女子フィギュア４回転ジャンパーのトゥルソワはプードルおねだり中

 

「この日をずっと待っていました。私にとって1年目なので、既に何年もシニアで出場している選手ほど大変ではありません。だからこんなに落ち着いているんです」

フィギュアスケート・グランプリシリーズの第２戦カナダ大会が、10月25日～27日に行われた。ロシア出身で、今季シニアに上がったばかりの15歳、アレクサンドラ・トゥルソワのデビューは世界に衝撃を与えた。男子でも難しいとされる、フリーで３本の４回転ジャンプを成功させたのだ。

「彼女はロシアの名将であるエテリ・トゥトベリーゼコーチに師事しています。同門には平昌五輪で金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手がいますね。トゥルソワ選手はジュニアから上がりたてで、滑りにまだ荒い部分もあります。ただ、４回転ジャンプを複数本跳べるというのはかなりのアドバンテージ。すでに、今年の世界女王候補の１人として名前が挙がっています」（スケート連盟関係者）

トリプルアクセルを跳ぶ日本の女王・紀平梨花がショートプログラムでは先行したが、フリーで大幅な追い上げに成功し、優勝したトゥルソワ。今シーズンは、この逆転劇を何度も目撃することになる可能性が高いだろう。

「紀平選手の武器・トリプルアクセルは成功率が高いうえ、トゥルソワさんは今現在、トリプルアクセルを試合では跳んでいません。さらに国際スケート連盟のルールでは、ショートプログラムで４回転ジャンプを跳ぶことが認められておらず、トゥルソワ選手は出遅れてしまうのです。そのぶんフリーでは、彼女の武器である４回転ジャンプで挽回する。そんな熱戦が繰り広げられることでしょう」（スポーツ紙記者）

４回転を軽々と決めるトゥルソワを評価しているのが、絶対王者の羽生結弦。彼もカナダ大会に出場しており、試合後の会見ではトゥルソワを含むロシア女子の４回転ジャンパーたちにこう賛辞を送っている。

「彼女たちはジャンプを跳ぶためのパワーがそれほどあるわけではありませんから、僕は彼女たちからそのメソッドを学びたいですし、彼女たちを見るのが楽しみなんです。とてもリスペクトしています」

試合中は髪の毛をお団子に引っ詰めていることが多いトゥルソワだが、髪の毛は母が毎回セットしてくれるのだという。試合後のメダル授与式などでは、髪の毛をほどいているが、その長さにも注目が集まっている。

「彼女は幼いころに観たディズニープリンセスの『ラプンツェル』に憧れて、髪の毛を切ったことがないそうなんです。傷んだ部分や毛先をそろえるためにわずかにカットしたことがある程度で、その髪の毛はお尻の下あたりまで伸びています」（スポーツライター）

その長い髪を白と黒のツートンカラーに染めて、アイスショーに臨んだこともあるという。髪の毛をまとめるなど、献身的にトゥルソワを支えている母は、かつて陸上選手だった。

「トゥルソワさんを出産する際に現役を離れたとのこと。実はお父さんは柔道とサンボという格闘技の達人。彼女は下に２人弟がいて、上の弟さんも柔道を始めたようです。お姫さまに憧れを抱く彼女ですが、男兄弟がいるためか性格は男前。かわいい外見に似合わない鋭い目つきで難易度の高い技を繰り出すことから、SNSでは“トゥルソワ先輩”と呼ばれています。アイスショーの『Dream on Ice 2019』で共演した日本のスケーター・白岩優奈さんも、Instagramで“トゥルソワ先輩”と紹介していました」（同・スポーツライター）

彼女は’13年に愛犬のティナ（チワワ）を飼い始め、トレーニング場に連れて歩くほど溺愛している。ティナ名義のInstagramも開設し、ツーショットをたびたび投稿しているが、その出会いはスケートでの“ごほうび”がきっかけだった。

「トゥルソワ選手が初めてダブルアクセルに成功した際のご褒美として、ご両親から送られたそうです。とてもうれしかったようで、練習場や試合会場のみならず、表彰式を行うリンクの上にも連れてきたことがあるそうですよ（笑）。実は今、トリプルアクセルを試合で成功させることを条件に、お母さんにプードルをおねだりしているんだそうですよ」（スケート連盟関係者）

彼女がチワワとプードルを連れて試合会場に現れるようになったら、それは“鬼に金棒”状態なのかも!?