巨人“次期監督”阿部慎之助 選手は萎縮も“意外に高評価”の理由 | FRIDAYデジタル

巨人“次期監督”阿部慎之助 選手は萎縮も“意外に高評価”の理由

ソフトバンクとの日本シリーズを最後に現役を引退する巨人の阿部。次期監督就任が既定路線のようだが選手と外部からの評価はまったく違っていた

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阿部慎之助(右)の引退試合が行われた9月27日。東京ドームを訪れた長嶋茂雄氏(中央)、原辰徳監督とともに写真におさまる
阿部慎之助(右)の引退試合が行われた9月27日。東京ドームを訪れた長嶋茂雄氏(中央)、原辰徳監督とともに写真におさまる

「ボクが理想としている指導者像は、前を向き続ける人です。試合に負けていても『下を向くな!』と檄を飛ばしていけるかが重要。具体的には『スクール☆ウォーズ』(’80年代の熱血ラグビードラマ)で、山下真司さんが演じた滝沢賢治先生みたいな人間ですね。熱さ全開で顔を紅潮させながら、チームを激励しようと思っています」

今季で現役引退する巨人・阿部慎之助(40)は、以前『FRIDAY』のインタビューに対しこう語っていた。

‘07年から8年間キャプテンを務め、原辰徳監督の次のリーダーと目される阿部。終身名誉監督の長嶋茂雄氏も「後進を指導し再びジャイアンツのために貢献するという責務が彼にはある」と、コメントを発表している。監督就任はもはや既定路線だが、選手たちには不評なようで……。

「試合後も、『あのリードはなんだ!』『どうしてあんな球を投げたんだ!』と投手や後輩捕手を叱責するんです。あまりの厳しさに、若手選手は萎縮していました。’15年までは長野久義や坂本勇人らを引き連れグアムで自主トレをしていましたが、ここ数年は単独で行っている。細かい練習法にまで口を出すので、愛想をつかされてしまったんです。選手たちは『阿部さんが監督になるとやりズラくなるな』と、戦々恐々としていますよ」(スポーツ紙記者)

チーム内の評判はイマイチでも、周囲の評価は意外に高い。阿部と同じ捕手出身で、広島の監督を務めた達川光男氏が語る。

「野村克也さんも言っているように、捕手は常に試合の流れを考え、選手の動向を見ているので指導者にピッタリです。阿部は確かに口うるさいところもあるかもしれんが、チームへの愛情の裏返しでしょう。本当に人望がなかったら、引退発表後に選手たちが(阿部と同じ)背番号『10』のTシャツを着て練習しますか? 坂本も今季一番の思い出を聞かれ、『阿部さんの引退試合でホームランを打てたこと』と言うとるでしょう。リーダーには、多少の厳しさが必要なんです。ワシは阿部の監督就任に大賛成ですよ」

同じく捕手出身で楽天の監督を務めたデーブ大久保氏も、阿部の指導力を認める。

「慎之助が厳しいと言っても、決して無茶なコトは言いません。体罰もない。プロの捕手として相手投手の配球を読むようになってから、打撃能力も向上しました。阿部の経験は、投手にも野手にも大いに役立つハズです」

阿部が就任するのは、原監督の契約が終了する2年後といわれる。達川氏は「課題は就任までの短さだ」と話す。

「阿部は、ケガ以外で二軍に落ちたことがない。常に第一線でプレーしてきたので、控え選手の気持ちをよく理解していないでしょう。自分ができたことなら、他の選手もできると思っても不思議ではない。最低5年は、コーチ経験を積むべきです。できれば二軍監督を2年ほど務め伸び悩む選手をどう指導すべきか学び、その上で一軍ヘッドコーチとして指揮官の采配を勉強すれば鬼に金棒です」

デーブ大久保氏は、球団との調整能力に不安をのぞかせる。

「監督は、現場を見ていればイイわけではありません。オーナーやGMの意向にも、目を配らなければならない。私も『あの若手選手を使え』とか『あの外国人選手は高額で獲得したから150打席以上立たせろ』など、いろいろな注文を受けました。慎之助には、球団との調整役としての能力も求められるんです」

10月19日から始まるソフトバンクとの日本シリーズを最後に、一旦ユニフォームを脱ぐ阿部。そこから球界の盟主ジャイアンツのリーダーになるための、新たな戦いがスタートする。

  • 写真時事通信社(読売巨人軍提供)

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