韓国・文氏の融和政策に打撃 サッカーW杯予選“大乱闘の南北戦”

北朝鮮との融和政策を進める韓国の文在寅大統領がまたもやトラブルに直面している。大乱闘となったサッカー南北戦への対応を批判されているのだ。

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平壌で29年ぶりに行われたサッカー南北戦の画像。赤いユニフォームの北朝鮮人選手が白いユニフォームの韓国人選手を突き飛ばしている(大韓サッカー協会「公式You Tube」より)

文在寅政権に浮上した新たな難題

空中戦での激しい頭突き。足を狙った激しいスライディング。相手をなぎ倒すラグビーのようなタックル――。

10月15日に平壌「金日成スタジアム」で行われたサッカーW杯カタール大会(’22年)アジア予選、北朝鮮対韓国の試合は荒れに荒れた。北朝鮮選手はラフプレーの連続。両チーム入り乱れての、大乱闘まで起きたのだ。試合(0対0のドロー)が終わっても「あの暴力的なプレーはなんだ!」と相手を罵り合い、サッカーでは恒例となっているユニフォーム交換もなかった。

「異様なのは試合内容だけではありません。平壌では29年ぶりの南北戦で注目されましたが、5万人収容の金日成スタジアムには一人の観客もいなかったです。報道陣もすべて締め出し。グラウンド外でも、韓国人選手に対するイヤがらせは露骨でした。中国からの入国手続きに3時間もかかったうえ、携帯電話は北京の韓国大使館に置いておくよう指示された。宿泊先の高麗ホテルでは盗聴も行われていたとか。DFのクォン・ギョンウォンは韓国のサッカー専門サイトの取材に、こう答えています。『盗聴をされていたようです。ルームメイトのキム・ヨングォンとは会話の内容に気をつけました』」(韓国紙記者)

韓国主将のソン・フンミンは、「無事に帰国できただけでも奇跡だ」と発言。韓国各紙は「金正恩氏はスポーツを民族対決の場に変質させた」「攻撃的なプレーに怒りを覚える」と報じるなど、国内では不満が高まっている。非難の矛先は、文在寅大統領にも向けられた。

支持率が40%近くまで急落している文在寅大統領。日本に対しては新書を出し関係の修復を求めている

「最側近の曺国(チョ・グク)氏が法相辞任に追い込まれ、文氏の政権支持率は40%を割る可能性もあります。文氏にしてみれば南北融和を進め、少しでも支持層を固めたいところでしょう。そのため、今回の騒動でも北朝鮮への批判の言葉は口にしていない。不満を高める国民にとって、文氏は隣国の暴挙を黙って見ている不甲斐ないリーダーと映っているようです。政権への新たな打撃になりかねません」(前出・記者)

試合の動画を見た、『デイリーNKジャパン』編集長・高英起氏が語る。

「北朝鮮が暴力的なプレーをし数々のイヤがらせをしたのは、対立する韓国にどんな手段を使っても勝ちたかったからでしょう。万が一負けたら監督も選手も責任をとらされます。一方、融和政策を掲げる文氏としては『触りたくない問題』というのが本音でしょう。政策ばかりを重視し国民の意向を組み取らなければ、ますます信頼を失うことになります」

アジアサッカー連盟(AFC)は北朝鮮の対応に怒り、平壌で開催予定だったAFCカップ決勝戦を別の場所で行うことを決定した。だが自国選手が被害にあったにもかかわらず、文大統領は政策とのジレンマに陥り身動きできない状態にある。

  • 写真大韓サッカー協会「公式You Tube」より写真ロイター/アフロ

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