『グランメゾン東京』は木村拓哉が耐え抜いた3年間を描いたドラマ | FRIDAYデジタル

『グランメゾン東京』は木村拓哉が耐え抜いた3年間を描いたドラマ

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現在放送中の『グランメゾン東京』での熱演が大好評の木村拓哉
現在放送中の『グランメゾン東京』での熱演が大好評の木村拓哉

木村拓哉主演の日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系)の第5話が11月17日に放送され、平均視聴率12.6%。初回12.4%、2話13.2%、3話11.8%、4話13.3%と、毎回高視聴率を叩き出し、秋ドラマでは今期イチ押しの声も上がっている。

「木村演じる尾花夏樹は、パリで二つ星のフランス料理店を経営する型破りな天才シェフ。しかし3年前に”ナッツ混入事件”を起こし、店も仲間も失いどん底まで転落。その後、天才的な舌を持つ女性シェフ・早見倫子(鈴木京香)と出会い、困難を乗り越えながら世界最高の三つ星レストラン『グランメゾン東京』を作るために奮闘する”挫折から始まる再生の物語”です」(テレビ誌記者)

しかしこのドラマ。回を追うごとに3年前、芸能界に衝撃を与えた”SMAP解散”にまつわるセンセーショナルな出来事を思い返してしまうのは、私だけだろうか。

「16年末SMAP、解散。その際、SMAPを解散に追い込んだ”戦犯”扱いを受け、バッシングの矢面に立たされたのがキムタク。その姿が、今回キムタクが演じる尾花夏樹の姿と重なって見えて仕方がありません」(ワイドショー関係者)

「グランメゾン東京」は、木村自身に起こったこの3年間の出来事を下敷きにして作られたドラマ。そう思ってこのドラマを観てみると感慨深いものがある。

「解散した翌年1月期に始まった日曜劇場『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)こそ平均視聴率14.5%と面目を保ったもの、GWに公開された主演映画『無限の住人』は、興行収入10億円以下というまさかの結果に。‘07年&‘15年『HERO』、そして‘10年『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が、すべて40億円を超える大ヒットを記録していただけに”キムタクブランド”は地に堕ちたと言われましたね」(前出・ワイドショー関係者)

厳しい逆風が吹く中、木村が次回作に選んだのが嵐・二宮和也との共演作『検察側の罪人』である。‘18年8月に公開されたこの映画は、興行収入30億円には届かなかったものの、まずますのヒットに胸をなでおろす結果となった。

「しかしマスコミは、当時国民的なグループに成長した嵐・二宮の力を借りなければヒットが飛ばせなかった状況を見て”キムタク伝説の終焉”を指摘する声も上がりました」(夕刊紙デスク)

だがこの作品こそ、SMAP解散後の木村にとって大きな意味を持つ作品となった。

「木村はこの役を演じたことで、SMAP時代に演じた“正しいことに邁進するヒーロー”から脱出することに成功。“自分の正義を信じるあまり、一線を超えてしまう”今までにない、ある意味クレイジーな役を演じることで、木村はSMAPから解き放たれ、俳優・木村拓哉として映画と向き合う、ある意味”自由”を手にしました」(放送作家)

しかし当時の木村は、逆風に立ち向かうために、何としても新境地を切り開かなくてはならなかった、と前出の放送作家は続ける。

「木村は、今回のドラマが始まる前に行われたテレビ誌の取材で『壁にぶつかった時の乗り越え方について』アドバイスを求められ、『僕は自分としても尾花としても、どん底にいようが壁にぶち当たろうが”なんとしても明日まで生きてやる!”って思う』『一緒の方向を向いて、一緒に何かをしてくれる人たちがいるから”明日まで生きてやる!”って思えるし、その人たちの存在が原動力の種になる』と熱い思いを語っています。この思いはドラマの中だけではなく、当時逆風の中、必死に闘ってくれた仲間たちへのエールでもあるわけです」

「グランメゾン東京」第5話では、そんな木村の思いが溢れる回想シーンが登場する。

パリ時代の二つ星の店「エスコフィユ」が不祥事を起こす前のこと。ミシュランから連絡が入り、今年も”三つ星”が獲れなかった尾花(木村)は、二つ星でも拍手するスタッフを一喝。雪の降る厨房の外にしゃがみ込み、賄いを食べながら悔し涙を流すシーンが登場する。

このシーンの尾花こそ、逆風に耐え”ブレずに勇気を持って進んできた”木村自身の姿ではないか。さらにドラマでは3年の時が経ち、当時賄いを作ってくれた平古祥平(玉森裕太)と再会。”ナッツ混入事件”に絡んでフレンチを諦めるという祥平に対して、

「俺は『エスコフィユ』でお前の賄いを食べた時に救われた。平古祥平の作る料理には人を動かす力がある。それは誰にでもあるものじゃなく、お前の才能だ。何もいうな。ただしフレンチやめんじゃねぇぞ」

と言い放ったこの言葉も、逆風の中を共に生きた友への励ましの言葉に聞こえる。

「ドラマは、いよいよ『グランメゾン東京』がオープンして、佳境に突入。キムタク自身が逆風に耐えた3年間を投影するこのドラマが成功を収めれば、キムタク自身も完全復活したとみていいでしょうね」(前出・夕刊紙デスク)

来年の1月にはソロアルバムもリリース。“SMAP解散”の呪縛から解き放たれた木村拓哉が、これからどんな演技を、どんな歌を披露してくれるのか。ファンならずとも期待したい。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

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