名作揃いと話題沸騰!「秋ドラマ」のロケ現場&撮影裏話一挙公開
『オレの話は長い』(生田斗真)、『グランメゾン東京』(木村拓哉)、『G線上のあなたと私』(波瑠)、『同期のサクラ』(高畑充希)ほか
波瑠&中川大志の美形コンビが海老名に登場

10月下旬のある朝―JR海老名駅(神奈川県)と小田急・海老名駅をつなぎ、海老名中央公園まで伸びる「自由通路」の上で波瑠(はる)(28)が佇(たたず)んでいた。
特徴的な大きな瞳はメガネで隠れているのだが、女優オーラは隠せず、すでに数名の野次馬が集まっている。聞けば、ドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)の撮りが海老名で行われているとネットで話題になっているという。
波瑠の役どころは寿退職直前に婚約破棄されたOL。失意の中、たまたま「G線上のアリア」を耳にしたことをキッカケにバイオリン教室に通い始め、そこで中川大志(21)演じるイケメン大学生と出会って……というストーリーだ。
「音楽に興味がないと観ていてつらいかも。年下のイケメンとの恋を夢見る主婦層にはハマるかもしれませんが」(ドラマウォッチャーの北川昌弘氏)
初回こそ、7.8%と厳しい数字だったが、波瑠の透明感が話題となり、2回目で1%アップに成功。ファンの海老名通いはしばらく続きそうだ。
中目黒の川沿いでは、阿部寛(55)が佇んでいる場面に遭遇。小雨の影響か、撮影は何度も中断したが、阿部は集中力を切らすことなく深夜まで演じきった。

「’06年に放送された『結婚できない男』(フジテレビ系)の続編、『まだ結婚できない男』の撮影です。彼の出世作だけに気合が入っている」(芸能プロ幹部)
ひとたびヒットすれば映画化、続編と展開していくのが現在のトレンド。そのスパンは1〜2年と短いが、『まだ結婚できない男』は13年も空いている。
「主演の阿部のほか、尾美としのり、三浦理恵子、不破万作ら、脇を固める俳優たちが空白を感じさせない演技をみせている。特筆すべきは主人公の母親役を好演する草笛光子。前作で73歳だった彼女は86歳になりました!」(放送作家)
だが、「変わらない」ことはマイナス点にもなり得る。放送作家が続ける。
「前作で視聴者に衝撃を与えた”ひとり焼き肉”もいまでは普通。SNSが普及した影響でドラマ以上にインパクトのある独身男性ライフが認知されてしまい、前作ほどのパンチ力はないですね」
今期、なりふり構わず数字を取りに行っているのがテレビ朝日だ。
「秋ドラマは季節的に視聴者の在宅率が高く、クリスマス前に最終回を迎えるため、年末商戦にも影響があるとして、年間を通して最も視聴率を要求されるクール」(キー局プロデューサー)
とあって、各局が力を入れるのだが、テレ朝は『相棒』、『ドクターX』など、全5枠に人気シリーズを投入した。「もう、大門未知子はいいでしょ」と渋る米倉涼子(44)を2年越しで説得。最後は早河洋会長(75)まで出馬したという。
失敗しない女VS.失敗しない男
「失敗しない女」米倉に対抗すべく、TBSが用意したのが『グランメゾン東京』の木村拓哉(46)だ。4枚目の写真は10月下旬、お台場近くで撮影に臨んでいた『Kis−My−Ft2』の玉森裕太(29)。玉森演じる若手シェフ・平古が白いスポーツカーで颯爽(さっそう)と登場。婚約者役の朝倉あき(28)と話し込む――というシーンである。だが、肝心のキムタクは一向に現れない。番組関係者によれば、「厳戒態勢が敷かれているのでご尊顔はまず拝めないよ」とのことだった。
キムタクが扮するのは天才シェフ。初回からフランスロケが展開され、ヒロインの鈴木京香(51)のほか、及川光博(50)、沢村一樹(52)と、玉森が目立たないほど脇も豪華だ。前出の放送作家が言う。
「ヒロインがキムタクより年上なのは’98年の『眠れる森』(フジ系)の中山美穂以来。脇役陣も年上ばかりです。ここ数年、周囲がキムタクの加齢を気にするあまり、妙なイメチェンを施したりと、どこかチグハグでしたが、今作では黄金期のふてぶてしいキムタクが戻ってきている。『年寄りシェフばかりで新しい店を立ち上げるなんて非現実的』というツッコミもあるでしょうが、そこは目を瞑(つむ)って復活したキムタクを見てほしいですね」
本人もかつてないほど番宣に協力的。TBSは動画配信サービス『パラビ』に過去のキムタク主演作を提供するなど、文字通り総がかりで大ヒットを祈願したが、思わぬ強敵が立ちはだかった。
「ラグビーW杯ですよ。ドラマの初回と日本VS.南アフリカ戦が被ってしまった。正直、シングル(視聴率1ケタ)も覚悟しましたが、日本シリーズ中継が延びて、放送開始時間が押したのです。結果、無事に2ケタ(12.4%)を獲得。『キムタクは持ってるな』と幹部連中は胸をなでおろしていました」(TBS関係者)
気合が入りまくる先輩をよそに、後輩の生田斗真(35)は足立区の神社でスタッフとリラックスした時を過ごしていた。生田主演の姉弟ゲンカドラマ『俺の話は長い』(日本テレビ系)は業界内人気が高い。
「生田は31歳のニートで口喧嘩は絶対に負けないという役どころなのですが、彼の屁理屈はなぜかニヤリとしてしまう。不愉快にならないのです」(ライター・大山くまお氏)
テレビのメイン視聴者層であるアラフォー女性たちにも刺さっている。
「生田の姉を小池栄子が演じているんですが、彼女と生田の掛け合いが絶妙。とにかく小池が憎たらしい(笑)。ただ難癖をつけているようで、セリフにエッジが効いている」(ウォッチャー・吉井和美氏)
その『俺の話は長い』を抑え、一番の異色作と言われているのが高畑充希(27)主演の『同期のサクラ』(日テレ系)だ。
「夢と理想を掲げ、空気を読まずに、どんな社会的地位がある相手にも一切、忖度(そんたく)をしないサクラ。彼女と同期入社の仲間たちの友情物語です。’09年から’19年までの10年間を回想しながら全10話で描かれるのですが、この間、忖度だらけの世の中になってしまった。無表情で真っ直ぐな目をしたサクラがどんな戦いを強いられるのかが見もの」(大山氏)
己の信念のもとに突っ走るゆえ、サクラは周囲とたびたび衝突する。
「不器用で正論バカで観ていてイライラするんですが、いつの間にか涙が出ている。そんな不思議な作品です。実は第1話で10年後にサクラが意識不明の重体に陥ることが描かれている。それが頭にあるから、心を掻(か)きむしられるんでしょうか。『女王の教室』や『家政婦のミタ』など、当たれば大ホームランと言われる遊川和彦が脚本を担当しているだけに、今後の展開が楽しみです」(吉井氏)
ロケ現場に思いを馳せつつドラマを観れば、ふだんの数倍楽しめるに違いない。
中目黒で目立ちまくっていた阿部寛

『キスマイ』玉森はお台場で美女と熱演


“ニート”生田がゆるりと下町訪問

高畑&橋本「美人すぎる同期」のオフショット







撮影:近藤裕介(1・2枚目) ︎田中俊勝(阿部) 近藤裕介(玉森) 野中 裕(高畑) 山田宏次郎(木村) 足立百合