・リーグ上位3球団にオススメ!ドラフトで獲るべき選手を厳選

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今夏の福井大会決勝、敦賀気比戦で力投する玉村昇悟(丹生高)
今夏の福井大会決勝、敦賀気比戦で力投する玉村昇悟(丹生高)

10月17日に迫ったプロ野球ドラフト会議。各球団の動向が連日報道される時期になったが、当然チームによって補強ポイントは異なってくる。そこで年間300試合以上アマチュア野球を取材する西尾典文氏に、各球団のおすすめ選手を一人ずつ紹介してもらった。また、目玉や上位候補ではなく、あまり報道されていない下位指名で狙える選手から選んでいる。まずはパ・リーグのAクラス3球団からだ。

パ・リーグ1位:西武
おすすめ選手:橋本侑樹(投手・大阪商業大・左投左打)
菊池雄星、浅村栄斗、炭谷銀仁朗の主力三人が抜けながらも見事リーグ連覇を達成した。リーグ最下位のチーム防御率に沈む投手陣を強力打線でカバーする戦い方は、もはやチームカラーとなっている。先発、リリーフともに投手陣が手薄なことは間違いないが、数年後を考えると決して野手も安泰ではない。レギュラーで若手と言えるのはキャッチャーの森友哉だけで、主力は軒並み20代後半から30代前半に偏っている。今年見事な活躍を見せた中村剛也も来年で37歳という年齢を考えると大きな期待はかけづらい。逆に投手は先発に多和田真三郎、高橋光成、松本航、今井達也とドラフト1位の本格派が揃い、リリーフ陣も平良海馬にブレイクの兆しがある。そういう事情をトータルして考えると、野手は将来性のある打者、投手はリリーフタイプの即戦力を指名しておきたい。
そんな中で一人おすすめを挙げるとなるとリリーフタイプのサウスポー、橋本侑樹(大阪商業大)になる。現在、左のリリーフは小川龍也、野田昇吾、佐野泰雄などが務めているが、ホールドは野田の佐野は2ずつと勝ちパターンで使えている状態ではない。そんな中で数少ない即戦力の左腕が橋本と言える。この秋ノーヒットノーランも達成しているが、リリーフで登板した時の方が球威も変化球も明らかに凄みが増しており、独特のボールの角度があるのも持ち味だ。左のブルペン陣を厚くするためにぜひ狙いたい。

パ・リーグ2位:ソフトバンク
おすすめ選手:山田知輝(外野手・東洋大・右投左打)
シーズン終盤に西武に競り負けて2年連続の2位に終わった。選手層の厚さはさすがだが、一年を通じて安定した成績を残している選手は少なく、色んな所に綻びが出てきている印象は否めない。特に深刻なのが野手の世代交代だ。今シーズン、安打数が多い順に選手を並べると35歳の松田宣浩、38歳の内川聖一、外国人のグラシアル、デスパイネとなり、彼らを脅かすような強打者タイプの選手が育っていないことがよく分かる。
投手陣は高橋礼が救世主となったが、本来エース級の働きを見せていないといけない武田翔太、東浜巨が停滞しており、千賀滉大に続く太い柱がなかなか確立されていない。リリーフ陣の勤続疲労も気がかりだ。
しかし全体的に見ると投手陣はまだまだこれから楽しみな選手が多く、とにかく野手の手当が急務である。かつて井口資仁、松中信彦、柴原洋の三人を上位で指名した1996年のドラフトのような思い切りが欲しいところだ。高校生では石川昂弥(東邦高)、井上広大(履正社高)などが候補になるが、下位で指名できそうな選手でおすすめしたいのが山田知輝(東洋大)だ。もともと投手だったためレギュラーに定着したのは4年春と遅いが、とにかく魅力はその飛距離。確実性は課題だが、かつて一番飛ばすからという理由で指名した柳田悠岐の後釜候補として期待できる数少ない選手である。

パ・リーグ3位:楽天
おすすめ選手:玉村昇悟(投手・丹生高・左投左打)
昨年借金24の最下位から貯金3の3位へと見事な躍進を見せた楽天。FAで獲得した浅村栄斗と新外国人のブラッシュが期待通りの活躍を見せて、得点力が向上したことが何よりも大きかった。ここ数年、野手を積極的に指名しており、その中から茂木栄五郎、辰己涼介の二人がレギュラーをつかみ、渡辺佳明、オコエ瑠偉、太田光、堀内謙伍などにもブレイクの兆しが見られる。
その一方で不安なのは投手陣。則本昂大、岸孝之の二枚看板の力に陰りが見られており、今年中心だった美馬学、辛島航、石橋良太もベテランの域に差し掛かっている。数年後のローテーションを考えると、早めに整備しておく必要があるだろう。
そんな中でも特に一人は獲得しておきたいのが左の先発タイプの投手だ。今年は弓削隼人が上手くはまったものの、若手で出てきそうな雰囲気のあるサウスポーは見当たらない。そこでおすすめしたいのが玉村昇悟(丹生高)だ。肘を柔らかく使える豪快な腕の振りに特長があるサウスポーで、それでいながら制球力も安定しているのだ。スピードは140km前後が多いが、コーナーにしっかり投げ分けられ、試合を作ることができる。プロで鍛えてスピードアップすれば、先発として使える目途も立ってくるだろう。

 

  • 西尾典文(にしお・のりふみ)

    スポーツライター。愛知県出身。’79年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

  • 写真時事通信社

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