カインズのオリジナル商品がグッドデザイン賞を取りまくる理由

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

「絡まりにくい傘立て」「底にこだわった灯油タンク」「ホースが留められるタライ」……。日常生活で感じる、ちょっとしたストレスを解消してくれるこれらの商品は、すべてホームセンター「カインズ」のオリジナル商品だ。その機能性と無駄のないデザインが認められ、10月2日に発表された2019年度グッドデザイン賞を、他の3点とともに受賞した。

吸水・乾燥機能に優れた珪藻土で出来た底受け部をすり鉢形状にデザインすることで、傘の収納姿勢をコントロールし、傘と傘の取っ手の間隔が広くなり取り出しやすい「まりにくい傘立て」(グッドデザイン賞2019 受賞商品一覧より)
底面に傾斜をつける事によって灯油が少なくなった際に灯油が片側に集まり、吸い残しを少なくした灯油タンクである。また、持ち手を太く波型形状にする事で灯油が入って重さがある状態でも手が痛くなりにくく、持ち運びやすい形状になっている「底にこだわった灯油タンク(グッドデザイン賞2019 受賞商品一覧より)
4種類の異なる径のホースが取り付けられる溝と底面にテーパーを付けることで水抜きしやすいデザインに設計している「ホースが留められるタライ」(グッドデザイン賞2019 受賞商品一覧より)

いまや、ホームセンターは「ホムセン」と呼ばれ、「ヒャッキン(100円均一ショップ)」「ムジ(無印良品)」と並び、SNS世代の消費者たちにとって、手ごろな価格で気の利いた商品を探しに行く場所としてすっかり定着している。

中でもカインズオリジナル商品は、加工食品、ペット商品、おしゃれなDIY商品からアウトドア商品まで、幅広い商品群が強みだ。これまでにも、掃除用品の概念を変えた「立つほうき」「立つちりとり」シリーズ、収納好きを中心に、SNS等の口コミで人気に火が付いた「スキットシリーズ」など、かゆいところに手が届く商品群には定評があり、主婦向けの情報番組で取り上げられることも多い。

使いたい時にサッとすぐに使うことができ、収納する煩わしさも取り除くことができる。一般的なほうきと、同シリーズの立つほうきをセットして立てて置くことができ、ほうきの穂先の保護にも繋がる。使われていない時の状態にも気を配った「立つちりとり」(グッドデザイン賞2017 受賞商品一覧より)
立つほうき
収納スペースと収納物から割り出した7cmモジュールが基本の収納容器シリーズ。側壁開口部の向きを変えることにより、見せる収納と隠す収納の選択が可能。さらに、ネームプレートを用い連結させることで広いスペースの間仕切りとしての使用もでき、収納スペースを有効活用することができる収納ケース「スキットシリーズ」(グッドデザイン賞2016 受賞商品一覧より)

そんな人気商品を連発する商品開発力の陰には、カインズで働くパートやアルバイトの女性スタッフが持つ「消費者目線」を大切にするために設けた「社内イントラネット」がある。これにより、リアルな意見や要望、アイディアなどをいつでも入力できる仕組みを確立。それ以外にも、年2回の「商品展示会」に全国の店舗からスタッフを集め、新商品を直々に説明、忌憚のない意見交換を行うのだという。

株式会社カインズは、今年で設立30周年。関東を中心に全国に219(2019年10月末時点)店舗を展開、売上高4000億円の規模を誇るホームセンターの雄だが、園芸商品を扱うホームセンターからスタートし、今のポジションに至った契機は、2007年の「SPA企業宣言」にあった。

安さ勝負の小売販売に限界を感じ、オリジナル商品づくりに大きく舵を切ったことで、付加価値がありながら、買いやすい価格であるという「安さは大前提」の商品開発が実現した。

「競合はほかのホームセンターだけではなく、Amazonであり、ドラッグストア」というカインズ。今後も、大半のものはネットで買い、「知らなかったけど価値のあるもの」との出会いを求めて実店舗へと足を運ぶ、新しい世代の消費者にも響く商品開発力に注目だ。

Photo Gallary6

share icon記事をシェアする

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事