鈴木福くんがハマった5分で読める短編集がSNS時代に大人気

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SNS疲れ? 累計200万部突破の『5分後に意外な結末』シリーズの魅力とは

「普段読むのは出演作の台本と原作くらい。でも、そんな僕でもスラスラ読めて楽しめたのが、このシリーズなんです。小学生の頃に、友達が読んでいて知りました。学校の朝読書で読む人も多く、小中学生の間では有名な本です」

こう話してくれたのは、俳優の鈴木 福くん。実は普段はあまり本を読まないという。どちらかというと、読書は苦手な分野なのだとか。

そんな彼がおすすめだという『5分後に意外な結末』(学研プラス)、全5冊のシリーズ本が売れている。好評を受けて『5分後に意外な結末 ex』シリーズも出され、さらに短い短編集『5秒後に意外な結末』や『5億年後に意外な結末』なども登場。2万部売れるとベストセラーといわれるこのご時世に、シリーズ累計200万部超えという異常事態なのだ。

大人も意表をつかれるラストの「どんでん返し」がすごい!

『5分後シリーズ』はタイトル通り、5分程度で読み終わるショートショートを1冊に30話収録。オリジナル作品のほかに欧米の小話や都市伝説、落語、往年の名作などを翻案とし、いずれも読みやすくリライトされているが、全巻に共通するのが予想もつかない「意外な結末」。表紙はアニメを意識したイラストで、それぞれの内容はホラーやミステリー、ジョークなどに分類されている。

本来の読者対象は小学生〜中学生だが、意外にも大人のファンも多いという。一体この本の魅力はどこにあるのだろうか。児童書なのに大人も読む理由とは? 

ちなみに、最近読んだ本は出演映画の原作。「台本と並行して読んで初めて、“そういうことか!”とわかったり。説明書のようで、とても難しかったです」

『5分後シリーズ』最大の魅力はラストの意外性にあるが、どうやらこの本の魅力はそれだけではないらしい。

「笑ったり泣いたり、ほっこりした気持ちになったり、いろいろ考えさせられたり、5分間でいろんな気持ちになれる。結末を推理しながら読むのも面白いし、気に入ったタイトルから読み始めてもいいし、いろんな読み方ができると思います。ちょっと濁したような終わり方をしている話もあって、しばらく経ってから読み返してみると、1度目には気づかなかったオチの本当の意味がわかってゾワッとしたり」(鈴木 福くん 以下同) 

昨年、福くんは6人の著名人がお薦めの1冊をアピールする『ビブリオバトル☆スター決戦』(主催・読売新聞社、共催・紀伊國屋書店)に出場。そこでとりあげたのも同exシリーズの1冊、『エメラルドに輝く風景』だった。

「バトルに参加させていただくことになり、他の方々は大人の作品を取り上げるだろうと思ったので、より僕ら世代の意見として面白いのはどれかな、と探していたら、『5分後シリーズ』は大人も読んでいることがわかったので、これを選びました」 

大人たちと競い合っても充分に対抗できる児童書。大人はこの本を、どんなふうに読んでいるのだろうか。

「結末の意外性は大人でも楽しいし、『猿の手』とか『開いた窓』のように、小さい頃に読んだ話が入っているのも懐かしいんだと思います。『アンネの日記』を題材にした作品もあったりして、知っている人物が登場するのも魅力。あとは、子供から大人までいろんな世代が主人公になっているから、そんな意味でも、いろんな人に親しまれるんじゃないかなと思います」

『エメラルドに輝く風景』のなかで特に気に入った話は『オトナバー』と『ほんとうの望み』。「どちらもネタバレになるので、詳細は言えません!」

通勤電車でサクッと読める短時間読書法は、忙しい現代人にぴったり

福くんの推察は核心を突いている。紀伊國屋書店で「児童よみもの」を担当している佐藤満里奈さんに話を聞いてみた。

「水平思考クイズの『ウミガメのスープ』や、少し前に話題になった短編集『意味がわかると怖い話』、『54字の物語』などのように、シンプルな文面を解読して、その裏に隠された意味を読み取る、という文章読解の面白さが人気の要因かと思われます。

また、たとえば5巻収録のオー・ヘンリー『賢者のおくりもの』などは、文庫のほか絵本にもなっている有名な短編で、大人の方からのお問い合わせも多数ある作品です。 

皮肉めいたブラックな内容の話も多く収録されていたり、起承転結でいえば“起”と“結”の落差が大きく読後感が気持ち良いのも、大人のファンが多い理由ではないでしょうか」(紀伊國屋書店・佐藤満里奈さん 以下同)

ゲームやアプリ、SNSや動画サイトなど、楽しいコンテンツがすぐ手の届くところにあふれている今は、子供たちも忙しい。

「長い内容の本を読む時間を捻出することが難しい時代です。『5分後シリーズ』は“やること”と“やること”の間の時間で読み終わることができるので、忙しい現代っ子も手に取りやすいのだと思います」

それは大人たちも同様だ。腰を据えてじっくりと長編に取り組む読書も楽しいが、自分の生活時間に合わせ、読みたいときに読みたい話だけに目を通すのもまた、新しい読書スタイルといえるだろう。

電車に乗れば全員が下を向いて、スマホをスクロールしている現代。SNSをチェックしては「いいね」を機械的にクリックし、自らアップした投稿の評価に一喜一憂している大人にとっても、サクッと読めるこのシリーズは一服の清涼剤といえるかもしれない。

鈴木 福  2004年生まれ。東京都出身。2006年に芸能界デビュー。出演作品は『マルモのおきて』、『妖怪人間ベム』、『コドモ警察』、『一休さん』など多数。現在『二代目 和風総本家』にレギュラー出演中。2019年11月には映画『決算!忠臣蔵』(大石主税役)が公開予定。

  • 取材・文井出千昌撮影田中祐介

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