IS最高指導者・バグダディ容疑者、米軍特殊部隊の急襲で爆死! | FRIDAYデジタル

IS最高指導者・バグダディ容疑者、米軍特殊部隊の急襲で爆死!

それでもISによるテロはなくならない、その理由

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バグダディ容疑者が急襲され爆死した、シリア北西部の現場。軍用犬による攻撃の他、銃撃戦も行われたという
バグダディ容疑者が急襲され爆死した、シリア北西部の現場。軍用犬による攻撃の他、銃撃戦も行われたという

「バグダディ容疑者を追い詰めたのは、米陸軍の中でも対テロ作戦を専門に扱う特殊部隊『デルタフォース』です。今回行われた軍用犬による攻撃は、イラク戦争時に人的被害を減らす目的で編み出された米軍発のやり方。まず潜伏先に軍用犬が突入し、バグダディ容疑者の居場所を突き止めたのだと考えられます」(国際政治アナリスト・菅原出(いずる)氏)

10月27日、トランプ米大統領(73)は、イスラム国(IS)の最高指導者・バグダディ容疑者(享年48)が米軍特殊部隊の作戦によって死亡したと発表した。

シリア北西部の小さな村で、少数の見張りや家族とともにひっそり潜伏していたところを急襲されたバグダディ容疑者。「史上最悪のテロ組織」ISの指導者の最期は、米軍による「なぶり殺し」とも言えるほど、一方的なものだった――。

「バグダディは、イラクのバグダードにある大学のイスラム学科で、コーラン解釈学の博士号を取得しています。ISでは博士号まで持っているイスラム学者が少ないので、彼は戦闘員たちから尊敬を集め、最高指導者まで登りつめたのです」(イスラム法学者の中田考氏)

作戦の翌日、トランプ大統領が会見で語ったバグダディ容疑者の最期はこうだ。

まず、米軍特殊部隊を乗せた「8機のヘリコプターが着陸」し、「建物の側面を吹き飛ばして穴を開け」た。次に「軍用犬で行き止まりまでバグダディ容疑者を追い詰め」ると、最後は容疑者自ら、3人の子供を道連れに自爆ベストで爆死。容疑者は「バラバラになった」という。

「今回使用されたのは、おそらくベルジアン・マリノアという犬種で、アメリカや欧州の特殊部隊で使われています。戦闘や突入に特化しており、攻撃的な性格はジャーマン・シェパードなどの比ではありません。アラブ人男性の体臭に反応するよう訓練されており、確実に対象を識別します」(報道カメラマン・横田徹氏)

だが、米軍の急襲作戦によってバグダディ容疑者が死亡したからといって、世界からテロが無くなるわけではない。

「ISは『サラフィー・ジハード主義』というイスラム教の思想を持った人々の寄せ集め。そのため、もともと統率はとれておらず、ゲリラ的に行動を起こせるところが強みでもあった。最高指導者も名目的なもので、バグダディがいようといなかろうと、ISには何の変化もありません」(前出・中田氏)

憎悪の連鎖を断ち切る英知はないのだろうか――。

今年4月に公開されたバグダディ容疑者とされる映像より。彼が爆死した後、DNA鑑定で本人だと特定された
今年4月に公開されたバグダディ容疑者とされる映像より。彼が爆死した後、DNA鑑定で本人だと特定された
10月28日、トランプ大統領は急襲作戦中に負傷した軍用犬の写真を、自身のツイッター上で公開した
10月28日、トランプ大統領は急襲作戦中に負傷した軍用犬の写真を、自身のツイッター上で公開した

『FRIDAY』2019年11月15日号より

  • 写真時事通信社

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