AIで年収アップ?「食生活と仕事を見直す」新サービスは使えるか | FRIDAYデジタル

AIで年収アップ?「食生活と仕事を見直す」新サービスは使えるか

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「Work Up」のトップ画像。※現在「Work Up 」はオープンβテスト期間中。11/19からサービス名称を「Work Up AI」に変更している。
「Work Up」のトップ画像。※現在「Work Up 」はオープンβテスト期間中。11/19からサービス名称を「Work Up AI」に変更している。

「年収を上げたい!」

多くの人たちが、切実に願っているはずだ。しかし、会社で上司に給料アップを訴えてみたり、本業を持ちつつ副業に手を出してみたりと、仮に思い付いたとしても実行に移し、かつ成功する人は少ないだろう。

そんな中、年収アップに結びつくかもしれない、一縷の望みを託せるサービスが登場した。なんと、AIによる食事管理によって年収アップが期待できるという「Work Up」だ。果たしてどのような効果があるのか。うだつの上がらない三十路ライターが、実際に試してみた。

茶目っ気もあるAI“カルナ”が年収アップへ導く

AIを活用した「Work Up」は食事や食生活を見直すことで、ビジネスマンのワークパフォーマンス改善を促すサービスだ。今回、筆者が使ってみたのはブラウザから利用できるβテスト版であったが、2020年中のサービス開始以降は、月額9,800円(税別)でPCとスマホの両方から使えるようになる。

さっそくサービスを立ち上げてみたところ、画面内に現れたのは「カルナ」と名付けられたAIだった。男性か女性かは不明ながら、ビジュアルと言葉の響きから何となく女性をイメージしてみたが、自分から名乗りながら「おせっかいなAIです。仲良くしてくださいね!」と自己紹介されると、どことなく親近感もおぼえてしまう。

サービス内のさまざまな機能を案内してくれるAIの“カルナ”
サービス内のさまざまな機能を案内してくれるAIの“カルナ”

初めは、プロフィールの作成からスタート。生年月日・性別・現在の年収を入力するのは必須で、身長や体重は任意に記入できる。年収について「月収ではありませんので、ご注意ください」とメッセージが表示されているのは何とも丁寧な印象もあるが、基本的な情報を入力したあとは、アレルギーや持病によって摂取できない食材を選択する必要もある。

プロフィール作成で訪れた一時の絶望…

プロフィール作成の入力を終えて、次に取り掛かるのが「AIカウンセリング」だ。現在の生活態度や食習慣についての質問に「はい」「いいえ」の2択で答えていく。その回答により、プロフィールも加味した登録者の健康偏差値・余命・健康寿命・生涯収入が算出されるのだが、この作業がじつはなかなか骨が折れるものだと、当初は思いもよらなかった。

全132問に回答し終えたあと、結果を示す画面の一部に表示されたのは「カウンセリング回答数」と呼ばれる項目。どうやら、より正確な診断を求めるのであれば、残り701問に答えなければいけないらしい。もちろん途中までの結果でサービスを使い始めることもできるが、やるからには徹底的にやりたい…。年収を上げたいという一心で、サービスを司るAI“カルナ”と筆者の一騎打ちが始まった。

結果はさておき、回答数を実際の数字でみると腰が引ける…
結果はさておき、回答数を実際の数字でみると腰が引ける…

回答を進めていくと、画面内では「残り◯問」とカウントされる。途中で立ち止まれるように「ここまでの回答を送信」ボタンも設置されているが、己を律するためには頼るわけにはいかない。淡々と続く「はい」「いいえ」の回答と向き合う作業に落ち込み始めるも、やり始めたからには“やりきる”という執念に駆られたまま、画面内の質問とひたすら向き合っていった。

14時20分頃にスタートして、百の位がようやく切り替わったのが約15分後。この辺りから「心のスイッチをいったんオフろう」と決めた。単純作業の連続だからか、質問項目にあった魚の「カレイ」が「カレー」に見えるような錯覚や、問題文自体に対してだんだんと“ゲシュタルト崩壊”的な感覚を味わいつつも、ようやく一時間ほどかけて折返し地点となる「残り350問」のカウントまで到達。そこまでたどり着いて初めて、キーボードの「Y」と「N」でも回答できることを知った自分を少し恥じた。

百の位が変わるたびに、わずかながら気持ちが楽になっていった
百の位が変わるたびに、わずかながら気持ちが楽になっていった

折り返し地点を過ぎた頃から、一つ編み出したのは「残り◯問」のカウントから目をそらすという方法。わずかな望みを胸に、ひたすら黙々と回答を続けていった。途中から慣れもあったのかペースアップを図り、ようやく質問数が3ケタを切り始めたのが開始から1時間15分ほど。少しずつ達成感がこみ上げるなか、記念すべき最後の質問となったのは自分自身の入浴習慣についての質問だったが、答えるのが何だか名残り惜しくなってしまった。

