座間9人殺害・白石隆浩被告獄中インタビュー「死刑受け入れる」

強盗・強制性交殺人などの容疑で逮捕・起訴された白石被告。東京・立川拘置所で記者に明かした事件の概要と国選弁護人とケンカ別れした理由とは

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白石被告が収容されている東京・立川市の立川拘置所。面会は一日一組までで、時間は一回あたり30分間だ

「死刑は当然、頭にあります。逮捕直後から警察や検察に『お前は死刑になる』と言われ続けてきたので、心の整理もついている。でも、死刑に関する本を読むと、やっぱり痛いらしいですね。痛いのだけは正直、嫌だなあと思います」

10月上旬の朝10時、東京・立川拘置所の面会所――。強盗・強制性交殺人などの容疑で逮捕・起訴された白石隆浩被告(29)は、アクリルボードの向こう側で腕組みをしながらそう語った。

’17年10月31日、神奈川県座間市のアパートで9名のバラバラ遺体が発見されてから約2年。肩下まで髪を伸ばし、5cmほど顎鬚を蓄(たくわ)えた白石被告は、逮捕当時より一回り太ったように見える。彼は、「遠いところありがとうございます」と頭を下げると、穏やかに話し始めた。

「実は、最初に殺したA子さんだけは可哀想だったなあと思っています。出会ってから殺害するまでの約10日間、彼女は食事をおごってくれたり、ホテル代を出してくれたり、たくさん尽くしてくれましたから。どうせなら殺さずに、ヒモとしてお金をせびり続ければよかった。

A子さんを殺したのは8月23日。殺すことを考え始めたのは8月18日でした。知り合ってから彼女がけっこうな額の貯金をしていることを知り、僕はそのカネがどうしても欲しくなった。それで、『カネが無いから不動産屋の審査が通らない』と彼女に話し、約50万円を借りたんです。おかげでアパートの審査は通ったんですが、やはり、借りた50万円は返したくないと思った。それが8月18日の話。どうすれば返さずに済むかと考えた結果、彼女を殺すことにしたんです」

天気の話でもしているかのように淡々と話す白石被告。自らの強制性交罪についてもためらうことなく語り続ける。

「性欲が溜(た)まっていたのもあり、首を絞めて殺害した後、A子さんをレイプしました。すると思った以上に快感を覚えた。それからレイプ物のAVや、女性を昏睡させたり縛ったりする作品にハマりました。二人目以降は、カネを持っていようがいまいが関係なく、昏睡させてレイプすること自体が目的に変わりました」

彼の話しぶりからは、殺人を犯してしまったことへの反省の気持ちは微塵(みじん)も感じられなかった。

ところで、本誌はかつて、白石被告が事件を起こした座間市のアパートの部屋に新たな住人が入居したことを報じている(『フライデー』7月5日号)。そのことを白石被告に伝えると、彼はこれまで語っていた事件の話題を忘れたかのように、突然、明るい表情を見せた。

「すごい! よく気にしないでいられますね。ちなみに家賃は……えーっ!! 1万1000円!? やっす! 前は2万2000円でしたよ。僕が住みたいくらいです。あの部屋は、日当たりも良くて静かでいい部屋なんですよ。駅からもコンビニからも近いですしね」

現在、公判前整理手続き中の白石被告。公判で主張する内容を本誌記者が尋ねると、彼はサッと表情を曇らせた。

「初めて言うのですが、実は弁護士と揉めているんです。僕は逮捕当時、罪を認めていたんですが、その後ついた国選弁護人から黙秘するよう指示された。でも黙秘を始めたら、逆に警察の追及が厳しくて。結局、心が折れて再び罪を認めた。弁護人は、『今からでも遅くないからまた黙秘しろ』と言う。でももう僕はコリゴリだったので、彼を解任し、新しく弁護人を二人選出してもらいました。

新しい弁護人には事の経緯を説明して、『僕は死刑を受け入れることに決めた。だから余計なことはしないでくれ』と伝えました。彼らも了承してくれた。ところがですよ! 今年の7月、彼らがいきなり『強制性交・殺人・強盗』の罪に関して、僕の同意なく勝手に罪を軽くするための準備を始めたんです。この裏切りには、正直すごくムカついてます」

法律をよく知っている

これまで、丁寧な言葉づかいで愛想よく、礼儀正しく振る舞っていた白石被告が、初めて負の感情を露(あらわ)にし始めた。

「僕は今の弁護人も解任したいのに、裁判所が却下するんです。でも、諦(あきら)めません。来週の公判前整理手続きでも、裁判所に解任を請求するつもりです。刑事訴訟法第38条の3の1の2によると、『被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき』には、裁判所は弁護人を解任できるんですから。今の弁護人は弁護士が守るべき『使命』にも違反している。弁護士の使命は、依頼人の『正当な利益を実現すること』なんですよ(『弁護士職務基本規程第22条』)。だから、僕には彼の解任を請求する権利がある」

刑事訴訟法や弁護士規程について相当勉強しているのか、白石被告は何も見ずにスラスラと自身の権利を主張する。

本誌は白石被告との「ケンカ別れ」に関し、初めに解任された国選弁護人に取材を申し入れたが、回答はなかった。

10時25分――接見時間が残り僅かになると、白石被告は思い出したように捲(まく)し立て始めた。

「あ! 時間が終わる前にいいですか!? 次回、面会に来てくださったら新しいメッセージを発信します。でもその代わり、事前に3万円を差し入れてください」

反省の色をまったく見せないばかりか、平然と自己中心的な要求をしてのける彼からは、もはや本心を読み取ることはできなかった。彼の様子について、精神科医の和田秀樹氏はこう指摘する。

「彼は精神分析の世界で言う『躁的防衛』の状態なのかもしれません。これは、躁状態になることで極度な不安を和らげる心理作用です。あるいは、すでに死を覚悟していたり、逮捕されて『殺人を続けてしまう自分から解放された』と安心し陽気になっていたりする可能性もある。いずれにせよ、彼なりに今の心境を正直に話しているように見受けられます」

白石被告の初公判は来年行われると見られている。彼が自らの行為を悔い改める日は来るのだろうか。

逮捕前の白石被告。ツイッター上で「首吊り士」を名乗り、自殺願望を持つ女性と知り合い次々殺害していった

 

’17年11月1日、死体遺棄容疑で送検される白石被告。過去には風俗のスカウトマンをしていたこともある
事件現場となった神奈川県座間市のアパート

『FRIDAY』2019年11月1日号より。

  • 撮影結束武郎撮影濱崎慎治

Photo Gallary4

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