実家のゴミが宝の山に! 40~50代がフリマアプリで稼ぐ方法

子ども時代のファミコンやウォークマン、国産ウイスキーの空き瓶までがお金に!

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フリマアプリのメルカリは’13年のサービス開始以降、累計取引件数が5億件を突破している。ヤフオクを運営するヤフーもPayPayフリマを開始した

ラグビーワールドカップ(W杯)に日本列島が沸いていた同じ頃、X氏も熱い戦いに身を投じていた。世界各国から訪れた有名ラグビー選手たちにユニフォームやラグビーボールを渡し、そこにサインを書き込んでもらっていたのだ。X氏自身はラグビーに特別な思い入れはない。では、なぜサインをねだっていたのか――。ネットオークションの『ヤフオク!』やフリマアプリの『メルカリ』で販売するためだ。X氏が明かす。

「W杯が始まる直前に、各国から選手たちが来日しだしたので、『これは狙い目だ』と思って、サインを集め始めました。代表選手のスケジュールをチェックし、宿泊先や練習場所の情報を集め、出待ちしてサインをしてもらうのです。私が売ったサインの中で一番高く売れたのは、ニュージーランド代表のオールブラックスの選手たちに寄せ書きをしてもらったユニフォームです。15~20人分のサインを集めて、1着15万円でした。

基本的にサインを転売するときはヤフオクを使います。こちらのほうが高く売れるので。そして売れ残ったサインはメルカリで安く売ります。その結果、3週間で100万円を稼ぎました。

世間ではこうした『転売』を非難する声も聞かれますが、私は誇りを持って売っていますよ。好きな選手のサインが、本当に欲しい人に渡っているのならいいのではないでしょうか」

いま、日本人の「買い物」が大きく変貌している。これまでは実店舗やネットショップで、決められた価格で商品を購入するのが一般的だった。しかし、いまではネットを通じて利用者が自分の好きな価格で私物を売買するのがトレンドになっている。先鞭をつけたのは購入希望者が値段を競り合う仕組みのヤフオクだったが、利用者同士がやり取りして自由に価格を決めるフリーマーケットのようなメルカリやラクマといったアプリが市場を席巻している。『メルカリの達人!』著者の泉澤義明氏が解説する。

「スマホ1台あれば、誰でもすぐに始めることができ、身の回りの要らないものが本当に売れます。自分にとっては必要のないものが、他の誰かにとってはおカネを払ってでも手に入れたい価値のあるものになるのです。たとえば、ラグビーW杯で南アフリカが優勝して号外が出ました。東京ではラグビーに興味がなくても、銀座や有楽町をウロウロしていれば、タダで手に入りますよね。しかし、その日、外出できなかった熱狂的なラグビーファンは手に入れられない。そのためヤフオクやメルカリで売れるのです。

いまの季節で言えば、林で拾ってきた松ぼっくりも売れます。50個が980円で出品され、実際に売れています。松ぼっくりをメルカリで購入し、飾り用のリースにして2500円で売っている人もいます。ちょっとしたアイデアと技術があれば、月に5万円は稼げます」

メルカリは「『捨てる』をなくす」ことを会社のスローガンに掲げており、実際に日本人の消費意識を変えつつある。消費生活評論家の岩田昭男氏はこう話す。

「フリマアプリは、これまではただ捨ててしまっていたものも、もしかしたら売れるかもという発想を根付かせました。ベビーカーや子供服などは大きくなれば要らなくなり、下に子供が生まれなければ知り合いにあげる程度でした。リサイクルショップに売っても、二束三文ですし、タンスの肥やしにしても仕方がないので、捨てる家庭も多かったでしょう。しかし、フリマアプリなら、それが売れておカネになり、ちょっと贅沢ができる。そのうえ、購入者から『思ったよりもキレイです』などとメッセージが来れば、承認欲求も満たされます。メルカリのアプリは8000万超ダウンロードされていますが、それも納得です」

実家のゴミが「宝の山」

自宅のガラクタがそれなりの金額で売れるのは衝撃的だが、実際に取引が成立している。前出の泉澤氏が言う。

「40~50代の男性であれば、実家に学生時代に遊んだファミコンや当時聞いていたウォークマンなどがあると思います。親からは『早く捨てなさい』と怒られているかもしれませんが、これが宝の山なんです。カセットのウォークマンは、若い人は生まれていない時代のものなので新鮮に映るのでしょう。

