織田信成がモラハラで涙“関大のハマコー”濱田美栄コーチの実力
《リンク上で突然、怒鳴られたり、また違う話し合いの場では意見を否定され続け、私を傷つける言葉も言われました》
11月18日、プロフィギュアスケーターで解説者も務める織田信成が、モラルハラスメントを受けて関西大学スケート部の監督を辞任するまで追い込まれたとして、同大学の濱田美栄コーチを相手取って、1100万円の損害賠償を請求した。織田のブログには、上記のような生々しい告発が掲載されている。
「現在、フィギュアスケートはグランプリシリーズの真っただ中。選手にとってはもっとも大事な時期です。まして、今週末は濱田コーチの教え子で日本女子でもトップクラスの実力を持つ紀平梨花選手が札幌で行われるNHK杯に出場する予定です。そのため、なにもこのタイミングで提訴しなくても……という声が多く上がっています」(スポーツ紙記者)
先週末に行われたグランプリシリーズ第5戦のロステレコム杯(ロシア)には、濱田氏の教え子である宮原知子が出場していたが、得点が発表される『キス&クライ』に濱田氏の姿はなかった。同日に行われていた横浜の全日本ジュニア選手権の会場にもいなかったので、ファンは濱田氏がどの試合にも帯同していないことに首をひねっていたという。
今回のモラハラ騒動で織田が矛先を向けたのは、関西大学ではなく濱田コーチだった。彼女は平昌五輪に出場した宮原やトリプルアクセルを武器に世界と戦う紀平など、優秀な選手を育て上げている。その指導方法を知るフィギュア関係者は語る。
「優しくするだけが指導ではない、と濱田コーチがよくおっしゃっています。厳しく言って聞かせることももちろんありますが、基本的に練習を頑張る選手には優しい印象です。サボっている子には厳しく……、というように、ごく当たり前なコーチという印象です」
たしかに試合前、教え子たちと額を合わせて声をかけ、リンクへと送り出す様子を見ていると優しい印象を持つ。しかし、ある関大関係者は声を潜めてこのように語る。
「指導の一環でしょうが、声を荒げることはありました。それが合わない選手もいたのではないでしょうか。また、指導している選手がたくさんいますし、“できない人”に対しては、手厚く指導するわけではないようです。そのことに対して、親御さんが“見限られた”と憤慨している様子も見られましたよ。濱田コーチのことをよく思わない人は、ウラで“ハマコー”というあだ名で呼んでいましたね。彼女の指導法に疑問を持った選手が、同じ関大の別派閥に移ることもありました。“お気に入りの子ばかりかわいがって、自分はちゃんと指導してもらっていない”と不満を漏らす子がいたのは事実です」
近年、本田太一や真凜、紗来の“本田きょうだい”は、濱田氏の元を去って海外のコーチに師事。日本で練習する際は同じ関大の本田武史コーチに指導を仰いでいる。
一方で、濱田氏を頼って来日する選手もいる。昨シーズンの世界選手権で3位に輝いたアメリカの男子選手、ヴィンセント・ジョウや、韓国選手権で2連覇中の女子選手、ユ・ヨンなどが濱田氏に教えを受けているのだ。指導者としての実力は折り紙付きだが、今回の騒動が選手たちに及ぼすダメージは大きい。前出のスポーツ記者が語る。
「今回の件で選手への影響は免れません。宮原さんは成績が振るわず、4年連続で出場してきたGPシリーズファイナルの出場権を逃しました。今週末のNHK杯に出場する紀平さんは3位以内に入れば、出場は可能ではありますが、厳しい状況にあることは間違いありません」
場外の戦火はすでにリンク内に飛び火しつつある。コーチ同士の諍いが原因で選手が活躍できないとなっては本末転倒だ。すでにフィギュアシーズンは本番。早期に解決すればよいのだが。
写真:時事通信社