AI“カルナ”からの「お疲れ様」の一言にホッとした
AI“カルナ”からの「お疲れ様」の一言にホッとした

すべてを回答し終えるまでにかかったのは約1時間半。単純作業にボーッとしていたはずだったが、徐々に感覚を取り戻し始めた筆者が確認したのは以下の数値だった。

W-Score(ワークパフォーマンスと健康状態を示す独自の数値):412

健康偏差値:58

余命:残り45.6年

健康寿命:残り36.3年

生涯収入:2億3,636万円

現在、筆者は36歳であるが、余命をみてわきあがってきたのは「81歳まで生きなければいけないのか…」という絶望感だった。年収の「2億3,636万円」という数値も、フリーランスという立場を考えれば「果たしてそこまで頑張れるのか…」と一抹の不安がよぎる。とはいえ、AI“カルナ”との対決へ身勝手な勝利を感じながら、かたわらにあったコーヒーに口を付けた。

年収アップが期待できる料理に舌鼓を打つ

つらつらと「AIカウンセリング」について綴ってきたものの、このサービスの核はもちろんそこではない。メインになるのはメニューにある「メソッド」と「ワークパフォーマンス」の二つ。今回は、βテスト版であったため「メソッド」を利用してみた。

サービス内の機能「メソッド」の選択画面
サービス内の機能「メソッド」の選択画面

メソッドは、ワークパフォーマンスの改善を目指す人たちのために、プロフィールにもとづく料理をAIが提案してくれる機能だ。質問により導き出されたそれぞれの健康状態を加味して、必要な栄養素に見合った料理をおすすめしてくれるほか、食べるとどれほどの年収アップが見込めるのかも提示。さらに、ページ内にある「AIに聞く」では、専門家の見識にもとづく“食の豆知識”も学べる。

機能の一つ「AIに聞く」では「現代病」や「添加物」などの知識を学べる
機能の一つ「AIに聞く」では「現代病」や「添加物」などの知識を学べる

AIが提案してくれるのは、大きく分けると「オリジナルレシピ」と「認定商品」の二つ。レシピ内では材料や作り方はもちろん、作業時間や必要な調理器具も丁寧に紹介してくれているのがうれしい。

キャッチコピーや鮮やかな写真から、興味のある料理を選べるのもサービスの特徴。どれもそそられるレシピばかりだが、さっそく筆者が試してみたのは生涯年収が6.51万円アップが見込める「ピーラーで簡単! 大根のハリハリサラダ」と、同じく6.4万円のアップが見込める「レンジで簡単! きのこの卵白とじ」だった。

レシピの案内はシンプルで分かりやすい
レシピの案内はシンプルで分かりやすい

一品目の「大根のハリハリサラダ」は、材料も大根にめんつゆ、ごま油だけとシンプルで、調理器具もピーラーさえあればできるというお手軽料理だ。どうも免疫が落ちているのか風邪のような症状が続いていたので、サイト上で書かれていた「大根好きは風邪引かず」というキャッチコピーに惹かれて一目惚れした。

そして、二品目の「きのこの卵白とじ」は卵白やしめじ、豆乳、昆布茶、お湯を材料として、基本的には混ぜて電子レンジで温めるだけでできるメニューだった。サイトによれば卵白は日常の“イライラ感”を抑える働きがあるようで、年齢によるものか環境によるものか、理由は分からずとも抱いていた焦燥感を打ち消したい一心から選んでみた。

筆者が作ってみた二品。調理もお手軽で、味も申し分なかった
筆者が作ってみた二品。調理もお手軽で、味も申し分なかった

開発を手がけたシグナルトーク社によれば、事前に回答した「AIカウンセリング」の結果により食生活をはじめとした生活習慣、体調などを分析しているため、ユーザーごとに異なる「メソッド」が提案されているという。

また、実際に検索した料理に応じてトップページでは「入会からの生涯収入変動」も確認できるが、これもAIのディープラーニングにより計算されているもので「例えば、サバをよく食べる人は年収が平均◯万円多いなど、過去のデータも参照して年収アップのシミュレーション結果が算出されています」と回答を得た。ちなみに、二つのレシピを試した筆者は「+90万円」となったが、現在はまだ志なかば。食材のバランスなどを加味して、レシピの組み合わせを工夫する楽しみも味わっていけそうだ。

さらに、起動したPCアプリと並行してどれほどキーボードを打ったのか、モニター上でどれほどカーソルを動かしたかなど、日頃のワークパフォーマンスを数値として記録し分析してくれる機能も実装されている。

健康的な食生活を手に入れてさらには年収アップも見込める「Work Up」であるが、現実的な結果が出るのは明日かもしれないし数年後かもしれない。いずれにせよ献立に悩まされることがないメリットもあり、外食時にも提案された食材を参考にメニューを選ぶなど、日常生活で役立てればきっと活力もみなぎってくるはずだ。

※現在「Work Up 」はオープンβテスト期間中。11/19からサービス名称を「Work Up AI」に変更している。

  • カネコシュウヘイ

    (編集者/ライター)1983年11月8日生まれ。埼玉県在住。成城大学出身。2008年から出版業界に従事、2010年に独立しフリーランスとなる。以降、Webや雑誌でエンターテインメント系のジャンルを中心に取材や執筆へ注力。月平均4〜5回はライブへ足を運ぶアイドル好き。著書に『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)

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