人格者マドン監督の就任でエンゼルス大谷翔平が飛躍する理由

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2016年のワールドシリーズを制覇したときのマドン監督。右は川崎宗則

 大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスは、ブラッド・オースマス監督を解任し、シカゴ・カブスで指揮を執ったジョー・マドン監督の就任を発表しました。。

 ビリー・エプラーGMはオースマス監督について「厳しいシーズンを戦ってくれた」と敬意を示したコメントを出しつも、別のメディアセッションでは「期待していた結果ではなかった」と、72勝90敗の今シーズンを振り返っています。

 もちろん球団やファンにとっていい結果ではありませんでしたし、エンゼルスはもっとスタンディング(順位表)の上にいていいチームです。しかし、マイク・ソーシア前監督の19年という超長期政権から受けたバトンで、1年目から結果を求めるのは難しいタスクだったのではないでしょうか。怪我というハードラックにも見舞われましたし、何よりも3年契約を交わしているのですから、かなりシビアな決断と言わざるを得ません。

 西海岸ではこれまで、地元メディアが複数の後任候補者を挙げてきました。目立ったのが、今回就任が決まったシカゴ・カブスのジョー・マドン監督。そして、ニューヨーク・ヤンキースをワールドシリーズ制覇(2009年)に導いたジョー・ジラルディ氏。

 ただ、ジラルディ氏は地元でもあるシカゴでの監督就任を望んでいて、今季で契約が切れるマドン監督がロスに来るのではというのが、有力な見方でした。エンゼルスのエプラーGMは、ジラルディ氏とはGM補佐としてキャリアを積んでいたヤンキース時代に共に仕事をしているので、ジラルディ氏の意向は把握していたはずです。ただ、マドン監督のカブスとの契約は今月末までありましたから、予想より発表が早くなりましたね。

 マドン監督は両リーグで最優秀監督賞を受賞した名将であることは言わずもがなですが、監督としての力量は当然ながら、人格者としても知られています。

 彼の指導者としてのキャリアの初期は実はエンゼルスなのですが、ちょうど僕も選手として在籍していました。その頃から選手ファーストを徹底していて、選手を絶対に怒ったりしませんでした。グラウンドでも常に選手へのリスペクトを欠かさず、ミスが出ても「野球とはミスの出るスポーツなんだから、そういうこともある」と割り切れる人物です。

 現役引退後もお世話になりました。キャンプの視察などに行くと、わざわざ挨拶をしに来てくれて「今年はこういう部分がポイントになりそうだ」と教えてくれ、全選手の特徴と期待するポイントを丁寧に解説してくれました。それだけではなく、クラブハウス前で当時、ワールドチャンピオンになったカブスの選手を1人ずつ紹介してくれたり、彼らに私の現役時代の話をしたりと、エンジェルスで一緒に戦った時となんら変わりない対応をしてもらって本当に勉強になりました。

 日本のファンにとって気になるのは大谷選手との相性でしょう。

 これは全く問題ないどころか、あらゆる点でプラスになると思います。

 タンパベイ(レイズ)時代は岩村明憲氏、今季はダルビッシュ有投手と仕事をしているので、日本人選手の特性を理解してくれていますし、メディアとの付き合い方も上手です。さらに、オフェンスでは投手を8番に置く打順を試したり、ディフェンスでは大胆なシフトを敷いたりと、データと遊び心をうまく融合させる柔軟な采配こそが最大な魅力です。大谷選手の二刀流も最大限に活かしてくれるどころか、起用に関して新たな可能性すら期待できます。

 大谷選手にとって2020年は二刀流復帰のシーズンになりそうですが、それを支える指揮官マドン監督の手腕にも注目です。すでに来シーズンが楽しみになってきました。

  • 長谷川滋利

    1968年8月1日兵庫県加古川市生まれ。東洋大姫路高校で春夏甲子園に出場。立命館大学を経て1991年ドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブに入団。初年度から12勝を挙げ、新人賞を獲得した。1997年、金銭トレードでアナハイム・エンゼルス(現在のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム)に移籍。2002年シアトル・マリナーズに移り、2006年現役引退

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