<figure id="attachment_72635" aria-describedby="caption-attachment-72635" style="width: 3840px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d537cb9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2019/10/74c53d03907a2d7cfd1f4e6bd585f83b.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-72635" class="wp-caption-text">千曲川近くにある北陸新幹線の車両センター。120両の車両が水没。被害の詳細は判明しておらず全損になる可能性もある</figcaption></figure>
住宅地に置き去りにされた、車の屋根の泥。浸水した地区に入り、付近を必死に捜索する警察官の姿も――。
各地に甚大な被害をもたらした台風19号。千曲川の堤防が決壊した長野県内の被災地をドローンで上空から撮影すると、そこには生々しいツメ痕が映っていた。
<iframe title="台風19号　千曲川決壊現場のドローン動画" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/3W3QwCL3DOY?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
「川沿いの家は玄関を高くするなど洪水に強い作りをしていたけど、これだけの規模で川が氾濫するとどうしようもない。リンゴも泥に浸かりもうダメ。来月収穫する予定だったのですが……」（リンゴ農家）
水の引きかけた現場を歩くと、大量の泥によるヌメリで足がズルズル滑る。ところどころ深い水たまりもあった。バランスを崩しては転び、体はすぐに泥まみれになる。こうした中で、住民は自宅の泥を取り除く作業を続けている。
「『ＪＲ東日本長野新幹線車両センター』に停められていた、北陸新幹線の車両120両も水没しました。10月15日にほぼ水は引きましたが、水に浸かった車両下部にはサビが浮いている。損害は甚大で、全損になる可能性もあるそうです」（全国紙記者）
有名な観光地「海野宿」（東御市）近くの市道は、200ｍ余に渡って崩落した。水かさが増した千曲川の流れが土の堤防を削り、市道が千切れるように川へ落ちたのだ。
「夜中の３時過ぎにジェット機のようなスゴい地響きがして、外を見ると道がなくなっていました。ここは川が急カーブする場所で、強い水の圧力が堤防にかかる。子供の頃から大雨のたびに決壊するのを見てきた。今回もまた起きたかという感じです」（近隣住民）
台風19号では全国で59河川が決壊し、77人の犠牲者（17日現在）が出た。千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号に続き、自然災害が続いている。対策はあるのか。東京理科大学の二瓶泰雄教授（工学）は、日ごろの備えの重要さを訴える。
「温暖化などの気候変動で、雨の降り方が増しています。国は治水対策を見直していますが、これからも想定を上回る雨は必ず来る。被害を防ぐ最善の策は、浸水想定されている場所に住まないこと。それができない場合には、早めの避難が何よりも大切です」
10月以降も、巨大台風が襲来する可能性がある。まだまだ、注意が必要だ。

桐島 瞬

ジャーナリスト。'65年、栃木県生まれ。高校野球から原発問題まで幅広く取材。『FRIDAY』『週刊プレイボーイ』『週刊朝日』など雑誌を中心に活躍している。

全国各地に甚大な被害を及ぼした台風19号。長野県内を流れる千曲川は堤防が決壊し周辺地域が水没した。被災地の生々しいツメ痕を撮影したドローン動画だ

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