木村拓哉が主演ドラマで“薄味”に!? 大成功したTBSの味付け | FRIDAYデジタル

木村拓哉が主演ドラマで“薄味”に!? 大成功したTBSの味付け

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『グランメゾン東京』での好演が話題の木村。物語も佳境を迎えているが、このまま有終の美を飾ることができるのかーー
『グランメゾン東京』での好演が話題の木村。物語も佳境を迎えているが、このまま有終の美を飾ることができるのかーー

“キムタクドラマ”が快調だという。

10月20日に放送が始まった木村拓哉主演の『グランメゾン東京』(TBS系)のことだ。

木村がドラマや映画に出演するたびに「何をやってもキムタク」と言われて久しい。今年1月2日に放送された『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)の中で、彼自身も「何をやってもキムタクと言われる」と発言している。

実際に木村の演技を目にした人の多くがこう感じていたのは間違いないが、彼がそう言われることを気にしていたことに驚いた人も多いだろう。

そんなこともあり、今回のドラマは放送が始まる前から注目度が高かった。

初回の放送日は、日本テレビでラグビーワールドカップの中継があり、快進撃を続けた日本代表の試合とかぶってしまう予定だった。そのため、視聴率が危ぶまれたのだが、TBSでもドラマ開始前の野球中継が延長になり、50分繰り下げとなったため、放送が重ならずにすんだ。平均視聴率も12.4%と、最近のドラマの中では上々の発進だったといえよう。

“キムタクドラマ”と言えば視聴率20%越えは当たり前だった。しかし近年はドラマ不況もあって、木村に限らず主演俳優がどんなに人気者であっても高い視聴率を望むのは難しくなってきている。

さらに前述のように揶揄されてアンチも多い木村だけに、局側が期待していたような視聴率は取れないだろうという向きもあった。それだけに、この視聴率は上出来と言っていいのでは。その後も多少の上下はあるものの視聴率は安定した状態を保っている。ドラマ自体の評判もすこぶるいいのだ。ネットに上がるコメントも、

《キムタクか、、、と、思ってたけど、このドラマはいい!!》
《ドラマ離れして久しいが、グランメゾン東京はそんな私をまた来週回が早く観たくてたまらないという感覚に呼び戻してくれた》
《期待以上の面白さで、つぶやかずにいられない。胸が熱くなるシーンがあるかと思えば、軽妙なやり取りやミステリー要素まであって、盛りだくさん! テンポよく進み、1本の映画を観たくらいの満足感が得られた》

と絶賛するものが多い。

当然、木村のファンもコメントを寄せているだろうから、全部が全部額面通りに受け取ることはできないだろうが、最近のキムタクドラマに対するコメントに比べたら批判的なコメントは極端に少ない。高評価の要因はどこにあるのか。

「はっきり言いますが、木村さんの演技は何も変わっていないように見えます。何から何まで“キムタク”そのものです。ですがこのドラマではその“キムタク色”を覆い隠す、あるいは薄める工夫がされていて、それが功を奏しているんじゃないでしょうか」(テレビ誌ライター)

制作サイドは今回のドラマで、戦略的にキムタクカラーを薄めているというのだ。

「木村の相棒を務める鈴木京香さんや沢村一樹さんなど、個性的な女優・俳優が脇を固めています。京香さんがレストランの開業からミシュランで星を獲得するために、奮闘する姿はとても応援したくなります。また、佐藤浩市さんの息子の寛一郎さんや、三浦知良さんとりさ子さんの息子の三浦獠太さんといった二世俳優をキャスティングし、視聴者の興味を木村さんだけではなく、いろんな場所に分散させたのです」(番組製作スタッフ)

ドラマ離れが著しい昨今では、キャストだけで視聴者を惹きつけることは難しい。そんな中で、TBSの『日曜劇場』は軒並み高い視聴率を誇っている。

「制作サイドも、人気アイドルをキャスティングするような戦略をとることは少なくなりました。『グランメゾン東京』と同じ日曜劇場の枠で放送された『半沢直樹』(TBS系)が成功したように、しっかりした脚本で、実力のある役者を起用して作ったドラマは人気が出るということがはっきりしましたからね」(前出・テレビ誌ライター)

“何をやってもキムタク”に悩みながらも、変えようとしないのは、開き直ったのか、それとも変えられないワケがあるのか、どちらにせよキムタクはどこまで行ってもキムタクだった。しかし、彼以外に味の濃い役者をそろえ脚本の味付けをしっかりし、“キムタク味”を薄めたのがこのドラマが好評の理由のようだ。

まさにキャストの調理がうまくハマった“グルメ”ドラマなのかもしれない――。

  • 佐々木博之(芸能ジャーナリスト)

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

  • 写真原一平

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