北朝鮮に配慮か 韓国・文在寅政権「脱北者の大量被ばく隠蔽」報道

韓国で重大な疑惑が浮上している。文在寅大統領が脱北者の大量被ばくを隠蔽していたというのだ。文大統領はなぜ調査結果を公表しなかったのか。南北関係の深層に迫る

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北朝鮮北東部・豊渓里の地下核実験場へ通じる坑道を守る朝鮮人民軍の兵士。周囲の放射線量は非常に高く、生殖器がない赤ん坊が生まれるなど奇妙なコトが相次いでいるという

「統一省は(核実験場のある)北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)出身の脱北者を中心に、累計被ばく線量の調査を行った。だが結果は公表されず隠蔽されたおそれがある」

先月、韓国の「朝鮮日報」が衝撃的なニュースを報じた。文在寅政権が、核実験場近くに住んでいた脱北者が大量被ばくしていた事実を、1年以上隠していというのだ。朝鮮日報によると、韓国統一省が昨年9月に豊渓里からの脱北者10人の被ばく線量を調査したところ、5人が異常な数値を計測。なかでも核実験場から23km離れた村に住んでいた48歳の女性からは、1386ミリシーベルトという超高線量を検出したのだ(原発作業員の年間被ばく量の上限は50ミリシーベルト)。

韓国科学技術院のチョン・ヨンフン教授は、同紙の取材にこう答えている。

「1000ミリシーベル以上の数値は、通常の生活を送る人間から出ることなどありえない。生きているのが不思議なレベルです。かつて米国がネバダ州で核実験を行った時でさえ、これほど高い数値は報告されていません」

昨年3月に韓国の民間団体『北朝鮮人権第三の道』が作成した報告書には、北朝鮮の核実験に関する生々しいレポートが掲載されている。

〈豊渓里では’06年から6回にわたり核実験が行われた。核実験の日時は一般住民には知らされず、軍や政府関係者の家族だけが安全な坑道に退避させられたのだ。豊渓里から脱北したリ・ジョンファ氏は、米国のニュース番組でこう語っている。「私たちが“鬼神病”と呼んだ病で多くの人が死にました。顔が異常に腫れあがり、紫色になった皮膚はウロコのようになって剥け落ち、歯はすべて抜けていく……。激しい頭痛と嘔吐を繰り返し、40歳まで生きられる人はほとんどいませんでした。生殖器や肛門がないなど、性別不能な障害児もたくさん生まれました」〉

韓国統一省は被ばく隠蔽疑惑”に対し「高線量の原因が不明なので公表しなかった」と、苦しまぎれの説明をしている。朝鮮半島情勢に詳しい、『デイリーNHジャパン』の高英起(コ・ヨンギ)編集長が語る。

「南北対話をなんとか進展させたい文大統領は、北朝鮮にとって都合の悪い情報を発表したくなかったのでしょう。しかし豊渓里の核実験場は韓国にも比較的近い。自分の政策を優先するあまり北朝鮮におもねっては、自国民を危機にさらすことにもなるんです。豊渓里近くには政治犯収容所『16号管理所』もあります。収容所の警備兵出身の脱北者・安明哲(アン・ミョンチョル)氏は『若い政治犯はトラックに乗せられ核実験施設につれて行かれた。防護服もなしに強制労働させられた』と証言している。人命が信じられないほど軽んじられているんです。文大統領の態度は、こうした人権侵害の横行を見て見ぬフリをしていることにもなりかねません」

南北間の“不都合な真実”が、権力者の都合で闇にほうむられようとしている。

  • 写真AFP/アフロ

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