台風19号で壊滅被害 復旧の目途立たない「観光地」箱根の惨状

温泉供給はストップ、登山鉄道は寸断それでも復興の優先順位は低い観光地の苦悩

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台風で芦ノ湖の水位が上がり、足場の先端が湖に水没している「箱根神社・平和の鳥居」。今しか撮れない”インスタ映え”写真を撮るために外国人観光客が押し寄せて、撮影待ちの行列が

台風19号の影響は今も各地で続いているが、なかでも注目するべきは箱根の惨状だ。箱根登山鉄道が寸断、急遽代替バスを走らせているが、運転手が不足して悲鳴を上げているという。

「平地と違って山岳地帯は重機が入りにくい場所が多い。今回は山の斜面が崩落して線路を押し流しているので、法面(のりめん)(人工斜面)作製から復旧作業をしないといけない。それと地元の人には酷ですが、箱根登山鉄道は観光路線であって、復興における優先順位は低い。国の復旧予算配分でも比較的後回しにされる傾向があります」(鉄道評論家・川島令三氏)

源泉供給施設が壊れ、強羅、大涌谷などは温泉が使えない状態だ。芦ノ湖は溢れ、地下室を持っている旅館は皆、被害を受けた。湖畔にある旅館経営者が言う。

「芦ノ湖の水が溢れて湖畔はどこも被害が出ましたが、緊急放水でもっと早川に水を流していたら、湯本や塔ノ沢が壊滅的なことになったでしょうから、箱根町の判断を責める気はありません。

箱根は観光で売っている土地なので、役場は被災したと言いたがらない。イメージを優先するあまり情報を出し渋ると、復興が後回しにされてしまうのに……」

災害リスクマネジメントを専門とする立命館大学の高橋学教授が警告する。

「箱根は分厚い火山灰に覆われており、雨による地滑りが起きやすい。加えて芦ノ湖から流れ出る河川も早川1本しかありません。箱根地区の至るところから水が噴出していますが、この状態はしばらく続くでしょう。台風19号の大雨で土砂が崩れきってしまったのではなく、むしろ今回持ちこたえた所が、次に迫っている台風や低気圧で崩れる可能性もある」

さらなる警戒が必要だ。

10月21日、小涌園の敷地へと流れ落ちる大量の水。台風から1週間以上たっても、まだごらんの水量が
宮ノ下―小涌谷間の線路が土砂に押し流され、電線も寸断。すぐ脇を川が濁流となって流れており、復旧作業に手をつけることもできない

『FRIDAY』2019年11月8日号より

  • 撮影濱﨑慎治

Photo Gallary3

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