LINEスタンプに台風災害、タピオカ…暴力団の“新たな収入源”

暴力団の収入源が多様化している。以前のように組名を名乗りミカジメ料をとることはほとんどない。タピオカに民泊、シラスウナギ……暴力団の最新シノギ事情をレポートする

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日本の繁華街には今でも暴力団の息のかかった飲み屋や風俗店が多い。だが若者が利用するようなオシャレな店でも彼らの影響力は及んでいるのだ

タピオカ、シラスウナギ、民泊……多様化するシノギ

「恐喝で逮捕された40代の住吉会系三次団体の組員が、LINEスタンプを販売していたことがわかり“新たなシノギ(暴力団の収入源)”と話題になりました。スタンプは、短髪の男の額に『アニキと一緒です』『若いのを行かせます』などと書かれてあった。暴力団の会話を想定したのでしょう。組員はスタンプを600円で売っていたそうです」

こう話すのは暴力団を精力的に取材する、フリーライターの鈴木智彦氏だ。

暴力団排除条例などの影響で、暴力団は以前のようにミカジメ料の徴収や風俗店経営が容易にできなくなった。そのため新たなシノギを模索。鈴木氏は、若者の間で流行する「タピオカドリンク」も新たなシノギになっていることを暴いている。

「私が知っている暴力団経営のタピオカドリンク店は、JR山手線某駅に近い繁華街にあります。店構えはオシャレで、客も暴力団が経営しているとは知らずに買っているのでしょう。働いている店員も、自分が暴力団のフロント企業でアルバイトしているとは思っていない。暴力団が目をつけた理由は原価の安さです。タピオカはデンプンでデキていますが、1杯に20gほど入れて約6円。売値は500円ほどで、ストローや容器代などを入れても原価は1割です。飲食店の平均原価は3割なので、儲け率の高さがわかります」

鈴木氏によると、その店は「タピオカ増量無料」をウリにしているという。客は大喜びだが、原価の高いドリンクの紅茶を減らせるので店はより儲かるのだ。

今年は台風や突風など災害が多かった。暴力団は、自然災害もシノギの好機と考える。

「台風で自宅の屋根が破損したとするでしょう。高齢者の方など、中には災害保険で修復費用が補填されることを知らない人もいる。そこに暴力団は近寄ります。保険会社との間をとりもち、中抜きをする。例えば保険会社から100万円がおりれば、仲介料として50万円を懐に入れてしまうんです」(鈴木氏)

来年開催される東京五輪で多く来日する、外国人観光客を見込んだシノギもある。鈴木氏が続ける。

「民泊に食い込んでいるんですよ。日本人女性を抱きたいと考えている外国人も、多くいるでしょう。風俗店は取り締まりが厳しいですが、民泊と売春をセットにしたらおいしい商売になりますから」

シラスウナギやナマコなども重要な資金源だ。

「絶滅危惧だとか希少だとかマスコミで煽られるほど、暴力団としては旨味の多いシノギになります。値段が高騰し、それだけ実入りが大きくなりますからね。国内でウナギの稚魚であるシラスウナギが減っているのは事実でしょうが、最大の生産元である台湾から香港を経由して密輸されているという実態もある。逆に中国で人気のあるナマコが、日本から密かに輸出されています。暴力団は儲かることならなんでもやる。警察も目を光らせていますが、新しいシノギはどんどんデキているんです」(鈴木氏)

もはや暴力団が堂々と組名を名乗り、カネを要求することはない。シノギは巧妙化、多様化しているのだ。

  • 写真ロイター/アフロ

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