ラグビーW杯「兵、走る」「馬と鹿」 スポーツを熱くする名曲たち | FRIDAYデジタル

ラグビーW杯「兵、走る」「馬と鹿」 スポーツを熱くする名曲たち

サッカー、オリンピック、世界水泳…大会を盛り上げてきた数々のテーマソング

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9月20日に日本VSロシアの試合で幕を開けたラグビーW杯。1ヵ月以上にわたる激闘が、ついに閉幕の時を迎えようとしている。

本大会でブレイブ・ブロッサムズこと日本代表は、グループステージ4戦全勝で初のベスト8進出という快挙を成し遂げた。準々決勝で南アフリカに敗れたが、試合会場で、ファンゾーンで、そして自宅やバーのモニターの前で彼らの勇気ある前進を見続けてきた人々は、その雄姿を忘れることはないだろう。

準々決勝の南アフリカ戦、試合後に主将リーチマイケルは最後の円陣を組み、チームメートに「下向く必要はない、胸を張って」と声をかけた。日本中が彼らの快進撃に湧き、楕円球を追ったこの30日間はまさに“一生に一度”のものだった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
準々決勝の南アフリカ戦、試合後に主将リーチマイケルは最後の円陣を組み、チームメートに「下向く必要はない、胸を張って」と声をかけた。日本中が彼らの快進撃に湧き、楕円球を追ったこの30日間はまさに“一生に一度”のものだった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

そんな熱闘の日々を、最大限に盛り上げたのが音楽だ。

嵐の「BRAVE」(日本テレビ系列)、Little Glee Monsterの「ECHO」(NHK)。試合中継を彩ってきたこれらテレビ局のテーマソングの他、大正製薬とB’zがタッグを組んだCMソング「兵、走る(つわもの、はしる)」と、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主題歌だった米津玄師の「馬と鹿」。特に後述の2曲は試合会場でも印象的な場面でたびたび流れ、日本代表の姿を重ねて心震わせた人も多いはずだ。また、日本代表が歌う「ビクトリーロード」や、往年の名曲・麻倉未稀の「ヒーロー」も印象に残っている人は多いだろう。

思い返してみると、スポーツの熱狂と感動の傍らには最強のテーマソングの存在があった。思い出に残っている曲は人それぞれだろうが、スポーツの祭典を盛り上げてきた楽曲を振り返ってみたい。

サッカー

熱さはもちろんのこと、疾走感あふれる曲が多いサッカーの応援歌。2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会のNHKテーマソングだったSuperfly「タマシイレボリューション」の力強さは格別だ。W杯だけでなく、サッカー関連の番組やJリーグの中継などにも使われたので、この曲を聞くと自動的にサッカーを連想する人も多いのでは。

Mr.Childrenの桜井和寿とGAKU-MCによるユニット、ウカスカジーの「勝利の笑みを君と」や、オレンジレンジの「チャンピオーネ」、ポルノグラフィティの「Mugen」も印象が強い。また、2002年日韓ワールドカップのDragon Ash「FANTASISTA」(日本テレビ系列テーマソング)は、15年以上前に発表されたとは思えないほどスタイリッシュな楽曲だ。

オリンピック

シドニー五輪(2000年)女子マラソンで金メダルに輝いた高橋尚子選手。「Qちゃん」の愛称で親しまれた(写真:築田純/アフロスポーツ)
シドニー五輪(2000年)女子マラソンで金メダルに輝いた高橋尚子選手。「Qちゃん」の愛称で親しまれた(写真:築田純/アフロスポーツ)

「オリンピックの曲といえば?」と聞かれたら、大多数の人が思い浮かべるのがゆずの「栄光の架橋」だろう。2004年アテネオリンピックでのNHKテーマソングだが、アナウンサー刈屋富士雄氏による男子体操での名実況「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」を覚えている人は多いに違いない。

NHKの歴代五輪テーマソングは、2012年ロンドン五輪の「風が吹いている」(いきものがかり)、2008年北京五輪の「GIFT」(Mr.Childlen)、2002年ソルトレークシティ五輪の「果てなく続くストーリー」(MISIA)など、夏季・冬季あわせて名曲揃い。また、1996年アトランタ五輪の「熱くなれ」(大黒摩季)も、世代を超えて支持を得ている名曲だ。

民放各社のテーマソングを振り返ってみると、2006年トリノ五輪の「Triangle」(SMAP/テレビ朝日系列)、2004年アテネ五輪の「Hero」(嵐/日本テレビ系列)、2002年ソルトレークシティ五輪の「そうだ!We’re ALIVE」(モーニング娘。/TBS系列)、2000年シドニー五輪の「HEY!」(福山雅治/テレビ朝日系列)など。懐かしいところでいうと、1998年長野五輪の「湾岸スキーヤー」(少年隊/フジテレビ)だろうか。

また、平成世代にとっては2000年シドニー五輪でのJOC公式応援ソング、19(ジューク)の「水、陸、そら、無限大」と、女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手がスタート直前に聞いていたことで注目を集めたhitomi「LOVE2000」は外せない。後者は「劇空間プロ野球」のイメージソングにもなったので、野球のイメージが強い人も多いかもしれない。

来年の東京五輪ははたして誰がテーマソングを歌うのか? 今から楽しみだ。

水泳

世界水泳福岡2001大会で、出場した7種目のうち6種目で優勝したイアン・ソープ選手(オーストラリア)。当時史上最多となる6つの金メダルを獲得した(写真:ロイター/アフロ)
世界水泳福岡2001大会で、出場した7種目のうち6種目で優勝したイアン・ソープ選手(オーストラリア)。当時史上最多となる6つの金メダルを獲得した(写真:ロイター/アフロ)

水泳の曲といえば、ご存知B’zの「ultra soul」。世界水泳福岡2001大会の公式テーマソングとして起用され、その後2003年、2011年、2013年~2019年と長きにわたりテレビ中継で流れ続けてきたことにより、「水泳=ultra soul/B’z」のイメージがすっかり定着した。実は世界水泳だけでなく、パンパシフィック水泳選手権でもテーマソングになっている。

サビ終わりの「ハァイ!」の掛け声は今やファン以外にも浸透し、ライブやフェスでもお約束。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017に初出演した際には、ゴールデンボンバーやシシド・カフカ、空想委員会といった出演アーティストがこぞって同曲を演奏し、SNS上では「ウルトラソウルのフリー素材化」というパワーワードが生まれた。世代を超えて愛されている曲ならではの逸話である。

「兵、走る」では、力強い曲調もさることながら、その歌詞の良さが多くの人の心を掴んだB’z。元プロ野球選手の黒田博樹投手がメジャーから8年ぶりに広島東洋カープに復帰した際、登場曲として書き下ろされた「RED」など、アスリートのストイックさと闘志を書くのが稲葉浩志は抜群に上手い。2018年にデビュー30周年という節目の年を迎えたB’zだが、31年間走り続けてきた彼らが歌ってこその「ゴールはここじゃない」だと思うと、「兵、走る」はまた違った聴こえ方になってくるはずだ。

ここに上げた曲はスポーツ応援ソングのほんの一部。これ以外にも、あなたにとっての最強の一曲があるはずだ。懐かしのあの曲から最新の曲まで、アガるプレイリストを組んでみるのも楽しいかもしれない。

  • 取材・文大門磨央

    石川県出身。雑誌やWEBを中心に漫画、アニメ、映画などのコラムを執筆中

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