私も驚いたのは、ウイスキーの空き瓶です。『響21年』と『山崎18年』のセットが4400円で売られていました。ゴミが小遣いに換わることの実例です」

他にも、家電の説明書や箱も売れる。これらは、家電を売りたいけれど、あれば高値がつく箱や説明書を捨ててしまった人にとってニーズがあるのだ。正規で買うと高くつく、アダプターやケーブルといった付属品も需要がある。

もちろん、ガラクタだけではなく、冒頭のサイン入りユニフォームのように、希少性が高いものには高値がつく。ITジャーナリストの三上洋氏が言う。

「ものすごくレアなものだけでなく、たとえば、飛行機の中だけで買える機内販売限定の商品や車の販売店でしかもらえないカタログ、博物館や美術館でしか買えない限定アイテム、高級ホテルのアメニティグッズなど、そこに行かないと手に入らないものは買った値段よりも高値で売れます」

漫画家のやくみつる氏はヤフオクの愛用者だ。趣味のミニカー収集を、ヤフオクを通じて行っている。やく氏が語る。

「小学生の頃、英国のマッチボックスのミニカーを集めていたのですが、散逸してしまい、大人になってから集め直しています。ヤフオクで集めだしたら、またたく間に回収できました。いまは小学生のときに入手できなかったミニカーに手を出しているところです。

|狙い目はまとめて出品している商品です。あまりミニカーに詳しくない人が〈実家にあった子供のときに遊んだミニカーです〉などと何十台とまとめて出品し、そのなかにとんでもないお宝が混じっていたことがあります。英国で7500ポンド(約100万円)の価格がついたミニカーで、それが無造作に混ざっていました。ヤフオクの魅力は、お宝が混ざっていることがたまにあること。他のマニアも気づいたようですが、最終的に私が10万円で落札しました。ヤフオクはオークションなので、入札が重なってくると興奮してくる。競り合っているときは人格が変わります(笑)。私は売る側には回りませんが、逸品を見つけて安く仕入れ、うまく売れば儲けることもできますね」

売る側にとっても、要らないものが思わぬ高値で売れてハッピーなのだ。

撮影はスマホで十分

少しでも高く売るためにはテクニックが必要だ。前出の三上氏が指南する。

「メルカリの場合、出品した商品のうち、約半分は24時間以内に売れてしまいます。2日以内に売れない商品の場合は、価格、写真、商品の説明の3つのうち、どれかに問題があると思ったほうがいい。まずは価格ですが、メルカリには相場を調べるツールがないので、ヤフオクなどのサイトを参考にしてください。

その際には、『送料込み』の値段にすることが重要です。買った人がおトクに感じるため、圧倒的に送料込みの商品のほうが売れます。また、送料込みにしていても、値引き交渉はされるので、あらかじめ10%くらいは値引きしても構わない額にしておくと、気がラクです」

一般的な送料はA4サイズの小型便なら全国一律で190円程度、小型~中型サイズなら全国一律で380円程度だ。

ネット上でやり取りをしたとはいえ、見知らぬ人に住所を知られることに抵抗がある人には「匿名配送」がある。これは、コンビニや郵便局で発送する際、伝票に住所は記載せず、バーコードを読み取るだけで運送会社にのみ発送元と発送先の住所が伝えられる仕組みだ。自宅を知られず、安全に荷物の受け渡しができると評判だ。

「商品の写真は、たとえ下手でも自分で撮ることも重要です。同じ商品だからといって、ネットで拾ってきた画像を使うのは避けてください。きちんと自分の手元にあることをアピールしなければいけません。背景は白でも黒でも構わないので、とにかくシンプルに。机の縁が写っているのも避けたい。商品に傷や汚れがあるなら、そこも正直に撮りましょう。ただし、いいカメラである必要はなく、スマホで十分です」(三上氏)

出品するタイミングも重要だ。主婦が買うものなら、平日の昼。男性が買うものなら、週末の夜に出品したほうが「新しい商品」として多くの人に見られる可能性が高い。

『はじめてのメルカリの使い方』著者の桑名由美氏はこんな使い方も紹介する。

「メルカリには大型らくらくメルカリ便というサービスもあり、梱包・搬出・配送・搬入・開梱設置・資材回収など、すべてやってくれます。テレビや冷蔵庫、洗濯機などはある程度使ったら、壊れる前に出品し、売れたおカネで買い換えるのがおすすめです。ただ捨てるだけだと処分するのに費用がかかりますし、引き取り場所に持って行くよりもラクです」

賢く使って、要らない物を捨てるだけのライフスタイルから脱却しよう。

『FRIDAY』2019年11月22日号より

  • 写真アフロ、時事

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